暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (658ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823891

感想・レビュー・書評

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  • (本格ミステリ大賞候補(2005/5回))

  • 館シリーズを読むのが初めてだったのだが、
    正直長さの割には…と感じてしまった。

    とはいえ、シリーズ最初から読めばまた違うような気がするので、
    いつか再読したいと思う。

  • 上下巻読了。
    最初の400頁は建物の構造と登場人物紹介でなかなか先へ進まず中だるみ気味でした。
    トリック自体は綺麗に大どんでん返しが決まっていますが、それよりも別のものを盛り込み過ぎて存在感が薄くなってしまった印象でした。
    ファンタジーやホラー色が強く、ロジカルとは無縁の作品で、個人的にはあまり好みではなかったです。

  • 所々入る謎の視点が煩わしくて、少し流しながら読んだ箇所があることが悔やまれる。
    謎の視点、そして数々の真相が明らかになったところで再び最初から読み返したい…の、だが。上巻が長くて長くて、また読むとしたら当分先のことかな…

    中也や江南、市朗、そして謎の視点などいくつかの視点が混じりあいながらストーリーが進んでいくのだけど境目が難しく感じた。たまに油断してると、誰の視点だか見失うのこともあったり…orz
    とはいえ、中村青司がこの館を建てた経緯が明らかになったところで再び、館シリーズ一作目から読み直したくなった。

  • 上からもうほとんどノンストップ。
    寝食を忘れて没頭。
    というか、気になって気になって置いておけませんでした。

    途中、叫びだしてしまい、
    謎が、謎が、謎が・・・

    コレはもう快感、というものでしょうか。

    誰かに話さずにはいられない。

  • 推理小説というよりも幻想小説のような印象です。
    叙述トリックとか、そのための伏線と手掛かりとか、殺人事件とかを無理やりはめこんでホラー小説をミステリ小説に仕上げた感じ。
    「館シリーズ」ですから殺人事件を出さないといけないのは仕方ないのかも知れませんが、特に18年後の連続殺人は、別になくてもいい気がします。
    全体的に建物や真理の描写が無駄に冗長で、これは連載小説でときどき見かける欠点だと思います。もう少し短く凝縮できなかったものでしょうか…。何から何までバランスの悪い一品。
    正直、初読では、シリーズ中最もお粗末な作品のように感じられましたが再読すればまた違うのかな。

    でも読んでいてとても興奮したシーンがあって、
    「食したまえ」「食したまえ」「食したまえ」
    はとても怖くてよかったです。

  • 読み進めるのが辛かった上巻に比べれば
    謎や違和感が次々解明されていくので読むには楽だったー

    江南孝明の「現在」と玄児と中也の「現在」が異なっていた点や、ふたりの江南の存在、江南忠教の動機なども面白かった!
    じーっくりじっくり読んでいけばわかっちゃうものでしょうか?
    そんな風に読んでいたら1カ月は掛ってしまいそう…w
    暗黒館が何故「館シリーズ」の集大成なのかという点も、「中也くん」の正体を知った時点で全て繋がってスッキリ。
    水車館、迷路館、時計館、黒猫館もヒントもここから得ていたのか~

    惑いの檻の中でまだ玄遥は生き続けているのかをハッキリさせないままの終わり方も含みがあっていいなあ
    結局、鬼丸も「ダリアの祝福」を受けていたのか。
    ただ、全ては江南孝明が見た夢の話というのはちょっと鹿谷さんが置いてけぼりすぎてどうなのかなあ
    番外編的な扱いで出番一切なしのほうがスッキリした気も…
    出てくるなら推理して、活躍して欲しい!w
    あー重たかった!

    2013/01/20-24

  •  ようやく読みました、暗黒館。幸せ。
     ひとまず読了直後の感想は「ああ、これがすべての原点か」と。
     相変わらず登場するのは江南孝明くん。よしときゃいいのに、山奥に立つ暗黒館の噂を聞きつけて一人で見に行こうとする。そうすると必ず事件に巻き込まれるってのにね。せめて鹿谷さん、待ってればいいのにね。
     深い山奥にある湖の島に立つ暗黒館。常に雨戸が閉められ、壁から屋根から何もかも真っ黒。館内部も真っ黒で、ところどころに赤が入り込む。そこに暮らす、黒魔術的な儀式を行う家族。偏屈そうな家長。気の狂った女、達観してる青年。知恵の遅れた子供、主に忠実な執事。これにプラスしてシャム双生児の少女たち。
     もうね、てんこもり。ここまで詰め込むか、ってくらいに。
     「“視点”」という表現でころころ主体が変わるという手法は微妙だと思ったが、まあこのオチにもって行くにはそうするしかないのだろうなぁ。
     中心は三人、江南くん、「中也」と呼ばれる青年、館に忍びこんでいた市朗少年。
     どれもこれも名前が曖昧で、どんなオチが待ってるのかと思えば。
     ネタバレにつき空白部分は反転処理。
     事件に巻き込まれた江南くんが「江南孝明ではない」ってことはかなり始めに考える。けどなぁ。普通あそこまで「一致していたらイコールで繋げる」だろ。うーん。確かにねラストで明かされてるように、いたるところに伏線は張ってあったさ。「時代が違うんじゃないか」ってのも思ったさ。あー、でもうん。そうだね、伏線を拾いきれてなかったんだね。
     「中也」ってのが一体誰なのか。名前が出てこないってのと、あと彼らがいた当時「暗黒館の改修工事に携わった建築家が「中村某」としか表現されない」ってのも伏線の一つだったんだね。途中で気づけはしたもののそれでも、ラストで実際にその言葉が出て来たらゾクリとするなぁ。
     そもそも「江南くんがどうしてそんな体験をしたのか」という部分が非現実的で一切説明がなかったが。「そこが青司が携わった「暗黒館」である」ということだけで納得できる高柳は、相当毒されているのだろう。(綾辻に、か、あるいは中村青司に、か。)
     欲を言えば「現実」(と書くと語弊があるが)でもう一捻りオチがあればよかったな。「青司の提案で「惑いの檻」を封じるように十字架を象った渡り廊下を作った」という部分がだけじゃ弱いよな、と。(これが作者の意図したオチなのかは知らないが。)まあ、水車館のオチと比べるからそう思うんだろうな。
     「暗黒館」は原点故のオールスター。水車館の藤沼一成、迷路館の宮垣葉太郎、時計館の古峨精計社。黒猫館はやっぱりアリスだったね。人形館がないのは青司の設計じゃないから。
     館シリーズすべてを読んでから読むのが一番良い作品。

    04.09.13

  • 今月の30冊目。今年の172冊目。

    下巻。しかし、長い。両方合わせて1300頁くらいあります。いろいろな謎が解き明かされるので、上巻よりかはすらすら読めた感じがします。しかし、なんだかなーという感じがしますね。もちろん最後はロジックで解決してくれますが、ちょっと館のインパクトが強すぎて、事件が霞む傾向に・・・。もちろん事件と舘は密接に関係しているんですがね。とある人物のもったいぶりさが半端じゃない。てかいい加減にして、全部話せや!って途中で突っ込みたくなりました。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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