- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062749053
感想・レビュー・書評
-
村上春樹の長編小説のラストはたいてい「え、その続きは?」という感じに終わるのだが、本作では幸福的に終わる。珍しい。まあ、やっぱり謎は謎のままだけどね。
登場人物が魅力的ですね。特に13歳の美少女ユキ。彼女が成長して他の作品に出てくるなんてことがあったら面白いのに。
東京、ハワイ、箱根、札幌と場所も移ります。そして時間は腐敗する。
人生はダンスであり、雪かき仕事でも意味なんて考えずに上手く踊り続けるんだ。
「鼠シリーズ」ついに完結。
スノッブ→知識をひけらかす見栄張り屋
ペルソナ→人格。心理学的には表面的な人格詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
羊をめぐる冒険の続編。
文化的雪かき
音楽が鳴っている間は踊り続けるんだ。意味や理由なんて考えちゃいけないよ、足を止めると二度と戻れなくなる。とにかく上手に踊るんだよ。
何処にも行けない僕たちの物語、共鳴するところが多々あった。村上春樹さんの作品はいつも優しい、そのままでいいのだと教えてくれる -
青春三部作といわれる〝風の歌を聴け〟〝1973年のピンボール〟〝羊をめぐる冒険〟の続編です。この作品をあわせて、羊四部作とも呼ばれているようです。
本作も喪失感、空虚感、孤独感、そして死の気配が全編に満ち満ちているのですが、けっして暗くジメジメした仕上がりにはなっていません。それはやっぱり、言葉の選び方のセンスの良さなのでしょうネ。シニカルでファッショナブルで、その上とてもクールです。けれど、それでいて嫌味はありません。だれもが漠然と感じている、うまく言葉にできないもどかしさのようなものが、物語という形を取って目の前に展開されます。
主人公は現実と非現実の狭間で、辛うじて日々を送っているのですが、現実も非現実も、ボクらが生きていく上においては、実はどちらも現実的で、ボクらがみんな儚い存在であるという観点から見れば、実はどちらも非現実的なのではないかと、そんな思いがしました。
なにはともあれ、人は自らの意志で生きているようで、実はそうではなくて、なにか得体のしれない大きな流れに乗せられてしまっているのかもしれません。自分の思いとは異なった行動を取ってしまうことが、あまりに多過ぎるような気がします。それでも踊り続けなければならないのが人生です。
いずれにせよ、生きるということが常に死と隣り合わせである限り、喪失感、空虚感、孤独感は拭い去れるものではありません。謎は謎のまま、放置されることの多い村上作品ですが、物語を読み込んで、自分なりの解釈で謎解きをするというのも、読後の楽しみのひとつですネ。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2 -
比喩表現のバリエーションが桁違い。
ラストが恐ろしくてドキドキした。
4月6日 -
札幌に居るうちに読了
鼠三部作のその後であり、『僕』の物語の集大成。
世界の終りとハードボイルドワンダーランドが春樹長編では一番好きだったけど、これは越えたやもしれぬ。
お洒落な比喩、終盤の引き込まれ具合、そして結末。
一生心に残る作品。まごう事なく神作品。
-
踊りをやめてはならない。自身の内面に流れ続ける音楽に身を任せて足を動かし続けなければならない。
-
死んでから後悔したなんて口に出すことは、個人的に好きじゃない。
学校になんか行く必要がない。行かなくたってうまくやれるし、ずっとどうにもならならいなんてない。どうにもならなかったらその時考えればいい。
ユキを通じて語られる僕の芯が魅力的だと思った。
ダンス、ステップをうまく踏んで行く毎に、僕が定まっていくように感じた。
人は歳を重ねるたびに何かをすり減らして置いていくばかりなのかしら。それとも何かを抱え込んでホコリと一緒に積み上げていくのだろうか。
最後はとどめたし、とどまったね。それがユミヨシさんとの適切な距離感なのかな。
とてもおもしろかった。 -
やれやれ
ってな事で、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』上下巻。
久々に読むのに時間の掛かった本じゃった、と言うか読書スランプと言うんか、活字に解放された期間じゃったかな。
上巻の中盤まで読むのに非常に時間が掛かった。
うわっ‼️ハルキの洗礼と言うのか、訳分からん内容…
羊男⁉️ 何だチミはっ⁉️
中盤抜け切るのに半月以上掛かったかな
中盤を抜けると、あれ⁉️って位に面白くなるんよね。
僕の無関心と言うのかスカした感じと、拘りのある我儘な自己中心的な僕。
COOL
CHAOS
CUTE
『COOL・CHAOS・CUTE』別のタイトルを付けてって言われたらこれかなっと
登場するキャストにどれも当てはまる感じがするし、愛おしいキャスト達。
なるほど、春樹が好きになる気持ちが少し分かった様な、いやもうとっくに好きに成ってたんだ。
やれやれ
2023年11冊目