出口のない海 (講談社文庫)

著者 : 横山秀夫

• 講談社 (2006年7月12日発売)

感想・レビュー・書評

[shimizu0523さんの感想 · 2016年3月31日]

テーマは戦中公表されなかった恐ろしい自爆兵器人間魚雷「回天」。

[ちゅうぺいさんの感想 · 2015年9月23日]

前半の野球部エピソードに今ひとつ入り込めず。後半の海軍エピソードは共感できる部分もあり、胸にうつものがあって良かった。

[おちえちえさんの感想 · 2015年9月17日]

精神論ってほんとうにいやだ。

[shinokeiさんの感想 · 2014年10月29日]

この本は電車の中や病院の待合室で読むことをお勧めしない。
永遠の０では3～4カ所ドカッと大泣きする場面があるが、こちらはより頻繁に波が来る。
特に中盤からは主人公の心の葛藤や家族や思い人の心理など、とにかく心を揺さぶられる。戦争の陰惨な空気感やその時代に生きる人々の心の葛藤がおしげもなく表現され、その描画に心を奪われっぱなしになってしまう。

絶対に公共の場では読まない方がいい。
というか、家でも妻に見られてしまった。
いったいどこで読めばよいのか悩んでしまう素晴らしい本でした。

[あらたさんの感想 · 2014年3月18日]

　本当にあった特攻兵器、人間魚雷「回天」の物語。「窓がなく、いつ激突するのか、死ぬことは決まっていても死ぬ瞬間はわからない」という表現で戦慄した。戦争の悲惨さを伝える作品というよりも、主人公が言い残した通り「回天の存在」を伝える物語。オチもまとまっているけれど、休暇から基地へ戻る時の美奈子と並木のやり取りがこの作品のハイライトであり、戦争の悲しさを一番物語っていると思う。
　さすが横山秀夫と呼べる作品。胸中の表現がいちいち刺さります。

[本の虫さんの感想 · 2014年2月23日]

胸が張り裂けそうになりました。
命の大切さ…
日々を大切に生きようと思います。
今の、平和に感謝です。

[kotona109さんの感想 · 2013年11月17日]

こんなに読んでいて苦しい気持ちになる本はなかなかない。戦争ものはあまり読んだことがなかったせいか、目を背けたくなるほどリアルで残酷に感じた。泣きました。横山さんはこんな作品も書けるんですね。素晴らしい。ただ、最終章は蛇足では？？？

[あおちゃんさんの感想 · 2013年11月4日]

戦争は残酷だ

[あかりさんの感想 · 2013年10月14日]

横山秀夫先生デビューです。
戦争青春小説。

私は恥ずかしながら「回天」と云うモノを知りませんでした。
今年（H１９）の夏に、「はだしのゲン」の映像化があったせいが、戦争の話題にはとても敏感になりました。
そしてこの本を読んで、「回天」について自分で調べたりもしました。

燃料は片道だけ、生きて帰れない人間魚雷。

神風特攻隊の魚雷版なんですね。
こんなモノが普通に考え付くのが「戦時中」なんだなと、うすら寒くなりました。

勇気を振り絞り「◎」と書いた人、胸を張り「◎」と書いた人。
考え抜き「×」と書いた人。

誰も責めることは出来ません。
しかし、仲間の出した答えを見て、なんとも云えない感情を抱くことは仕方のないことでしょう。

ある日突然、大切な人が、モノが取り上げられる。
それが「戦争」
その人のために、命を張る特攻隊。

本当に私たちは平和ボケしてるな～と思う。
野球小説としても面白いです。

[midorikana731さんの感想 · 2013年9月19日]

終戦記念日までに読み終えるぞー！と思って読み始めました。

夏の風物詩の甲子園の話も出てきたりと、身近な話題が出てくるのですが、それがまた切ない…。
少し前まで高校生だった子たちが、出陣しなくちゃいけない状況だったんだな。７０年前の日本って…と思って、やるせなくなりました。

戦争の話は重いけど、目を逸らしたり、なかったことにしたりしてはいけないと改めて思いました。

中高生はもちろん、有権者になったばかかりの人にぜひ読んで欲しいと思う作品です。

著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの１位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など､立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『６４』を刊行し、「このミステリーがすごい！」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞（翻訳部門）の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。