- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094060867
感想・レビュー・書評
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久しぶりの再読。
余命宣告をされている30歳の主人公。
目の前に現れるもう一人の自分、悪魔。
テーマは重いのに、この悪魔がアロハ姿で軽い感じに。
最初に読んだときは、話題作な事から、さらさら~と読み終えてしまった。
読みやすく、内容も薄いような気がして。
ところが今回再読すると、母親と過ごした時間、父親との関係、家族…と刺さってくるものが多く、心に残る作品となった。
個人的にはキャベツの時代劇口調が大好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界から猫が消えたなら…電話や映画が消えていったら…
話題本ということでしたが、なるほど読みやすく、面白いので一気に読めました。「本当に大切なものを後回しにして、目の前にあるさほど重要でないことを優先して日々生きていやしないか」説得力のある一文に思わずどきっ。ストーリー仕立てになっているのですが、何かこう、哲学的というか、自分だったらどうだろうか?と、常に考えさせられることが多かったです。 猫のキャベツの描写も可愛らしく、時代劇口調がツボでした(笑)最後は切なさも残りましたが、主人公の取った選択に「うん、うん」と頷きました。遅すぎるということはない、大切なことに気付けただけでもハッピー。その人の生がたちまち輝き出す瞬間、手にできたらいいかと。諦めは肝心ではないのです。(3.5) -
何度読んでも良い。
何度読んでも家族や身の回りの人を大切にしたいと改めて思う。
何度読んでも今の人生を振り返ることができる。
人は誰しもいつかはこの世からいなくなる。
それを感じながら何度でも読みたい作品。 -
時計が消えたからって
キャベツからお母さんの記憶まで
なくなるなんて。。
と思っていたけれど。
ほんとに忘れたの?
うん。ほんとに忘れた。
でも、幸せだったこたとは覚えてる。
とキャベツは答える。
バンプ・オブ・チキンの花の名の
歌詞が重なる。
一緒に見た空は忘れても
一緒にいたことは忘れないよ。
記憶ってあいまいだけど、
そこにあったあったか〜い気持ち
それだけはちゃんと
残るんだよね。
お母さんがやりたかったこと。
それはあなたのためにしたいことだった。
分かるなあ。
子どもが母を思う気持ち
母が子を思う気持ち
不器用ですれ違う父親の気持ち
すごく胸に染みたなあ。
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主人公が頭の痛みなど調子の悪さを市販の薬でごまかして、
病院を敬遠していたところ、我慢できず病院で診察を受け
その結果から始まる物語。
余命わずか、と宣告され長生きできないということがわかり、
死ぬまでにやりたい10のことを考えていると、
自分に似ていて、アロハシャツを着た派手な奴が現れ、
悪魔だという。 悪魔は、明日が寿命だが、世の中からモノを1つ消す代わりに、
1日だけ命を得ると奇妙な取引を持ちかけてくる。
この作品は、軽くあらすじを書いてみましたが、
あらすじにあるように、悪魔と言う存在が出てくるように、
ファンタジー要素があり、デスノートのような感じもありつつの、
感動物語となってます。
最初は、ファンタジーでエンタメで、本当にデスノートを
少しコメディタッチにした展開で進んでいくのかなんて思いながら、
読みやすいので次々読んでいきました。
すると、そんな考えはどこへやら、もう読みやすいのもあって、
引き込まれます。涙腺弱い人は、ハンカチやタオルは用意したほうが
良いでしょう。
タイトルの猫はどういうことですか?って思った人は、ぜひ読んでください。
猫好きな人もぜひ、読むことをオススメします。 -
こういう余命間もない系の小説は、どうせ泣かせに来るんだろうと身構えて読んでしまいますが、、、不覚にもウルッと来ましたw
予備知識無しで読んだのがよかったのか、まさか家族モノだとは思ってませんでしたので不意打ちでした。
別に家族仲こじらせているわけではないのですが、(別の本の感想でも書いた通り)就職でもう10年以上故郷を離れ、目の前の生活の多忙さから親との関係をおざなりにしてたので反省です。(多分)まだ生きてられる自分は今のうちに巻き返そうと思いました。
そしてもうすぐ父の日なのを思い出し、初めてオカンに何を送ったらいいかLINEしたら逆に引かれました。
猫に関して。
小学生のころ、近所に迷い猫が現れ周辺の子供たちで可愛がってたのですが、住宅の庭を荒らしたりもしていたそうで保健所に連絡しようか、と大人たちの間で話が上がりました。
かわいそうだからなんとかして、と母に懇願すると、近所に声高らかに「うちで飼います」と宣言して周り、首輪を買ってくれたのを思い出します。
とても大事に(ど田舎だったので)放し飼いにしてたのですが、自分が就職で家を出ることになる1年前あたりから、姿を見せなくなってしまいました。猫は死に際を飼い主に見せない、とは聞いてたので、あぁ死んでしまったのかなぁ、と諦めて家を出ました。
その2年後、就職先が自分に合わず、本当に辞めようと思い離職する旨を実家に報告に半分メンヘル状態で帰省しました。
打ち明ける前に何気なく近所を散歩していると、いなくなったはずの飼い猫(だったはず!見間違うはずない!)がフラッと現れ、いつもやってたように足にスリスリしてお腹撫でてくれのポーズを取りました。
キャベツっぽく言うと「お代寛さま、もう少し頑張ってみるでござるよ」と励まされた気がして、思い直してなんとか今まで働いてこれてます。
(この後、猫はフラフラと去っていきそれっきりでした。実家にも全く顔を見せてないとのことでした)
今でも飼い始めたころにおもっきり太もも引っ掛かれた傷痕を見てたまに思い出します。
というわけで、私も猫を消すぐらいなら余裕で自分が消えます。
もし車で猫を轢きそうになったらおもっきりハンドル切るけどゴメン、と結婚前に嫁に宣言してます。
小説と関係ない長話、失礼しました。
この話口外するのは初めてです。 -
「何かを得るには、何かを失わなくてはね」という何度も出てくる母の言葉が、読み進めるにつれて重みが増すって感じだった。
何を得たか、何を失ったかに焦点を当てるかで、得た、失ったと感じているだけで、実際は何かを得ている時その代わりに何かを失っていて、その逆に何かを失う時も何かを得ているんだと思った。新しく何かを得ようとしているとき、今ある何かを失うことになるけど、そうして得ようとしているものは本当に必要なものなのか、自分にとって何が大事なのかをちゃんと考えたい。
主人公が、後悔とは未来にあるはずのことを後悔しているのだと言っていて、もっとこうしておけばこうなったのにという思いも全部ひっくるめて自分の人生なんだと受け入れているところが、印象に残った。いい意味で諦めというか、なんか愛があるなって感じ。自分のコンプレックスも、やなところも、そんなとこがかわいいよね私!ってなりたい!
自分がいた世界といなかった世界にあるほんのわずかな差が自分が生きた印って言葉が素敵。 -
人の生死について考えさせられるお話でした。
『何かを得るためには何かを失う。』
それを自分の寿命と天秤にかけるのは重いなと思いました。
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わかりやすい言葉で哲学が語られる。
本を読んでいるのに映画を見ている気持ちになった。 -
シンプル。
わかりやすく、それでいて
ステキな言葉が散りばめられている。
読書を始めようと思っている人には
読み始めにいい作品だと思う。