秀吉と海賊大名 - 海から見た戦国終焉 (中公新書 2146)
- 中央公論新社 (2012年1月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021465
感想・レビュー・書評
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海外の海賊のイメージと日本の戦国時代の海賊とでは随分と違うということがわかる。
戦国時代の海賊は、戦国大名の手勢といったところか。
戦国時代はいわゆる領主制であり、特定の大名のもとに使える軍団といったところであったが、秀吉の登場により領主制から天下人により中央集権独裁支配体制へと変わっていくことで、海賊も統一国家の軍団に編入されていく。
秀吉の海賊禁止令も海賊を解体するわけではなく、収奪行為を禁止するだけであったというのも興味深い。
ということで戦国時代に興味がわいてきた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者は新居浜出身。
第28回愛媛出版文化賞 部門賞(第一部門) -
実は海賊について数年前まではまったく興味を持っていませんでした。勿論、水軍にも瀬戸内の歴史にも。浅海という海賊がいることを知るまでは。自分が浅海という姓を持ち、父方が山口出身であることから俄然興味を持ち出したのです。
一昨年は山口県の平郡から伊予の浅海まで足を伸ばしました。
まだ表面的な僕の知識では理解が及ばないことの多い一冊でしたが戦国時代生き延びる為の諸氏の動き、秀吉の廃止令の意図、これからまた海賊等の歴史を追っていく為の貴重な指針となりました。書棚に大切に取っておきます。特に補足資料に浅海という名前を見つけてホッとしたり、生き残りの過程に身をつまされる思いがしました。ここにある浅海勘助とは平郡島の神社棟札に名前が有る人物と同一人物でしょうか。