火星の人 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
4.47
  • (373)
  • (186)
  • (55)
  • (6)
  • (4)
本棚登録 : 1759
感想 : 275
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150119713

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 火星という極限空間に取り残されてどう生き延びるか、科学知識を駆使し、創意工夫して困難を乗り越えて行く様が非常に面白かった。

  • 「NASAオタク小説」(笑)←あとがきより。
    いやいやいや、よかった愉快愉快。ラストは読み進めるのがもったいなくて身悶えしてしまった。
    評価の星は5つまでしかないけれど倍の10くらいつけたいところ。

    火星に一人で残されてしまったマークが自分の持つ専門知識を総動員して生き延びる、それも素晴らしいユーモアを持って。
    2017年ラストにこの本に出会えてよかったな〜。

    「そう、もちろんダクトテープは真空に近い環境でも使える。ダクトテープはどこででも使える。ダクトテープは魔法だ。崇拝されてしかるべきだ。」

  • 映画「オデッセイ」の原作。
    火星探索ミッションでトラブルにより火星に一人取り残された主人公の生還劇。植物学者でありエンジニアである主人公が、現場にある物を駆使していかに生き残るかを描く。
    とにかく描写が細かくて、リアリティが半端ない。次のミッションで火星に探査船が来るのがいついつだから必要なカロリーと水の量を計算し、その分の食料(じゃがいも)を栽培したり燃料から水や酸素を作ったりする。科学的な知識や植物学の知識が分担に盛り込まれており物語に説得力を持たせている。途中色んなトラブルが発生し、なかなかうまくいかない。すごい宇宙船が出てきたり、火星人に襲われたりなどの出来事がないにも関わらずクライマックス感がものすごい。いいSF作品だった。

  • 主人公目線だけでなく地球と仲間目線のリアルタイムでの対応があって、あとがきにあるように“立体的”に感じられた。
    さらに問題をクリアして順調にいったかと思うとまたあらたな問題が起こったりして、最後まではらはらした。
    主人公が逆境でも人間臭くて、こういう人がほんとに強い人なんだと思う。
    おもしろかった。
    映画見損ねたので機会があったら見たい

  • 映画を観ていたので、
    結末はわかっていたのだけれど、
    それでも面白く、驚きとともに読んだ。

    こんなに長い間、一人いたのに、
    彼は生き抜くことを常にチョイスし続ける。

    冷静でウィットにとんだ手記を読むと凄い精神力だと感じる。

    「可愛がられキャラ」のワトニー。

    皆に愛されてる感じがした。いやぁ、よかったぁ。

    NASAと通信できるようになった時のやりとりがツボ。

    JPL:「発言には気をつけてほしい。きみが打ちこんだ内容は全世界に生中継されている」

    ワトニー:見て見て!おっぱい!->(.Y.)

    もう、お茶目なんだから。

  • 映画「オデッセイ」の原作本。半年近く積み本にしてあったのだが、『バーナード嬢曰く。』の神林に触発されてSFを読みたくなったのでついに読むことに。

    骨太のハードSFだった。でも科学的な部分も、SF初心者&文系の私がまあ理解できるくらいに平易な説明でされていて、しかも説明調ではなくてすんなり入ってくる。翻訳もすごいね。
    彼のログが始まるソル6から、ログを読み進める形で物語が進んでいくのだけれど、リアルタイムで火星ニュースを見ている気分になってずっとドキドキしっぱなしだった。マーク・ワトニーのユーモアっぷりがたまらん。決してパニックにならないし、何かを呪ったりネガティブになったりしないし。マジ人格者。
    マークの性格について、作中でフライト・クルー担当心理学者がこう言っている。マークのログを読んだらこの分析がかなり的を射ていることがよくわかるだろう。
    「たいへん聡明な人ですよ。もちろん、全員そうなのですが、彼はとくに創意工夫に富んだ人で、問題解決能力もすぐれています」
    「それに、彼はとても気立てがいいんですよ。いつも陽気で、すばらしいユーモアセンスのもちぬしです。ジョークがポンポン出てきますしね。打ち上げ前の何週間か、クルーにはきつい訓練スケジュールが課されていまして、そのときは全員がストレスを感じて不機嫌になりがちな兆候を示しました。彼も例外ではありませんでしたが、彼の場合、それが、いつもよりたくさんジョークをいってみんなを笑わせるというかたちで出ていましたしね」(p141)

    あとがきに書いてあったのだが、この小説で起こる山場、言い換えればマークが突き当たる問題は「彼の置かれた状況から当然そうなるものでなければならない――あるいは、できれば、前の問題を解決した結果、意図しない形で発生した問題でなければならないと決めた。彼は想定を超えて長期にわたり使用された機材の故障でひどい目にあうかもしれない。でも、稲妻に打たれ、そのあと隕石の直撃をくらってはならない」という信念のもとに描かれている。そう、これこそがこの物語を面白くしている最大の要素だ。徹底したリアリティ。ちょっとしたミスとか、経年劣化とか、ドラマチックでも何でもないことによって引き起こされるきわめて現実的な問題。もし稲妻に打たれるとか宇宙人に遭遇するとかいう問題が生じていたのなら、まったく興醒めもいいところだ。

    それから、宇宙飛行士って「物凄く優秀なこども」のような人たちなんだと思った。好奇心とか夢とか目標とか仲間の命とかそういうことが最優先で、あんまりリスクのことは考えない。徹底したポジティブ。ただし楽天家ではない。宇宙飛行士ってすごい。改めて尊敬。全方面パーフェクトじゃないとなれない職業だ。

    科学館に行きたくなった。「オデッセイ」も見たくなった。

  • 「NASAオタク小説」 確かに!
    映画『オデッセイ』を観にいったのですが,とても面白かったので原作を拝読。なるほど映画はいろいろ換骨奪胎されてるんだなあという印象。映画を見て印象的だったシーンのいくつかは,完全に映画オリジナルのもので驚きました。
    原作は,解説にも書いてあったけど「NASAオタク小説」だと思う(それがいい!)。ヒューマンドラマ要素は少なめで、主軸はあくまで過酷火星サバイバル。その描写の細かさは,もはや酔狂の域。聞くところによると作者の趣味は「ひとつの宇宙飛行計画を最初から最後まで綿密に想像すること」。いやあ変態小説だ。面白かったです。

  • マーク・ワトニーは、僕たちにたくさんの大事なことを教えてくれた。

    問題には優先順位をつけること。
    問題はひとつずつ解決すること。
    テストを怠らないこと。
    いい仕事をした仲間にはビールをおごってやること。
    そして、ダクトテープは崇拝されるべきだということ。

  • 火星で暮らすマーク・ワトニーの(なぜか筆が乗りに乗った)生存日記を読み進めていく時間は本当に楽しい時間だった。
    彼は持ち前の専門的な植物学知識と科学技術
    ユーモアとポジティブマインドを武器にただ一人取り残された火星の上でサバイブしていく。

  • こいつは面白い!
    週末だけで読み終えちゃった。
    映画を見るつもりだったのに、ツタヤに並んでる本を見かけて読みたくなって、「途中まで読んで映画見に行けばいいか・・・」なんて思ったけど止まらなかった。
    なんでこんな話がかけるんだろう、ぽっと出の新人作家が!「レッドオクトーバーを追え」以来の衝撃じゃないのか!(なんてな)
    この小説がヒットするなんてアメリカ人は知的水準高いんだろうなぁ

全275件中 31 - 40件を表示

アンディ・ウィアーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジョー・ウォルト...
米澤 穂信
伊藤 計劃
ロバート・F・ヤ...
アン・レッキー
劉 慈欣
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×