国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新書)
- 文藝春秋 (2016年7月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166610693
感想・レビュー・書評
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色々なところで書評が出ていたり取り上げられているので、内容の説明は不要でしょう。心にガツンときた本。
衝撃的な内容が多いので、「これ、本当か?」と思ってしまわなくもないですが、残念ながら自分に内容の真偽を確かめることはできないし、そういうことではないんじゃないかと思います。
別に偏った思想をお持ちでない方でも、日本人ならきっと興味深く読めるはず。
特に、「生きること」について思い悩んでいる方ならば。
自分は、数えきれない数の付箋とハイライトをつけながら、あっという間に読み終わりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
会社の同僚の方のお薦めで、お借りして読んでみました。
著者の伊藤祐靖氏は元海自特殊部隊の小隊長。自らの実体験を踏まえての記述は、その主義主張の立ち位置如何に関わらずいろいろな面で興味深い内容でした。根っこの考え方の部分では、私として明確に共感しかねるところがあるのですが、それでも著者のメッセージの真剣さは十分伝わってきます。
予想外に面白い気付きをたくさん得ることができる面白い本でしたね。 -
陸軍と海軍の意思疏通の方法の違いが面白かった。
「海軍型意思疎通」
・・・ 船全体で生死をともにし、船内における意志疎通は比較的簡単、よって船長が判断し、各部署は船長の判断の材料となる情報をあげるに留める。
船長が何を考えているかは、あまり推察しない。言われたことをやる。他の部署の仕事には興味なし。
「陸軍型意思疎通」
・・・ 作戦が始まってしまえば、隊員同士の意思疎通はほぼ出来ない。
よって隊員は隊長が当初作戦の目的として提示した任務遂行のためには自分は何をすべきか考えて、事態が想定どおり行かない場合でも任務遂行のために自分は何をすべきかを自問し作戦行動に移す。(或いは事前に不測の事態が生じた場合の対策も共有する)
作者は海軍型が、渋谷のハチ公前に何時に集合と指示があった場合、携帯電話をもって行き連絡を取りあい不測の事態に備えるような方式であるのに対して、
陸軍型は、渋谷のハチ公前に何時に集合と指示があった場合もし○○分遅れた場合は、△△に移動し、◇◇まで待つ。それでも会えない場合は、XXに移動し■■まで待つ、と言った具合に予め綿密に行動計画を立てて意志疎通の出来ない状態でも行動することだと言う。 -
タイトル的にもっと堅い内容を想像していたが、良い意味で雑な感じ。
国を思う心を正直に吐露したらこうなりました、みたいな本。 -
不審船追跡をきっかけに自衛隊の特殊部隊創設に関わった人の本。
練習のための練習ではダメで、本番を想定したトレーニングをしなさい、というのは一般的な事柄にも通用する。
とは言え、明らかに支持にはないような指導を防大生にするのは、気持ちわかるが、ちょっとやり過ぎかなぁと思った。
個人でできることはいっぱいいっぱいには取り組まれた人だと思う。それ以上やるには、組織の上から動かすような政治力いるんだろうなぁ。 -
共感する箇所もあれば、しない箇所もあります。
でも、問われているテーマそのものは、今の日本で生きている国民全員が、それぞれの立場で考えなければならないテーマだと思います。 -
感情的な書き方での不審船でのきっかけから上からモノをいうやつだと思ったが マニュアルにない支持を防大生に要求するのがパワハラと思わんのか?
後半はミンダナオ島で出会ったパートナー女性にされた説教など。うすら寒い漫画のようですがエンタメ本なのかな -
ラジオ出演した方の著作を読むということが多いが、本書もその一つ。著者は60年代生まれの同世代だが、陸軍中野学校出身の父に育てられた稀有な経歴を持つ。本書を読み進める中、『兵士に聞け』を読み始めたが、自衛隊、自衛官を見る目線はやはり違った。海自特殊部隊創設に携わったが、その完成を見る前に艦船勤務に戻され、退官を決意。「平時と非常時」に対する見解は同感だ。しかし、常に非常時で生きるミンダナオ島での弟子である女性の話は、殺すか殺されるかという極限では野生の本能剥き出しでなければ生きられない悲しさを感じた。