- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167192303
作品紹介・あらすじ
北国の藩、筆頭家老暗殺につかわれた幻の剣「馬の骨」。下手人不明のまま六年、闇にうもれた秘太刀探索を下命された半十郎と銀次郎は藩内の剣客ひとりひとりと立合うことになる。やがて秘剣の裏に熾烈な執政をめぐる暗闘がみえてくる。
感想・レビュー・書評
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秘太刀の遣い手を探す過程を一緒になって探す気分にはなるがやや退屈してしまった。
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主人公の半十郎は、家老に命じられ、その甥の銀次郎と秘太刀「馬の骨」の遣い手探しに協力することになります。
読み始めた時は短編集かと思いましたが、お話ごとに繋がりがある連作短編といった作品でした。
途中までは淡々と読んでいましたが、途中から馬の骨の秘密に引き込まれました。巻末の解説を読むと、遣い手の正体には別の解釈もあるようですが、それ以上にラストの清々しさが爽快な作品でした。 -
とても面白かった。時代小説でありながら文体は現代的で新鮮、ストーリーははらはらするミステリーを思わせる。『秘太刀 馬の剣』の伝承者は誰か、馬の剣にまつわる藩の秘密はなにか。最後までワクワクしながら読めた。ただ、最後に馬の太刀の使い手を著者が明らかにしたと思ったのに、それは見せかけで、真の使い手は思いもかけない者だと解説者が説いていたのには、少々驚いた。
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藩の要人の暗殺に用いられたという秘大刀「馬の骨」。その遣い手を探るよう命じられた筆者。次第に明かされる藩の実態。
五十を過ぎて藤沢周平に本格挑戦。第二弾で選んだのがコレ。ちょっとミステリー調。
何より藤沢周平は季節の情景と女性を描くのが実にうまい。また文章だけでは難しいだろうチャンバラの場面も臨場感豊かで見事。
この作品も海坂藩が舞台。 -
歴史ミステリー小説ともいえるのだろうか、秘太刀、「馬の骨」を伝授した者を探し出すストーリー。
藩内の政争がテーマであり、ストーリーの中で登場する人物を追いながら当時の藩の運営、武士の振る舞い等、知ることも興味深い。
武士にとっては生死は身近なものであるが故に、ストーリーの展開に緊張感があるし、また武士が義の世界に生きるところに、爽快感を得ることができる。 -
難しい言葉使ってないのに情景の表現が上手で毎度感心する。
全体像が見えやすくて読みやすかった。
誰が馬の骨の使い手なのかっていう謎も楽しめる。
面白かった。 -
本作品、藩内の内紛を解き明かすべく奔走する藩士達の剣士としての顔と彼らの身の上にある家庭人としての煩いが混じり合って話は進む。
家族の問題を描きながら企業の派閥争いを描くドラマの時代劇版の様にも感じられた。
文庫版巻末、出久根達郎氏の語る秘太刀「馬の骨」真の伝授者については同意できない。