蹴りたい背中

著者 :
  • 河出書房新社
3.07
  • (302)
  • (704)
  • (2610)
  • (612)
  • (200)
本棚登録 : 8000
感想 : 1319
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309015705

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2012/08/12 読了

  • ふいうちにくるエロっちぃさにドキッ!!

    学校,クラスという子供の何が何でも生きていかなけらばならない世界の独特の閉塞感,差別,孤独にひりひりする。青春小説は腐るほどあるけど自分まで呑み込まれ“あの頃”を思い出させる痛々しい小説はない。
    青春小説によく出て来るスポ根や色恋沙汰とは無縁そうにみせて独特の痛さに耐えて耐えて耐えてのところにいきなり飛びこんでくるブラジャー,エッチという単語に思わずドキぃ!!としてしまうのは私だけではないはず。

  • 題名が気になって読んでみようと思った一冊ですが
    自分と同じ年齢の人が書いたと思えないほど秀逸な作品でした

    表現、特に比喩が手に取るように想像しやすく、綺麗でしたし、
    文体もすらすら読みやすく、二十四時間かからずに読み切りました
    また、心理描写も繊細かつ簡潔な表現でわかりやすいため、
    その状況に立ち会ったことのない自分でも
    主人公ハツの気持ちを受け入れることは容易でした

    もっとも、にな川に対するハツの気持ちはわからなかったです
    それは決して作者の表現技法の拙さなどではなく、
    あえて気持ちをぼかしたようにも感じましたし、
    ハツ自身がわかっていないのかなとも思わされました
    ただ、読んでいてなんとなく「好きなこをいじめてしまう」という
    関係と似ているように感じたり、でも内容は正反対な気もしたり

    続編がぜひ出てほしいと思うと同時に
    これで終わってもらってよかったとも思わされる作品でした

  • 話題になった芥川賞作品。
    しかし「ふ~ん」という感想しか浮かんでこなかった。
    感情表現なら同時期の島本理生の方が上のような気がした。

  • 共感する人もいるんだろうな、というような本でした。
    コーンフレークが食べたくなる。

  • 8月の1冊目。今年の114冊目。

    芥川賞受賞作品。うーん、何とも言えない。実際の高校生活で確かにこのような状況の人はいるだろうが、実際こんなこと考えて生活しているのかどうかわからない。まぁそりゃもちろんそんなこと言わないからだろうけど。

    難しいですねー。高校生の時の自分しか想像できないから、なかなかどうして。しかも男だし。ただやっぱり人間関係を扱うって難しいんだろうな、と思いました。

  • ポップコーン

  • さびしさは鳴る。んむむ。

  • にな川が好きだった。
    教室という空間で浮いてしまう二人の描写がよかった。

  • 2時間くらいで読める。意外とあっさりした話だと思った。
    深く考えずさらっと読み流すのがいいのかな。

  • クラスの中で仲間を作ろうとしない“ハツ”。
    学校にいる間の孤独で息苦しい時間、生徒の世界で起こっていることが繊細に描かれている。
    仲間をつくろうとしている側、しない側の境遇に共感する部分が多い。

    クラスの男子でハツと同じように単独の“にな川”にハツは興味を持ち距離を縮めていく。
    恋愛ではない“にな川”への興味。本当に恋愛対象じゃないのか?
    いためつけたい、苦しむ姿をみたいという欲望は、ハツ自身が“にな川”を見下し優越感に浸りたいという気持ちにも思える。

  • 中学生のとき読みかけたままだったんで最後まで読んでみたら、やっぱりあのときぜんぶ読んでました。学生時代に感じる薄暗いものがつまってて、私もハツみたいなところがあったので共感しつつ批判しつつ物語に浸かりました。絹子がとても可愛かったです。

    • ゆりかさん
       
      わたしも読みかけたままの本とかあるなあ。ほんとに読みかけの。相対する感情がぶつかりあう本ってすてきだね。

       
       
      わたしも読みかけたままの本とかあるなあ。ほんとに読みかけの。相対する感情がぶつかりあう本ってすてきだね。

       
      2012/07/05
  • 同じ高校生として、こんなお話が書ける高校生もいるのだあと。

  • ざっと読んだので、もう一度読みます。

  • もどかしいのに、この世界に引き込まれる。よく分からないのに、すごく共感できるものが確かにある。「この、もの哀しく丸まった、無防備な背中を蹴りたい」とは、もはや名言。

  • 【ストーリー】
    ・若干,君に届けに似ている
    ・非現実的な部分も多い
    ・主人公の心境がわからないときがある
    ・文章はきれい,文字も洗練されている

    【登場人物】
    ・主人公の視点が面白い
    ・主人公の友達も,現実にいそう

  • インストールに続いた小説で最年少で芥川賞を受賞した作品

    教室になじめない主人公の日常を描いた小説。

    インストールに続いて既視感が私を襲った。

    教室の描写、周りの人間の観察眼に優れ、それを最適な言葉で形容していく。
    これがこの小説の魅力であり、再び読むと引き出しの奥にしまってあった古い感情、気持ち、思い、あの時感じたものが引き出されてくる。

  • 高校生の頃、同学年の作者が芥川賞を受賞したのでよく覚えてる。
    感想・・とくになし。1回読めばいいかな、

  • 再読。

    ふと同年代の子が書いた小説が読みたくなって、高校の図書館で借りました。
    文章自体は自分の好みのものではないけど、自分と同じ年齢"だった"子がここまでの世界をつくりだしたのかと思うと圧倒される。というかなんか悲しくなる。

    にな川のカサカサの唇をなめるところがすき。ハツの想いとか性格がよくあらわれてるんではないかなー、と。
    "背中を蹴る"っていう行為がいいよね。
    "傷つく顔が見たい"っていう思いもまたいい。

    発売されてから間もない頃(小学生高学年の頃)に1回読んだんだけど、やっぱりその時とは違った印象。
    そのときはだいぶグロいと思ってた 笑
    今はドロドロしてるように思えるんだけど、なんか読み終わってみるとやっぱ"青春"小説なのかな、って思う。ただ"青春"って言うには歪みすぎてるけど 笑

  • クラスに、グループに馴染めなくて、気づけばひとり疎外感を感じる学校生活。
    でも同じく余り者になっているにな川には、オリチャンという自分だけの世界があって、そこだけを大事に楽しみに生きている。
    学校では自分と同じくせに、オリチャンのことになると生き生きとする姿に嫉妬する。
    そんなにな川を知ってるのは自分だけで、でも素直に羨ましいなんて認めたくないし、こんなに近くにいるのにオリチャンしか見えていないにな川に、沸々とした感情が湧き上がる。
    だからその背を蹴りたいんだ。

  • 題名からもっとドロドロした話なのかと思ったけど、瑞々しい青春小説でした。この年代特有の異性に対するあやふやで不定形な感情を、非常に良く表現してる。
    背中を蹴りたくなる相手は、恋愛対象ではないのかな?と少し考え込んでしまった。

  • クラスに溶け込めない主人公ハツと、オタクの男子にな川との日常。

    なんか、リアルな高校生活で懐かしい。

    読み終わって、なかなかおもしろかった。

    しかし、自分は小説をほとんど読まないのでレビュー書けない・・・。

  • 最初と最後の文章がすごくすき。

  • 30才ほど若返りできた。
    ありがとう。
    若かりし頃に必要な反抗心、虚無感など感じた事がない鈍感な人には無価値な本。

  • 高校に入ったばかりのにな川とハツはクラスの余り者同士。やがてハツは、あるアイドルに夢中のにな川の存在が気になってゆく。
    第130回芥川賞受賞作品。

    「蛇にピアス」との同時受賞で話題になった本作ですが、両方読んでみて個人的にはこっちに軍配でした。

    この表現の方法は面白い。作者の本来の意図はわかりませんが、歪んだ愛情表現なのか、サディスティックな恍惚感なのか、はたまたクラスで孤立してる自分より下の存在だと思いたい自尊心からなのか。
    まだなにものでもない10代の心の歪みを、ありきたりの性表現やリストカットなどではなく "背中を蹴る" という衝動で表現してしまうところはなんとも新鮮で魅力的。
    文章表現のセンスにも脱帽。よくこんな風に書けるものだと感心してしまいました。

    娯楽作品とみてしまうと少し面白味にかけますが、純文学的な見方からとてもよくできた作品だと思います。

  • う~ん、期待度が高すぎちゃったかな?

  • こんな微妙の感情を言葉にし、物語にするのは、すごいと思う。

  • にな川とは、友達になれそうな気がした。

    おっさんの自分が読んでもダメなんだろうな、きっと。

    JKとかが読めば、共感するところも多いんだろうけどね。

  • 青春の一冊じゃ。

  • なんとなく、最初のほうの、「けだる」く見せたい気持ちはわかる気がしたけれど、絶対に馴れ合わないとか、蹴りたくなる気持ちとかはよくわからなかった。
    てきとうに付き合うことができない主人公。
    そんな性格だなと思うのは私だけだろうか。

全1319件中 211 - 240件を表示

著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

綿矢りさの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×