ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書 399)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035020

感想・レビュー・書評

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  • ネットが輝きを持っていた時代はもう終わったのだなと実感。自分自身の経験を振り返っても、数年前にHTMLを打ち込んでホームページを作っていた時代や、毎日ブログを更新して多くのコメントが寄せられていた時代には、ネットの未来は輝きに満ちているような気分だった。その後、mixiやセカンドライフ、twitterにUSTREAMと使ってきたが、結局それが何を生み出したのか?
    ブログのうちの一つは、ある出版社の誘いで書籍化したが、それほど売れているわけでもない。
    こうしてブクログをネット上で使っているが、あくまで記録用ツールとして使っているだけで、メインはもちろん書籍そのもののほうである。やはり「ネットより本」というのが、自分の身に染みついた価値観らしい。

  • 面白かった。なんとなく感じていたことを、ちゃんと言葉で説明された感じがある。広告論、メディア論はあまり興味が無いからか、後半が冗長に感じられた。

  • おそらく自分は著者のいう「普通の人もしくはバカ」であり、
    書かれている内容は図星を突かれたと感じられることが多く感心した。
    ネットに対して、根拠もなく過剰な期待を寄せていたことも事実で
    穴があったら入りたい気分になった。
    自分を開眼させてくれた本書に感謝する。

  • 本書は、ニュースサイトの運営業務を行っている著者が、ネットの有用性について過剰な期待を持つ人々を揶揄した(ように思える)ものである。
    インターネットは、かつて限られた人々だけのものであった。使うのは、それなりにPCに関して、ネットに関しての知識を持つ人々。コストもかかり、自分の生活に必要なこと以上にネットを使うことはなかった。

    しかし、今は常時接続環境が当たり前の時代である。
    個人が自分のサイトを持つことも驚くべき事ではなくなり、ブログも山のようにある。それこそ玉石混合。
    そして、大事なのはネットを利用する理由が必ずしも「自分の生活に必要だから」ということではなくなったということである。要するに、「他にすることがないな、暇だからネットでもやるか」というシチュエーションが増えたということなのである。

    そうなると何が起こるか。
    人は生まれつき善いものなのか、それとも悪いものなのか。
    ネット上のコメント等を見ると、性悪説を唱えたくなる著者の気持ちもわからなくはない。
    誰か(もしくは何か)叩けるものをみつけると、それこそ徹底的に立ち直れなくなるほどに、叩き続ける人たちが蔓延している。または、自分には関係のないことなのに優等生的なコメントで怒りまくる人々も多い。

    ニュースサイトを運営している著者も、そういったコメントに悩まされ続けているようだ。それによって、ネット上の言論の自由が自主規制されてしまっているという。しつこいクレームコメントを処理するのに労力を使うよりも、最初からそういったコメントが予想されるような記事は載せないようにしようとするということだ。
    なんともまぁ、息苦しい世界だろう。

    以上のような著者のネットの向こう側の人々への愚痴・不満をつらつらと書き連ねた部分が本書の冒頭。
    そして中盤は、TVは本当にネットに負けたのか?という疑問に触れている。
    現在、ネットで話題になるもの、PVの多い記事の内容はTVから派生したものがほとんどである。ネットだけで流行ったものは、ネットのヘビーユーザーしか知らないものが多い。
    常時接続が当たり前となった今であっても、ネット環境の整っていない家より、TVの無い家の方が少ないのではないだろうか。
    TVの影響力はまだまだ強いのである。
    ネットはまだまだTVには勝てない。

    締めくくりは企業に向けての忠告と言ってもいいだろう。
    ネットでのプロモーションに過剰な期待を抱くな、ということだ。
    そして、お上品なものはネット上ではウケないということ。
    著者に言わせれば、ネットなんて居酒屋のようなもの。そこでウケるのは、庶民感覚(B級感)の溢れるコンテンツである。
    大企業ほど、自社のブランドイメージにこだわり、高級感溢れるサイト・コンテンツを作ろうとする。しかし、それではネット住民を取り込めないという。それは、一日中ネットを眺めている著者だからこそ知る現実なのだろう。

    本書のタイトルは少々過激である。
    ウェブは本当に「バカ」と「暇人」のものなのだろうか。
    ウェブ(ネット)はただの道具に過ぎない。
    それをどう使うか、誰が使うかが問題なのだろう。
    「バカ」が「バカ」な使い方をするのか。
    それとも「利口者」が「便利」に使うのか。
    ただ、それだけの違いである。

    道具は使い方次第。
    自分のことも振り返りながら反省しつつ、この言葉を忘れずにいたい。

  • 会社の人から薦められました。

    ニュースサイトの管理人をやっている経験を元に、ネットに過度の期待をかけるな、との趣旨の本。身もふたもないことがたくさん書かれていますが、バランスを取るという意味でWeb2.0の素晴らしさを語る本と合わせて読むといいかもしれません。どちらも一面の真実だと思いますので。

  • 著者の名前を見て一抹の不安を覚えたが、タイトルに魅かれて手に取った。
    実際に読んでみて、私の想定していた内容と大幅に違ったので、星3つ。
    ウェブはバカと暇人のものということを、バカ→バカになる、暇人→時間の無駄という結論を期待して読み始めた。
    つまり、ウェブに依存することによって、バカになり、時間の浪費になるということなのかと思ったが、その逆で、ウェブを使っている多くの人は、バカと(時間の浪費が可能な)暇人だということが本書の趣旨だった。
    前半は、ウェブを使っている人を揶揄するしたり、著者の単なる愚痴のように思われて、読み進めようか迷ったけれど、後半はウェブを使って商品やサービスを広めようと考えているビジネスマンにとっては有意義な内容かと思う。
    それにしても、ここで言うウェブって本当にくだらないものだなーと思った。
    集合知としての素晴らしい側面ではなく、集合愚としてのくだらない側面にスポットを当てた内容だ。

  • これが書かれてから15年くらい経ってる?

    多分当時よりもウェブのよくないところが目立ってる気がする。

    余り読解力が伴ってないだろう人の揚げ足取りのコメントやら炎上案件、どんどん質が低下してる動画の諸々。

    分かっているけど何となく観てしまう動画。

    もうやめたくて手に取りました。

    少し、離れられると良いのだけど。

  • 10年ぐらい前の本なので今の状況とは違うところあります。

    それでも今も変わらず、ネット上には無駄に誹謗中傷・クレームを言う人がいます。
    正義のために言ってるんでしょうけど迷惑になっていますし、言ってもどうにもならないのに〜と思います。
    気にしなければ良いだけのこともたくさんあります。


    ウェブは仕事や暮らしをよくするために活用できるようにしたいです。バカな使い方、暇つぶしでは使いません。

  • 2009年に書かれた本。良書である。
    これ程、インターネットの世界を適切に分析している本はないなと思う。
    2023年に読んでも、書かれた当時から進化するわけでもなく、ネット社会はバカと暇人のものであることに変わりはない。

  • メルカリ売却

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著者プロフィール

編集者、PRプランナー、ライター
1973年生まれ。東京都立川市出身。大学卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターとなり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々なネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、当時主流だったネット礼賛主義を真っ向から否定しベストセラーとなった『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』『内定童貞』(星海社新書)など。無遠慮だが本質を突いた鋭い物言いに定評がある。

「2020年 『意識の低い自炊のすすめ 巣ごもり時代の命と家計を守るために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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