- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334767631
感想・レビュー・書評
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和菓子に関するアンソロジーでした。
和菓子が自然に溶け込んでいるものもあれば、取ってつけたようにでてくるものもあり。
やはり近藤史恵、北村薫あたりは面白かったし、初見の作家さんだけど、再生の物語『チチとクズの国』が面白かった。あと、『トマどら』も。
時じくの実の宮古へ、は肌に合わないというか。なんか気持ち悪かった。異世界ものみたい。
こういう作風だけど夜船はなんか、なー。
あと、畠中恵の現代物初めて読んだけど、10代の妻がヒラヒラエプロンで謎解きとか、どんなラノベ?みたくて、ちょっとなんだな気味悪かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
甘いだけでない和菓子の物語。
面白かった。 -
「和菓子のアン」の続きが目当てで購入。相変わらずのアンちゃんが可愛かった。
和菓子がテーマということで、凡人にはおよそ浮かんでこない設定で書かれる作家さんは凄い。
初めて読んだ作家さんも多かったけど、温暖化で荒れた日本で和菓子を作りながら旅する親子の話や、甘い物が好きな警察官の話、海外で出会った和菓子の話などなど、色んな種類のお話を楽しめました。
北村薫さんの俳句と和菓子の謎ときはジンときたし、畠中さんの現代ものは初めて読んだ。 -
坂木司さんの作品はもちろん『和菓子のアン』の続編。他にもおいしそうな作品が並んでいますが、私が魅かれたのはあまり食欲をそそられない2つの作品。牧野修さんの『チチとクズの国』と木地雅映子さんの『糖質な彼女』、このテーマでこんな話を⁉という意外性もアンソロジーの醍醐味ですね。
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著名な作家さん達による和菓子が登場するアンソロジー集
10作の短編
一度読んだ気がするけど、記録がないのでもう一回読んでみた
空の春告鳥/坂木司
トマどら/日明恩
チチとクズの国/牧野修
迷宮の松露/近藤史恵
融雪/柴田よしき
糖質な彼女/木地雅映子
時じくの実の宮古へ/小川一水
古入道きたりて/恒川光太郎
しりとり/北村薫
甘き織り姫/畠中恵
・空の春告鳥/坂木司
和菓子の専門用語でクレームをつけてくるクレーマー
「和菓子のアン」の続編「アンと青春」にも収録されている
これだけ読んでも謎は解決しないからなぁ
まぁ、和菓子にには変わった専門用語があると読者は知れるので、アンソロジーの導入作としてはいいのかも
・トマどら/日明恩
警察官の財務捜査官の宇佐見の元に毎月届く12個のどらやき箱詰め
なぜ届くのか?という経緯の回想
和菓子店の家族からの相談
家族内での嫉妬の感情
親の愛情の形は人それぞれですけど、受け手がどう感じるかってとこですよね
・チチとクズの国/牧野修
借金苦で自殺しようと売り払った元実家したら、父の幽霊が出てきた話
父の軽いノリは嫌いではない
何だかんだで悪い終わり方でないのはよかった
・迷宮の松露/近藤史恵
ブラックな職場に疲れ、退職してモロッコを旅行している時に思い出した祖母が好きだった和菓子
何事もきちっとしていたと思っていた祖母
松露って、名前のイメージと違うかもしれないけど、キノコなんですよね
・融雪/柴田よしき
ペンションを営む奈穂に道を訪ねてきた女性と地元民のあれこれ
寒天を使っているから和菓子というのは暴論ではなかろうか?とも思うけど
確かに外国に寒天を使う風習はない
・糖質な彼女/木地雅映子
母親が過干渉で、引きこもりな裕樹
病院の施設で行われていた和菓子作り体験に参加していた人たちは実は……
タイトルが秀逸
作中で扱われているのは毒親や病気の事だったりと重めなのに、全体としてふんわりと癒やしを感じる
・時じくの実の宮古へ/小川一水
和菓子と作りながら和菓子の町「宮古」を探して旅をする親子のお話
まさか未来の話が来るとは思わないよね
未来の描写がまぁなくはないなぁと思わせるリアリティがある
和菓子は食べ物というだけでなく、背景に日本的な文化を持っているんだなぁと改めて感じる
・古入道きたりて/恒川光太郎
山奥の一軒家に泊めてもらっった際にみた不思議な存在のお話
もち米を荒く潰して丸めたものにアンコをまとわせたお菓子
いわゆるあんころ餅の呼び名は色々ある
春は「ぼたもち」
夏は「夜船」
秋は「お萩」
冬は「北窓」
この辺は和菓子のアンシリーズでも言及されていますね
・しりとり/北村薫
担当編集者の亡くなった夫が残した俳句の謎を解く作家のお話
・甘き織り姫/畠中恵
大学の旧友からの相談内容を推理するお話
御岳、わかりにくい!w
まぁ、こんな変わり者でも付き合っていける人たちもそれなりに……
和菓子をテーマにしながら、様々なジャンルの作品が詰まっていて面白かった -
「和菓子のアン」の作者、坂本司さんが9人の作家に和菓子を題材にしてリクエストして描かれた10編の短編集。
どの作品にも和菓子が登場する共通点はあるものの様々な視点から描かれほっこりスイートな気持ちになるものから、シリアスでちょっぴり切なくなる物語まで個性的で魅力のある一冊。読み終わったあとは和菓子が恋しくなる。 -
色々な作者が書いた、和菓子をモチーフにした短編集。同じ和菓子がモチーフなのに、違った角度からストーリーが展開されるから飽きずに楽しめました^ ^
和菓子にはこれまでそんなに縁がなかったけど、生まれにルーツがあったり、同じものでも季節で名前が変わったり、ほんとに面白い世界をもってる。どのお話でも登場人物を幸せにしているところが同じ♪
フルーツどら焼き、松露、甘露煮、、出てくる和菓子達に出会いたい -
アンソロジーというものを久々に読んだ。コフレのような、福袋のような。ごちゃっとしてるけどとてつもなくお得な感じがする。
中には「この話の感じ、苦手だなぁ」ってのもあったけど、そういうのを感じられるのもアンソロジーの楽しいところだなと。往々にして、好きな文体の作品ばかり読んでしまいがちなのでね。
和菓子良いよね〜。
一時期、朝加圭一郎の影響で和菓子にハマり、コンビニのからちょっと良いとこの和菓子まで食べまくって激太りした甘くて激苦な経験があるんだけど、それでも和菓子は良い。
和菓子って、基本的に「一人に一つ」。そして「一つ丸ごと」自分のものなんだよね。ケーキみたいにシェアするんでも、クッキーみたいに大皿から何個もパクパク食べるもんじゃない。
誰かが丁寧に作ってくれた一個を、私という一人の人間がいただく。すごい贅沢だと思う。
そんな和菓子らしい一対一の対話が魅力的だったから、「チチとクズの国」が結構好きかな。でも一番美味しそうだったのは「古入道きたりて」の夜船だね。 -
アンソロジーの本は、あまり読んだことがなかったけど、新しい作家さんを開拓するいいきっかけになった。今回の短編を読んで他の作品も読んでみたい作家さんが多かったな。
好きな作家さんから、新たな作家さんを見つけるのは楽しそう。