アンと青春

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910846

感想・レビュー・書評

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  • 和菓子のアン2作目!だいすきなシリーズなのでさくさく読めたし楽しかった!
    アンちゃんが作中で働くとは、社会人とは、大人とは、って考えているけどすごく共感しました。私も自分が安心するためだけに働いているのかもしれないなあとか、本当にやりたいことは何なんだろうと考えさせられました。このタイミングでこの本を読めて良かった。

    いつも何か悩んでいたり考えていたりするとそれの答えやヒントが書かれている本を自然と手にとっていて、不思議だなあと思いながらも巡り合わせってすごいなって思います。本を読んでいるとそういうことがたまにあるんだなあ。

  • 性別すら公表していない覆面作家、坂木司。いったい男女どちらなのでしょう。時にいい子すぎて偽善臭を感じてしまうほどのキャラクター。そんなキャラクターたちを主人公にした著作は、1冊で終わるのを著者自身も読者ももったいなく思うのか、2冊3冊となることがままあるようで。延々続けるわけではなくその程度で終わらせておくのも著者のいいところかと思います。

    『和菓子のアン』が気に入った人ならば間違いなく手にとってしまうであろう第2弾。前作同様、主人公のアンこと梅本杏子がバイトする和菓子店が舞台。デパ地下に入るその店を訪れた客がつぶやく意味深な言葉や、菓子そのものに込められたメッセージなどを解くミステリー。しかし前作ほどミステリーとしての面白さはなく、あくまで前作を読んだ人限定で楽しめるもの。

    唐突に話を震災に絡められる展開は、個人的には冷めます。そこに偽善を感じるから。だけど、偽善であっても何もしないよりはいいと思う自分もいて、毎度そういう話に出会ったときは葛藤があります。

    という話は置いておくとして、和菓子にまつわる豆知識や、言葉に隠された意味を知るのは楽しい。こんな本を読むと、日本人でよかったと思うのでした。甘酒が飲みたくなります。

  • 和菓子が気の利いた小道具として物語に絡むという点でも、
    何より和菓子をはじめとする食べ物の描写が美味しそうな点でも大好きな作品の続編。

    今回は前作より坂木司先生の優しい(人が死なない)探偵もの要素が強め、かつ人物関係にも新たな変化があるのが楽しい。

    ていうかアンちゃんかわいい…

  • アンシリーズの続編きたー!まってた!

    見事な連作。
    相変わらずお菓子がとてもおいしそうです。
    あと乙女、がんばれ…って気分になりました。笑。

  • 2017/3/14
    読んでる間ずっと立花君がアンちゃんを好きだったらいいのになぁと思ってたけどどうやらホントにそのようだ。
    いいなぁ、確かに青春だ。
    タイトルどおりだ。
    師匠があんなにヒントをくれてるのに気付かないどころかそんな疑いさえ抱かないアンちゃんに昔のラブコメ感が漂いますがいいんです。
    ハッピーだから。
    乙女だと思ってるしね。
    立花君これから大変だよ~とスペック的には圧倒的有利な立花君に同情。
    劣等感がアンと被る私が同情するのもおこがましいけど。
    柏木さんに嫉妬してる立花君はとてもほほえましい。
    もっと彼らを見ていたい。続き早く!

  • ふんわりとしたミステリ風味スイーツお仕事小説。
    連作短編集はこうあって欲しい!
    粋で優しい人たちに囲まれて、成長していくアンちゃんをまだまだ応援したい。
    はよ続編を。

    前作読んでから時間が経っているため、主要登場人物の紹介があると良かったな…

  • デパートの和菓子売り場で働く杏子(通称アン)のお話「和菓子のアン」の続編。
    前作では美味しそうな和菓子の描写に思わずにわか練り切りファンになったほどだったけれど、今回は主にアンの内面が描かれている。ぽっちゃり体型でファッションにも無頓着、外見のせいで劣等感が強いアン。その魅力に気づいていないのは本人だけだ。今回はラストの「甘酒屋の荷」という古い言葉の謎と共に思わずニンマリさせられた。

  • 坂木司リクエスト!和菓子のアンソロジー
    収録「空の春告鳥」を含め5編の短編集。
    アンちゃんとみつ屋のメンバーの一年と、美味しいだけじゃないお菓子の謎解きです。

    謎解きだけではなくアルバイトのままで良いのか自分の核がないとおもったり、店員としてお客さまのプライベートにどこまで関わって良いのか悩みます。
    しまいには、仲良しの立花さんとキマヅイ雰囲気になったりと、アンちゃんの受難の作品です。

    しかし、アンちゃんが分からないだけで周りの人たちは何が起こっているか知ってるんですよね。

    勿論美味しそうな和菓子や焼き菓子も出てきて、読んでいるだけで楽しくなってくる、一冊です。
    幸せそうに食べるアンちゃんが素敵。

  • (2016/10/12読了)
    「和菓子のアン」の続編なので借りてみたが、読後3年だ経ち、人物を含め設定がなかなか思い出せず、記憶を辿りつつ読み、読後、前作の自分の感想を見て、納得。主人公の杏子は、主人公とは思えないほど普通の子だったんだっけ。
    震災後に間も無く書かれたのか、まつわる社会情勢を反映している話もある。杏子の考え方には、賛否が分かれるだろう。
    タイトルに「青春」とあり、恋愛模様が描かれてると予想していたけど、かなり控えめなもので、立花さんの行動が杏子への恋心なのか、いまひとつはっきりわからない。これは続編がありそうだな。

    (内容)
    ある日、アンちゃんの手元に謎めいた和菓子が残された。これは、何を意味するんだろう―美人で頼りがいのある椿店長。「乙女」なイケメン立花さん。元ヤン人妻大学生の桜井さん。そして、食べるの大好きアンちゃん。『みつ屋』のみんなに、また会える。ベストセラー『和菓子のアン』の続編。

    (目次)
    空の春告鳥
    女子の節句
    男子のセック
    甘いお荷物
    秋の道行き
    あとがき

  • 前作に続いて、また和菓子屋「みつ屋」のメンバーと再会出来ました。アンちゃんが解く、お菓子に関するプチミステリー。アンちゃんは「足元グラグラ」と言うけれど、成長した姿が頼もしい。今回はデパ地下の「みつ屋」を飛び出して右往左往するアンちゃん。そして、一つ謎を解くたびに増える私の知識。お菓子ひとつを取っても、こんなに奥深いものなのか。ほっこりするだけでは無く、リアルな現実問題も取り上げられている辺りがアンちゃんの成長なのだろう。さて、アンちゃんと立花さんはこれからどうなるの?アンちゃんの青春は始まったばかりだ。

  • アンは餡のアン、杏のアン。
    和菓子店員のアンちゃんが和菓子の奥深さを学びながら成長していく様子。
    アルバイトという身分に迷いながらもきっと和菓子の道をいくんだろうな。
    飴細工の鳥とか甘酒屋の荷とかお菓子に絡んだ言葉も面白い。
    恋愛に鈍いアンちゃんの今後はいかに。

  • 『和菓子のアン』が面白かったので期待して読みましたが、なんだか少しほんわか感が減った気がしました。アンちゃんがより真摯に「仕事」と向き合うようになったせいもあるけれど、接客業の難しさ・辛さが印象に残ってしまって。あと、人の「綺麗じゃない部分」はたとえ物語(フィクション)でも、削られるものがありますよね・・・。こういう難しい人達って、確かにいるし。
    ほんのりした恋愛要素は良かったです。

  • 読んだら絶対和菓子が食べたくなる。
    アンちゃんの働くみつやの人々が大好き。

  • 続編も変わらず面白かった。

    東京だけではなく、様々な地方が出てくるので、その土地の和菓子にも興味が芽生えた。

    今回も和菓子が食べたくなりすぎたので、
    和菓子やさんにいって、人生ではじめて上生菓子を買ってしまった。

  • 和菓子屋の店員アンの奮闘記。働く20's女子を季節感のあるお菓子と描いていく。メモ。
    (1)学校へ行けば誰だって資格は取れます。でも夢は教えてもらえない。何になりたいか、何になれば喜ばれるか、いまだに自分は分からないんです、情けない事に。
    (2)恋愛的には全く役に立たない。けれど無害そうな外見であることは接客業においては有利だ。
    (3)口に入れた瞬間にありがとう!って感じ。‥電子レンジだから秋が好き。
    (4)気持ちに理性で蓋をするのが大人ということだと思う。

  • 「和菓子のアン」続編

    ちょっとした謎が和菓子をきっかけに溶けていくのがおもしろい

    乙女なイケメン、よく泣くなぁ

    「飴細工の鳥」
    「甘酒屋の荷」
    勉強になりました!

  • 「和菓子のアン」の続編。赤毛のアンシリーズではない。
    和菓子の蘊蓄と、デパ地下の内情と、軽い謎解きを織り交ぜて、さらっと軽く読ませる。

    甘酒の煮という言葉が出てくるが、最後に秘密が明かされる。そういうことだったのか、なるほど。

  • 「和菓子のアン」の続編。
    お店の仕事にも慣れてきた杏子の、青春の成長を和菓子を通して描かれている。
    モンゴメリの「赤毛のアン」の続編と同じタイトルなのが面白い。

    このままバイトでいいのか、私は何になりたいのか。「飴細工の鳥」のように空洞な自分に気づいてしまったアンは、自分の将来に悩む。
    これをアンだけの視点でなく、みつ屋向かいの店「K」のへっぽこ店員柏木さんと重ねることでアンの悩みが強調されて私も一緒に悩みながら読み進めていった。
    まだ答えは出なかったけれど、確実に前に進んでいるアンちゃんを応援したくなる。

    それと、前作同様和菓子に纏わる推理も良かった。推理で終わるのではなく、考えさせられる読後感。嫁姑問題や、食品の安全に関わる問題。
    誰しも遭遇する問題に対して、物語の中でははっきりと白黒つけていない。けれど、自分の考えは持ってもいいけど押し付けるのは如何なものか。自分の気持ちがしっかりしているのであれば、それに基づいて動いたらいいだけなのではないだろうか。はっきりと発言することで、受け取る相手にとっては傷つくことになる。
    私はどっちかというとなんでも言ってしまうタイプだから、ハッとさせられた。気をつけようと思った。

    これは続編もありそう。いや、あるでしょ!読みたいもん♫

    あとあと最後に、立花さん、がんばれっ!笑

  • 希望のある、甘酸っぱい結末…!続編もあるかなあ。アンちゃんと立花さんのこれからを見守りたい。

  • タイトル通り、青春してた。
    けどアンちゃんは自分の将来や今の立場などに悩む、少年漫画的青春だった。
    それプラス、少女漫画的青春をしているのは立花さん。名に恥じぬ乙女である。

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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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