三流シェフ

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 775
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344040649

感想・レビュー・書評

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  • 巻末にかけて明かされるオテルドゥミクニを閉じる理由と三國さんの新たな挑戦。それらに触れ、良い読後感を以て本を閉じると、ふと、映画ロッキーザファイナルでマリーが歳老いたロッキーに掛けた"心だけは歳をとらないことを証明してみせて"という言葉を思い出しました。

    名誉も地位も手に入れていて尚"フランス料理を新しく始める"のだという気概で、コンセプトも新たに店を始めようという若さ溢れる情熱がとても印象に残る書籍でした。幼少期から今に至るまで自分の正しいと思ったことはやり抜くその三國さんのエネルギーに満ちた生き方を学び、そして私も三國さんの様にいつまでも心は若々しく生きれたらと思います。

  • 三國清三という料理人が、いかにして料理の世界に入り、スイスの大使館で働き、フランスの天才料理人のもとで感性を磨き、自己を鍛え、自己のアイデンティティーの日本とフランス 料理を見つめ、帰国後の怒涛の生活、ミシュランへの思い、一気に読んだ。
    以前1回だけ行ったことがあるオテル デュ ミクニ
    オープンキッチンで、とても素敵な レストランだった。その店を閉めて、70歳でカウンター8席の三國というフランス料理店を始めるという。
    チャンスがあったら行ってみたい。

  • 北海道増毛
     鰊漁の網元の生まれの父親 闇取引に手を出し貧乏な生活
     弁当は白い米のみ 魚市場で競り、料亭にアワビ売り 話すのは得意
     中学卒業後、札幌の米穀屋で住み込み労働し鶴岡学園調理専修夜間部へ
     夕食に米穀店の娘さんの黒い肉料理ハンバーグ

    札幌グランドホテル
     コックになって日本一のハンバーグを作ることを決める
     テーブルマナー研修で厨房に侵入、初代青木総料理長の息子に直談判
     米穀店を辞めて社員食堂の飯炊きに 半年後に準社員 メインダイニングへ
     夜中にフライパンを振り仮眠室で眠る 精肉工場で鶏のさばき方を教わる
     1年後ストーブ前の担当に ワゴンサービスで料理長の代役から専任に

    帝国ホテル
     18歳、料理の神様 18軒350人トップの村上総料理長に会う
     パートタイムの皿洗いに
     NHK「きょうの料理」の収録お手伝い  髭を生やす 毎日先輩と喧嘩
     制度が変わり、パートからは社員になれなくなる

    ジュネーブの日本大使館の料理人へ
     フランス料理を作ったことも食べたこともなく村上さんが推薦人
      10年修行し、収入は自己投資へ
     アメリカ大使の贔屓の店で研修し1週間で晩餐会、日本料理も名店の味をコピー

    クリシエ村 モザーと呼ばれるジラルデの店
     試作をしない即興 三ツ星 休日の無償労働から正規契約へ
      おしかける、洗い物をする、休日も働く
    トロワグロ
     パリ ジラルデの店の同僚の父の店 三ツ星
    アラン・シャペル
     リヨン郊外 三ツ星 
     エクルヴィス(ザリガニ)、グルヌイユ(蛙) 全てを決めるのは食材自身 
     料理が洗練されていないと指摘される 

    1982年帰国 日本人としてフランス料理を作る

    ビストロ・サカナザ
     即興+自分の好きな料理  2年弱で事業方針からオーナーと喧嘩
    オテル・ドゥ・ミクニ
     四谷の一軒家に飛び込みで交渉  開店資金はすべて借金
     「皿の上に、僕がある」20種類の食材で6種の料理 120皿
     三ツ星の店で最も重要なのはオリジナリティ 好みの違いを乗り越える料理
     日本ではフランス料理じゃないと言われ、外国では日本化、クリエイティブと評価
     2007年東京版ミシュランの星は無し
      人気はあるが、ここ何年も、新しいことをやっていない
     40代過ぎからシャペル流に若手育成 自己主張よりも一期一会の食材を生かす
     
    オテル・ドゥ・ミクニ閉店
     2025年70歳に「三國」を豊洲で開店する  星を獲るために
     客と差し向いで相談しながら一人で作る 自分のために料理を作る

  • 熱い本大好き

  • 世界のミクニが出来上がるまでの、果てしない行動量に感動した、諦めないとはこのこと。

  • ・人がやらない嫌な事にこそ価値がある
    ・人から否定されても自分の信じた道を貫く
    ・一生を生きるかのように勉学に励む
    ・時の運はわからないからチャレンジする
    ・自分の味を出すには時間と労力がかかる

  • オテル・ドゥ・ミクニの三國シェフの自伝
    ドンドン読みたくなる!
    会って話してみたくなる!そんな本。

    僕の生まれる前の日本の話。
    日本が豊かになりつつある時代の中で
    取り残されたような境遇。

    何もないから何でもできた。何でもあるから何も出来ない。そんな事を考えさせられる。

    一流は鍋洗いも一流。
    効率よく、素早く、綺麗にこなす。
    早く終われば、時間は自由。出来る事を探す。

    帝国ホテルでも、ジラルデの店でも洗い場。
    腐るはずがない。一流の人物と最高の学び場にいるのだから

    アラン・シャペルのゲストカードの話はシビれた
    洗練されていない…とは
    貴方は何を表現したいの?という事。
    もう自分の店を持てよといいたかったのではなかろうか?

  • 学生時代の環境に対して同情を引き出す訳でもなく、ただただどんどん行動していく様に感嘆。
    泣きそうになりながら読んだ箇所も。
    やっぱり行動的な人には、その分の見返りというか成功というか、がついてくるんだなと改めて思った。ただおそらく周りにいる人への要求や仕事のできない人には厳しそうだと感じ取った。
    自伝的なものかと思い、その頃の恋愛やプライベートのことなども書いてあるかと思いきや、純粋にこれまでの料理人人生についての本でした。

    以下 印象的だった文章。
    見つけた場所で一所懸命にやれば道は開ける。
    ほんとに開けるとは限らないけど。自分にそれしかやれることがないなら、楽観的にやり続けるしかないと思っている。みんながやりたくないことを、機嫌良くやることだ。苦しそうにやっていたら、周りだっていい気持ちはしない。
    人は人の苦労をそれほど評価しない。

  • 読んでいて息が苦しくなるほどの圧倒的な努力。昭和的な頑張りだけど、素直に感動した。

  • 三國清三のことは、まだオテル・ドゥ・ミクニを始めたばかりの頃から知っていました。レストランに行ったことはありませんが・・・札幌グランドホテルや帝国ホテルの厨房で鍋をピカピカにした逸話は有名な話ですが、ジュネーブやフランスでの修行時代の話しは始めて知りました。
    昨年お店を閉店されたと言うことをニュースで知り、その理由が知りたくてこの本を手に取りました。最後の最後にその理由がわかり、やはり歴史に名を残すようなシェフは考え方が違うなと思いました。

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著者プロフィール

1954年北海道・増毛町生まれ。15歳で料理人を志し、札幌グランドホテル、帝国ホテルにて修業後、74年、駐スイス日本大使館料理長に就任。ジラルデ、トロワグロ、アラン・シャペルなど三ツ星レストランで修業を重ね、82年に帰国。85年、東京・四ツ谷にオテル・ドゥ・ミクニ開店。99年、ルレ・エ・シャトー協会の世界5大陸トップシェフに選出される。15年、フランス共和国レジオン・ドヌール勲章シュバリエを受勲。

「2023年 『スーパーの食材が高級レストランの味になる 三國シェフのすご技絶品レシピ 永久保存版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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