ほかに誰がいる (幻冬舎文庫 あ 29-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1008
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410770

感想・レビュー・書評

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  •  えりが玲子に一目惚れする小説。一目惚れと思い込みは紙一重なのだけど、思い込みでは片付けられないほど理屈抜きに相手を好きになって突っ走るえり。そんな彼女に最初は共感するのだけど、次第に恐怖すら感じるようになった。やはり私を含め、たいていの人はどこかで正気を取り戻すし理性も働くので、好きな人とのつながりを持つためにどんな方法だって厭わない、というわけにはいかない。だからこそ、全てを投げうって突き進むえりに恐怖を感じると同時に、玲子の他に好きになれる人などいないのだという気持ちの強さに憧れすら感じる。

  • なんとも言えない読後感。タマイが生きていれば、未来が変わったような気もするし、結局同じだったような気もする。

  • 怖い。一目惚れした彼女を一途に思い続けるえり。苦しい時が多いけど幸せを感じる時もあったのだろう。しかし、その一途な思いがエスカレートしていくさまは、やはり怖い。

  • 朝倉作品はけっこう読んでいるのですが、こういう血なまぐさいものも書けるのだなあと。ちょっとおもしろいとこもあるんだけれど全体のトーンが不気味なのでハネないというか。
    主人公の思い込みによる暴走が気持ち悪いとも思うのだけれど、そのとんちんかんに「ピュア」なところが私は好きでした。

  • 読みやすい文体でついつい最後まで読んでしまいましたが、天鵞絨ちゃんに彼氏ができたあたりから終わりまで、ちょっとうげーって感じで、読後感はかなり悪かったです。
    同性に恋心を抱く気持ちは(特に思春期には)理解できないでもないけど、この主人公の場合は度を越してるし、相手に彼氏ができた後の行動は私の理解の範疇を大きく越えてる。。レントゲン技師に興味を持つくだりとか特に。
    タイトルから、勝手にサスペンスを期待してたんですが、私にとってはホラーでした。。

  • あんまり覚えてないな。これも女の子と女の子のお話。百合とは到底言えないんだけど、でもそういうくらいの気持ちの方がベクトルとしてはしっくりくる。

    手に入れられないものほど欲しくなる。人間って。恋って。

  • クォーターの女の子への強すぎる想いから異常な行動を取る女子高生の話。著者の代表作『田村はまだか』とはまた違ったサスペンス要素を含んだ作品。おすすめ。主人公と懇意になる賀集さんがうらやましくもあり、不憫でもあり。

  • 夜通しイッキ読みしてしまった。

  • なんとなく、主人公は常にほほえんでいるイメージでした。
    それがまた怖い。

  • こんな娘、他に誰がいる?

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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