発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396111908

感想・レビュー・書評

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  •  落ち着きがなかったり、整理整頓ができなかったり、社会性に問題のある「大人の発達障害」について書かれた本。著者自身が発達障害者であり、その治療に携わっているとのことで、詳細な接し方や、サポート方法まで書かれている。
     無気力や自堕落と思われがちな発達障害がれっきとした病気であり、治療でそれなりの効果が出る、ということは初めて知った。ただ、本書に書かれている発達障害者の特徴は、どこにでもいそうな「困った人たち」と同じで区別がつきにくい。

  • 読みました、が、発達障害そのもの、また合併症も含めるとさらに、本書だけでは情報不足。当たり前か…。

  • 一つ気をつけなければいけないのは、コレが新書だという事。
    新書というのは、あまり専門知識を持たない読者を対象に書かれている事が多く、わかりやすさを重視して、いくつかの要素が切り捨てられている場合が往々にしてある。
    だからこの本を読んで「自分は発達障害ではないか」「あそこの誰それは発達障害ではないか」と神経質になりすぎるのは良くない。
    自分や友人、パートナーに当てはまる要素があれば専門の医者にかかる事が大事だし、より深い知識を得るために参考文献を読んでみるのもいいし、この本の著者以外の発達障害の研究に触れてみる事も大事だと思う(著者の研究を否定しているわけではもちろん無い)。
    社会のシステム。両親や周囲との関係、そして何より先天的要因が発達障害のベースになりやすい事。周囲の理解、専門的な治療でそれらは劇的に改善される事。そこを根底に読み進む事をおすすめします。

  • 発達障害にも色々な種類があることが分かった。自分にもその傾向は見られると思うし、世の中は発達障害だらけ。その中でどうして行けばいいのかを示唆してくれる本だった気がする。はい、読み直します。

  • 多動性障害などは、かなり知られてきていますが、もっとわかりにくいケースが気づかれないまま、大人になっている場合も多いとか。
    いい大人なのに約束が守れない、空気が読めない、机の上を片づけられない、忘れ物やミスが多い、落ち着きがない、すぐ切れる、など。

    障害という言葉で誤解を招きやすいが、知能が低いわけではない。
    知能は高い人も多く、むしろ独創性があったりする。
    生まれつき悩の一部の発達に何らかの偏りがあるために、幾つかの傾向が生まれ、得手不得手ができる。
    本人のやる気がないとか、誠意がないとかいう問題ではないことが大事で、これを周りにも本人も自覚した方が良い。
    研究者や芸術家、職人など、向いている仕事をやれば力を発揮できるし、弱点をカバーしてくれる人とコンビを組む方法もある。
    困っている場合には、治療法もあるのだから…という話。

    発達障害とは、注意欠陥・多動性障害、アスペルガー症候群、学習障害など、すべての総称。
    大人になってもそのことに気づかないと、向かない仕事についてうつになったり、周りと仲が悪くなったり、何かの依存症になったりと弊害が起きやすいとか。

    傲慢な性格で自己中といったケースまで取り上げられ、あまりに多岐にわたるので、え、不器用な人間ばかりじゃなく、嫌な奴とか悪人って、みんな発達障害…?
    いや、悩は普通なのに性格悪い人間もいる??と混乱してくるけど。

    徒然草に出ている高僧の話が、明らかに発達障害だというのは面白かったです。
    行動は身勝手で人の言うことはきかず、周りは振り回されるけど~書が巧みで、才能豊かで学識もあり、嫌われることもなかったという高僧なんですよね。
    ベートーヴェンやモーツァルト、エジソン、アインシュタインなども発達障害とか…
    それはつまり、天才と何とやらという昔から言われている…?
    磨かれていない原石も多いとか。

    人付き合いが出来ないとか空気を読めないとかいうような、典型的なケースには当てはまらないけど…
    人付き合いに困る事ってあまり無い…基本的に人間好き。
    でも付き合った後はかなり疲れるので、一人の時間が必要というのはあるんですよね。
    片づけられない系で、特に病気したあとはひどくなるので~どこかに参考になることがあるのではないか…と、半ば我が事として、真剣に読みました。

    著者は1947年、福島県生まれ。心療内科医、医学博士。児童精神医学などの著作多数。
    2010年2月発行。

  • ここに出て来る様々な症例を見ていると今まで暮らしてきた中であの人もこの人もと思い浮かんだのが怖い。それは自分の中にも思い当たる節もあり、また自分以外に関しては何度言っても改善されないことで勝手にこちらで見放し、関係を絶って来たように思う。
    先ずは自分で認識しなければ改善しないとのことなので難しい問題と思う。

  • 自分は発達障害と認知することで、冷静にそれに対処できるようになる。

  • 発達障害の人たちが数多くいることが良く理解でき、参考にはなった。ただ、現実的には、疾病なのか、発達障害なのか、単なるだらしない人間なのか区別することは、素人には困難である。それでも、「こういう人たちがいる」あるいは、「自分ももしかしたら当てはまるのかもしれない」と頭の片隅に置いておけば、いざという時に受容、対応できるのかもしれない。

  •  ちょっと大人向けで、難しめ。
     何となく自覚のある大人とか、もしかしたら家族がそうかも……? って思ってる人が読む分には、全然、これで構わないと思うんですが、まったく自覚のない、特に字を読むのが苦手な人が読むには、かなり抵抗があるかも……(内容ではなく、読むということに関して)。

     途中で、挫折しそうですよね。

     普段、本、読み慣れてて、事前知識のある僕でも、体調悪くなったら、途中、文章が頭に入ってこなかったです。

     でも、面白かったと言えば、面白かったですが。
     逆に言うと、僕が事前知識がありすぎたので、「知ってる知ってる。だから?」ってなった部分と。
     後、もう一つ。
     読みながら、うちの父親、人格障害だけど(だと勝手に思ってる)、実は発達障害もあるんじゃねえの?
     ってことを考えて、そっちがショックで割と何も考えられなくなってしまいました(-"-;A ...アセアセ

  • 発達障害の入門としては非常に良い本だと思います。

    ただ、一番最後の文章には苦笑いをしてしまった。

    「大人の発達障害の治療はすべてを認めて(認知)、受け入れること(受容)から始まるのです」

    それがうまくいったら誰も苦労しないし、それが必要なのは、発達障害以外の人も同じだと思います。誰もが傷つきたくないから、全て、ありのままを認めることができないのです(だから、ストレートに物事を言ってしまう人が嫌われる)。

    そういう意味では、改善できるのであれば、発達障害は何だろうと考えてしまう。そもそも存在するものなのだろうか。

    脳の構造が理由かもしれないけど、脳の構造とかそんなことよりも、社会がある一定ラインで、この人は「おかしい人」「おかしくない人」と選別し、排除してしまう社会や我々の意識の方が問題なんだと思う。

    そして、精神・発達障害と呼ばれる人と接していて思うのは、多くの人は認知の問題が横たわっています。本文にも「認知の歪み」が書かれていますが、物事に対する思い込みが強すぎるのです。

    そういう意味でも、発達障害は改善できると思う(当事者でそう言っている人もいます)し、障害として手帳が発行され、社会的に認知されることに、本を読んでも違和感を持ち続けています。

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著者プロフィール

1973年、福島県立医科大学卒業、神経精神科入局。79年、医学博士。84〜85年、アメリカ・エール大学児童精神科留学。93年よりロマリンダクリニック心療内科勤務。2001年、福島県立医科大学神経精神科助教授。03年、福島学院短期大学福祉学部教授。06年、福島学院大学大学院附属心理臨床相談センター所長。1990年に大腸ガンを発症し、切除手術を受けるが、7ヵ月後に再発(肝転移)。ガンの食事療法「ゲルソン療法」を簡略化した「星野式ゲルソン療法」を考案・実践し、克服した経験を持つ。また、自らが発達障害の一つであるADHD(注意欠陥・多動性障害)であることを公表している。

「2017年 『ガンを食事で治す星野式ゲルソン療法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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