現代語訳 学問のすすめ (ちくま新書)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064707

感想・レビュー・書評

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  • 新しい日本を作り出した人ならではの強いメッセージがあり、心に響いた。
    「衣食住を得るだけでは蟻と同じ」
    私は生活ができているだけで満足してしましまっていた。また私たちに愛国心はあるのだろうかと疑問に思ってしまった。

    私たちは強く大きい人・国の主張を信じる。西洋が日本を含むアジアに対して、間違っていると思っていれば間違っているのか?正しい人・国が言ったから正しいのではない。先入観を捨てて、自分の目で観察すべき。それは今のネット社会でも言える。

    周りの意見に流されず、自分を持ち独立することで強い人間になることが私には必要だと感じた。

  • 「天は人の上に人を造らず」はあまりに有名な言葉かもしれない。権利と義務の関係があって、国と平等な関係が築かれる。貧しい者と富のあるものの差は教育にある。ルールに厳しい政府があるとしたら、無知な国民が多いから。
    学者の様な発想よりも実学を大切にするのは、日本が貧しい時代で経済や軍備優先の時代というのもあるのではと感じました。今の時代だと教養も国際社会で付き合って行く上では大切な気もします。

    全体的にはひとが生きていく上で大切なのは考える力とか、依存による力関係ではなく平等な機会や権理と義務。男女の平等観などは、民主主義を標榜するなら、今でも通用する考え方の様なきがしました。
    強権国家の中国も学問が拡がれば変わっていくのだろうか。

  • 先輩の私物をたまたま譲り受けた一冊。現代語訳版だけど、著者の"快活さ"を損ねておらず、その時代に本当にこの本の内容を国民に伝えたくて書いたことが伝わってきた。また、21世紀を生きる自分にとっても心に刺さるような箇所がいくつもあった。皆平等に権理を有していること、正しい政府と国民の関係を意識すること、日本国民として気概を持つこと、中身のある勉強をすること、などなど。約150年前に書かれた本だけど、人ってなかなか変われないんだなと。"国民皆学"、意味のある勉学に励むことを改めて意識しないとなあと強く感じた。また、勉強が嫌になったら読み返したい。


    国の文明は中間(middle-class)から起こる。

    もっと頑張りたい。

  • 源綴ではない現代語訳ではあるけども、三十路を越えて初めて、読んだけども。
    一万円札の座に君臨する理由に納得。

    これが、発刊当時は、明治の学者ではなく一般のそれも、小学生にも分かりやすく書かれた内容だというのだから驚きだ。
    学問なんて、大業なタイトルだが、空理空論が語られるのではなく、まさに実学の指南書。

    慶應出身に経営者で、その他の社会貢献活動に携わってる人が多いのもうなづける。

    物事を客観的に見る、時代や経済やあらゆるものを見る大局観が物凄い。
    明治に書かれたものであるが、そのまま現代にも十二分に適用応用できる内容にも驚愕。それだけ、真理をついているということなのか。

    小中高と、何処の誰が作って編集したんだか分からない教科書ってものに、感動なんてしたことは一度足りともないが、顔が見える人物が書いた教科書としては、非常に説得力があるな。

  • 一言でいえば、明治時代の自己啓発本。
    はじめは、めちゃくちゃな事言ってるなあという印象を受けていたが、読み進めていくうちに、納得できる点も多くあることに気が付いた。
    第2編~6編では、国家権力に対する緊張感が希薄であるように感じられたが、明治維新直後の時代背景に照らすと、当然の社会認識なのかもしれない。
    この点は、むしろ、権力への牽制を一つの趣旨として、『国民皆学』の精神が説かれているという解釈も成り立ち得るところであり、興味深い。
    ところで、憲法学でいうところの、『自己実現と自己統治の価値』について、これまで抽象的な具合でしかその概念を把握していなかった。しかし、これらの概念の意味やその連続性について、この本を通じて、自分なりの解釈ができたように感じる。
    学ぶことの意義と重要性を説くものであるが、その核心は、とにかく、疑うこと(疑問を持つこと)、これに尽きるのだろう。

  • 現在大学一年生で、本書は受験期から読み始めたため読了までに非常に長い時間を費やしました。ですが、読み切る価値は十分にあったと思います。
    うつりゆく激動の時代にこれだけ社会の全体像を捉えられていたことにただただ脱帽しました。日本の全国民、特に若い人々が今の時代にこそ読むべき「国民皆読」の一冊。

  • 自身が某大学の卒業生に関わらず読んだことが無かったため、この機会に読んでみた。

    一言で言うと、独立自尊の志を持つべしといった内容。学問のすすめという題名なので学問の重要性を説いた本だと勝手に思っていたが、まず独立の気概をもつ事が重要で、そのために学問を修めるべきといった流れにつながっているように感じた。

    印象に残った点として、国民が政府をお上として従ってしまうことや、西洋文化が日本文化よりも上であるといった日本人特有の思想は現代でも通じる事があると思う。そんなものは勘違いであると一蹴する福沢先生はやっぱスゴいし心強い。

    私自身学生時代は全く勉強しておらず、勉強をやる意味を見出せなかった。社会人になった今やっと英語の重要性に気付いて猛勉強している所だが、学生時代にこの本を読んでいれば今の苦労は軽減されていたのだろうなぁと感じている。それでも20代の内に読む事ができて良かった。独立自尊の精神を持って日々の勉学に励んでいきたい。

    • こまつなさん
      英語の猛勉強良いですね。
      今度、どんな勉強がオススメか教えてください。
      私は次の1点が大事と感じています。
      1.楽しく、意味が分かる内容をひ...
      英語の猛勉強良いですね。
      今度、どんな勉強がオススメか教えてください。
      私は次の1点が大事と感じています。
      1.楽しく、意味が分かる内容をひたすらシャドーイング
      →シャドーイング教材としては、
      投野由紀夫先生の、100語でスタート英会話 DVD付きブック(アメリカ編)NHK出版には大変お世話になりました。

      ライター1ヶ月アメリカに留学して、部屋探しから帰国まで、様々な人と関わる興味深いストーリーの中で、英語が上達するという内容です。その中で私たちは、100の動詞のよく使う5つの使い方を自然に学ぶことができます。

      楽しく継続できますよ。
      mp3にして帰宅時の移動のお供にちょうど良いです。
      2022/06/15
    • rpaさん
      コメントありがとうございます!
      頑張ります!
      コメントありがとうございます!
      頑張ります!
      2022/06/15
  • 文章がすごい入ってきやすかった。福澤諭吉の比喩とか表現がうまいのと、齋藤孝さんの訳の仕方も自然なんだろうと思った。

  • 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
    のフレーズだけは昔から知っていたけど、
    全ての章を読んだのは今回がが初めてだった。

    日本の人口が3000万人だった頃に、350万人が読んだというのは本当だろうか?もしホントなら、今で言ったら
    1300万部くらいの超超大ベストセラーということになる。

    明治になって、日本が開国して、日本人は西洋文明に目を丸くした。この本は、それまでお上の言うことのただ言いなりになっていた一般大衆に、これからは自分の頭で考えて、独立心を持って、おかしいと思えば、政府にも物を申すべきだ、そのためには国民のみんなが学問を身につけなければならない。だからみんな勉強しろ!と言う、福沢諭吉からの大エールなんだと思う。
    だからみんなすごく勇気づけられて、ベストセラーになったんだろうな。
    ちょっと居酒屋のトイレに貼ってある、親父の小言みたいな感じもした。

    人は自分が思っているよりも案外悪いことをし、
    自分で思っているよりも案外愚かなことをする。

    信じることには偽りが多く、疑うことには真理が多い。

    確かに、今の世にも通じる真理だな。

    天の道理を信じ、どんなに過酷な法で苦しめられようとも
    挫けず志を持ち、ただ正しい道理を唱えて、暴力を使わず政府に訴えろか... なんか会社で置かれている状況にもぴったり当てはまってしまって、思わず笑ってしまった。

    物事の本筋を見つけて、きちんとそれを通してゆく
    「筋力(すじりょく)」。
    そう言う物を、自分も鍛えたいと思った。

  • 読んでいて今と通ずるところが多かった。
    そう思うと、明治時代と生活様式は変わったけれど人間の本質的なところは変わっていないのではないかと思う。

    解説にもあったが、自分の意思をハッキリと持っており、恐れなく強い言葉を投げかけるところはとても好感が持てたし、あまりの言いように納得しつつも少し笑ってしまう場面もあった。

    政府と国民の在り方について、「人民と政府の間柄は、もともとは同一のものである。ただし、その社会的役割を区別して、政府は人民の代表となって法律を整備して、人民はこの法律を守ろうと約束した。」と述べ、今の社会だと思いつかなかった、政府と国民が平等であるという思想に救われた思いがある。

    また、人民が愚かであるから政府も愚かになるというような内容には、政治に対して批判的な意見を持つときに反芻して、自分たちのことも振り返るようになった。

    自分にはない新たな思想を嫌味なく提供しており、明治時代のベストセラーというのも頷ける。

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著者プロフィール

1835~1901年。

「2024年 『福澤諭吉 教育論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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