聴き屋の芸術学部祭 (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
3.60
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本棚登録 : 372
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017682

感想・レビュー・書評

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  • 2013/01/06読了

  • こういった例えは失礼なのかもしれませんが、森見登美彦さんと米澤穂信さんを足して2で割ったような感じ。イコールとてもとても面白かったです。読みながら何度も笑ってしまいました。7.3くらいで、森見先生の方が強いかな?

  • 芸術学部の学生を主人公にした連作短編集。

    聴き屋体質の主人公だけでなく、周りの脇キャラも愛すべき変人キャラ揃いで面白かった。会話も軽妙で、読みやすい。けど、こういう雰囲気でいくなら、日常ミステリで全て収めて欲しかったかな。殺人事件にまで発展すると、彼らの軽妙さに何となく違和感を覚えてしまう。キャラ設定、雰囲気自体は好みなので、続編があるならまた読んでみたい。

  • Ustreamでやってたtwitter読書会の中で
    蔓葉信博さんがオススメしていたので読んでみた。

    大学の芸術学部が舞台ということで
    キャラクターが変人ばかりで印象に残りやすいです。

    会話もテンポよく進んで小気味よく、読みやすい。

    本作がデビュー作ということですが、
    日大芸術学部出身という経歴を生かした作品で
    大学時代の自由を謳歌している雰囲気がよく出ているし
    ユーモア青春ミステリーとしての水準は高いと思います。

    「聴き屋の芸術学部祭」、「からくりツィスカの余命」
    「濡れ衣トワイライト」、「泥棒たちの挽歌」と
    4つの短編からなる本作ですが、
    話が進むほど出来がよくなってきている気がしますね。

  • さらりと読め、面白かった。登場人物が個性的だが、憎めない。殺人事件のわりに後味が悪くなく、いいと思った。

  • 読みやすいミステリ。
    登場キャラがふざけていて好きになれない。

  • なぜか愚痴や自慢話を聴かされる大学生『柏木』が属する文芸サークル『ザ・フール』には、超ネガティブな先輩や推理マニアの美男子学生作家など個性的なメンバーが多い。その体質を生かした『聴き屋』の人気も上々の学園祭で、突如作動したスプリンクラーと黒こげの死体。他に結末のない戯曲や壊された模型の謎など、軽快かつロジカルに解き明かす。


    黒こげの死体から始まり、次は演劇の脚本の結末を予想するという犯罪が絡まない話、そしてラストはまたもや死体が・・・というバラエティにとんだミステリーでした。
    謎解きの方は、情報が少なく証拠を探すでもなくほとんど推理頼りというものでしたが、自然と情報が集まってくる『聴き屋』という設定は面白いですね。
    主人公が地味(まとも)な分、周りに個性的なキャラが配置されています。中でもやはり、女装が似合う俺様的『川瀬』君は秀逸でした。そして『梅ちゃん』とは友達になれそう・・・。

  • 読了、84点。

    **
    大学の芸術学部に在籍する柏木は聴き屋というただ人の話を聞いて頷くだけのボランティアのようなことを行っている。
    彼の元には日々愚痴を溢したり、ちょっとした事件があればとりあえず話てみたいといろんな情報が舞い込む。
    そんなある日大学の芸術学部祭で火災警報器がなるというトラブルが発生し、その校舎を探索していた柏木とその友人の川瀬は焼けた死体を発見する。
    柏木はミステリー好きの川瀬と会話しながら推理をし、、、(表題作)
    他3部収録の短編集。
    **

    学園ミステリーのオムニバス集『放課後探偵団』に収録されていた聴き屋シリーズの第一作短編集。
    文章は良い意味であっさりしていて読み易く、キャラクターの魅力もある、肩の力を抜いて楽しめる小説です。
    ミステリー要素は主に、謎が登場した時点でほぼ出揃った手掛かりを元にキャラクター同士が会話を重ねながら真相に辿り着くロジック押し。

    読んでいる最中は色んな部分が面白かった訳ですが、時間が経つとちょっとぼやけてしまうのは残念と言えば残念。
    小説の売りはやはりキャラクターの魅力にあるかと思いますが、「からくりツィスカの余命」という短編は先輩のキャラクターの良さとともに、作中作を上手く使っていて私の好みの作品だったかなと思います。

  • 聴き屋というキャラ設定が気になってよんでみた作品。
    個人的には「からくりツィリスカの余命」がとても気に入りました。作者が思い描いたオチを第三者が推理する。新しいスタイルの謎解きだな、とわくわくしました。
    すらすらテンポよく読めました。

  • 図書館より。
    聴き屋体質の大学生が芸大で起こる様々な事件に挑む連作短編集。

    超ネガティブな先輩や推理マニアの同回生などレギュラーキャラの個性の強さはもちろん、各短編で出てくる依頼者たちもキャラが強く主人公とのやり取りもコミカルで読んでいて楽しいです。

    ミステリとしても日常の謎や殺人に劇の結末の推理など非常にバラエティ豊か。あとがきでは著者の方は統一性のなさを反省されていましたが、個人的にはこの縛りのない混沌とした感じがまた良かったと感じます。

    面白かったのは結末のない劇の結末を推理する『からくりツィスカの余命』と泥棒たちの無実を証明しなければならなくなる『泥棒たちの挽歌』

    特に『泥棒たちの挽歌』は殺人事件の話なのですが、普通の犯人捜しのミステリとは違い、ここでどのような事件を起こったのかを推理するというもので他の殺人のミステリとは少し違う趣向で楽しめました。

    他の短編もロジックがしっかりと詰め込まれていてきちんと本格ミステリとしても出来上がっています。シリーズ化されるそうなので次回作も楽しみ!

    第5回ミステリーズ!新人賞佳作『聴き屋の芸術学部際』収録

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