「納品」をなくせばうまくいく

著者 :
  • 日本実業出版社
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本棚登録 : 496
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534051943

感想・レビュー・書評

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  • 34冊目。

  • こんな具合にソフト開発できれば本当に楽しいだろうなと思う。本書では納品のない=>クラウドで顧客カスタマイズされたサービスを提供という風に方向付けがなされているが、可能であれば同様な形のビジネスが、組み込みソフト開発だとか、一般的には納品•検収がつきまとうものについても適用可能であって欲しい。
    納品のない•••といった形式よりもむしろ商習慣や契約形態が問題だと思うのでその辺りの意識が業界で変わると皆ハッピーになれるのではと思う。

  • 納品に追われ、終わったら別の顧客(案件)という流れにいる身としては、全く対極で刺激的な内容。お客さんと、月額に対する成果の価値観に差がでないか?など気になる点もあるけど、うまくできれば顧客との関係や働き方、やりがいなどプラスの面も多そう。

  • 創業にあたり、事業展望をきっちりと見据えることは難しい。打ち出した新機軸への思いがあってもいきなりの成果は確約できず、かといって当然に発展は目指している。事業の成長とともにシステムも成長させていけばいいのだが、創業時点で導入すべきシステムの規模と、運用・保守の規模をどの程度に設定したものか。要件定義が固まらずして仕様が書けない。よって、無駄なバッファが乗るのを否めない。現在抱えている課題が、ある側面から浮き彫りになった。ただ、受注者であるベンダーの質と意識も大いに問われる。

  • 顧客のバーチャルCTO(技術顧問)という信頼関係の継続モデル。目的を問うことが大事。

  • 納品のない受託開発。顧問ビジネス、サービスビジネス、でも受託開発。

  • パッケージで売るのではなくエンジニアを外注してその中で開発を行おうという話。ネットベンチャーのサービス開発には向いていると思う。

  • 著者のブログを以前から読んでいたので、記載されている内容については「そうだったそうだった」と思い返しながら読んでいた。

    IT業界の問題の根源を「一括請負」と「納品」にあると説き、その理由と「納品のない受託開発」がどんなものかを丁寧に解説している。

    この「納品のない受託開発」の考え方は、SI業界に身をおいて苦労を経験したことがある人たちの間では既に広まっており、業務としてアジャイル開発を既に実践している人や、工数精算前提のビジネスモデルではなく、ITをモノではなくサービスとして提供しているビジネスを行っている人たちにとっては素直に受け入れることができ、当たり前の考え方、と感じるだろうけれども、そうではない、以前大多数を占める工数精算前提のビジネスモデルの企業に従事し、日々デスマーチや過酷なプロジェクト、生産性や高いスキルとは真逆の工数ビジネスに幻滅している技術者や、ITを単なる金食い虫と考えている経営者にとっては新しい概念と感じると思う。

    むしろそういう層の人たちに1人でも多く届いて欲しいし、それが広まることがSI業界に従事する人や、ユーザー企業やIT部門を幸せにする唯一の道だと個人的には感じている。この本に書いてあることが、書籍としての形で世に出て広まることが一番大きいことだと思う。

    「納品のない受託開発」に関しては、スケーラビリティや適用領域(ミッションクリティカルな領域、大規模システム、金融、公共、人命など)に関して疑問を呈する意見が一方で出てきているのも認識している。が、この本の中でははっきりと、銀の弾丸ではない、それらにはそれらの適した作り方、開発方法があると記述しており、誠実だと感じた。それどころか、世の大規模システムの多くは本当は多くの機能が必要、ということに対して疑問を感じると書いていて、個人の感覚としても頷ける。

    必要以上に大きくしない、という考え方を、ソニックガーデンという企業自体にも適用されていて、小さいほうが技術者としても幸せではないかと感じていると記されている。

    技術者が幸福に働くには、ナレッジワーカーという働き方、社員の幸せを大事にする、といった考え方が記されており、この辺りも大きな企業で改革や改善をしようと行動し、理不尽な制約やしがらみで潰されたり挫折した経験がある人なら、同意出来る部分ではないだろうか。

    昨今、社員を単なる固定費・コスト扱いし使い倒すことで利益を上げてきた企業の不調が浮かび上がってきており、企業の持続的な成長や繁栄には、社員個人個人の幸せや成長を大事にすることが不可欠、ということが認知されてきたと感じるが、そういう意味でもソニックガーデンはそれを体現している企業だと感じた。

  • ソフトウェア開発を、物作りではなく、サービスとして捉える新しいビジネスのやり方の提案。

  • 「納品をなくせばうまくいく」の感想part1~ソフトウェア業界のビジネスモデルが抱える問題: プログラマの思索 http://forza.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/part1-5631.html

    「納品をなくせばうまくいく」の感想part2~「納品のない受託開発」のビジネスモデル分析: プログラマの思索 http://forza.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/part2-c02b.html

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著者プロフィール

株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。1974年生まれ。京都府出身。小学生からプログラミングを始め、天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも、プログラマ軽視の風潮に挫折。転職も考えたが、会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では、研究開発部門の立ち上げ、社内SNSの企画と開発、オープンソース化をおこない、自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。しかし、経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。最終的には事業を軌道に乗せて、その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして、株式会社ソニックガーデンを設立。ソニックガーデンでは、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。その斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。

「2023年 『人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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