アジャイル開発とスクラム: 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント
- 翔泳社 (2013年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798129709
感想・レビュー・書評
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平鍋さんが知り合いなので読んだ。非常に基本的なアジャイル開発とスクラムに関するまとめとケーススタディ。あとは野中郁次郎さんとの対談。日本でいつの間にか失われたスクラムがソフトで蘇って逆輸入。サムソンの合宿がなぜ今日本でやれないんだろうね?まあ出張がその代替となっている気はするけど。
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日本企業の事例が乗っているのが理解につながる。
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読みながら「野中氏と平鍋氏が書いてるんだからバイブルとなって欲しいけど、後半、事例やインタビューなので、これを読んでスクラムを実践するのは難しいかも…」と思っていた。だがしかし、"おわりに" を読んで、"やっぱりバイブルだ!" と思った。
一部を引用する。時は 2011 年。ベネフィールド氏 (ガブリエル・ベネフィールド) が講師を務めるスクラムトレーニングに、野中氏と平鍋氏が飛び入り参加している。そこに参加者からの質問があった (文中の "私" は平鍋氏)。
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「プロジェクトには、営業部門、マーケティング部門、サポート部門など、いくつかの部門にステークホルダーがいるのです。そして、どの機能を優先すべきかについて意見が分かれているのです。意見を一つにまとめるには、どうしたらよいのでしょうか」
この場にいた私は、「持ち点による投票をする」という答えなどを考えていた。この質問に対して、ガブリエルが突然、振り返って聞いた。
「野中先生は、どう思われますか」
急な質問だったので野中郁次郎先生は一瞬戸惑ったが、その後少し間を置いておっしゃった。
「合宿をしない」
そして、こう続けた。
「形式的な会議で決めることはできない。いろんな背景をもった人の集合において、形式知で語れること、理解し合えることはごく一部だ。(続きは本書で)」
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スクラムの根底に流れる本質が垣間見える一言だと私は思った。
これはスクラムというより SECI モデルの話に分類されるのだが、どちらも野中先生に端を発するし、スクラムは SECI モデルを内包する軽量フレームワークだし…というノーガキはどーでもいいか…。(^^;
野中氏、平鍋氏の綴った本書からは、形式知であるスクラムを支える暗黙知の香りが漂う。イノベーションを目指すすべての人へ。 -
改めて「アジャイルを知ろう」と思って読んでみました。全体のエッセンスをうまくまとめていて分かりやすい本だと思います。またその発展方法、方向なども示させていて、今の業務と照らし合わせると考えさせられるところの多い本です。とは言っても軽くまとめられていてサッと読めるので忙しいマネージャー向けという感じかな。
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スクラムの原点とオーバービュー
スクラムやってみたい。 -
技術的方法論というよりは、思想や概念がメインです。
チームを作るためには対話が必要 -
アジャイルの、特にスクラムのやり方、考え方がよくわかる。知識が全く無い状態から読み出すアジャイルの本としてもいいと思う。
後半はアメリカから逆輸入される前の、野中氏が書いた元祖スクラムの自画自賛であるが、確かにためになることはいろいろ書いてある。が、そこはほとんど読み飛ばしてしまった。 -
・アジャイル、スクラムの解説本としては不十分。第一部で書かれているが、文章で淡々と書かれている。理論概念ではアジャイルサムライ、実践ではスクラムブートキャンプを読んだ方が良いだろう。
・第二部のリクルートや楽天のエピソードは参考にはなったものの、やや表面的に感じた。
・むしろ、第三部のSECIモデルを始めとする知識創造の話の方が参考になった。 -
会社に入って、まず先輩から借りた本ですね。
正直なところ、アジャイルやスクラムなんてほぼ知らなかったんですが、やっていることは学生時代の研究にすごく近いと感じました。
正直、ウォーターフォールモデルはツッコミどころが多かったというか、ほんまにそれでいけるんかいな?と思っていたので、別方式らしいアジャイルは興味がありました。
そんな僕にとって、アジャイルというもの、スクラムというものを知るにはとても良い書籍でした。
読みやすいですし、事例が写真付きでいくつもあげられているので、スクラムというもののイメージは簡単にできるようになると思います。
但し、やはり強固な感じはしないですね。ちゃんと制度が整って本来の意味で動くようになれば大丈夫でしょうけど、徐々に取り入れて行く、というのはむずかしそう。
そのヤワさ?のようなものをどう補うべきか、というところに焦点をあてて使っていくべきだな、とは思いました。
とりあえずホワイトボードか広い壁欲しくなりますね!笑 -
やっぱりイイ本だった。
個人的には、フロネティックリーダーの観点からアジャイルスクラムか述べられるあたりはシビレた。
企業の戦略ビジョンや経営の視点からアジャイルスクラムを捉えた解説が、アジャイルスクラムへの理解を新しい次元に押しやってくれた気がした。