美しい本は、そこに存在することに意味がある。
本屋へいって装丁・におい・その本を読む余裕のある時間を買うのだ。
そういう美しい本たちに意味など必要ない。
で、この本はなごやかな、優しい心持になる、薬みたいな本なのだ。
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オールアバウト ペネロペ・クルス
- ブランドン・ハースト
- ACクリエイト / 2010年3月12日発売
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ベネロペ・クルスの日本限定の本。
若いころから女優として働いてた彼女のことがよくわかる。
彼女ベストはアルモドバル監督の「ボルベール<帰郷>」だと思うけれど、ウディ・アレン監督の「それでも恋するバルセロナ」にかける想いなども描かれていて、興味深い。
意思の強い、職業人の印象。
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ただいま おかえりなさい
- 戌井昭人
- ヴィレッジブックス / 2009年12月26日発売
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戌井昭人さんの本。
『眠るとき、目覚めるときに、いつだって、この本の世界に戻ってゆけるようにって枕もとに置いています。』
とはなんて素敵な帯なのだろう。by 川上未映子
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パッション・アンド・アクション―アール・ブリュット
- 小出由紀子
- 求龍堂 / 2008年10月25日発売
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昨年、ハイバイ「ヒッキー・カンクーントルネード」のチラシを作成した際にあらすじも劇団のことも知らない人に見せたら、「アウトサイダーアートのような」印象を語られたことがきっかけで、その後ご縁があって関係者に観ていただいたりした。
ヘンリー・ダーガの名前は松井さんと岩井さんの二人の会話に以前からあがっていた。アートが自由であること、誰に求められる定義は必ずしも必要ない、ただそれが爆裂に存在感があるだけということを思い出させてくれる作品集。
衝撃の作品が多く、大切にしている。
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御手洗潔の挨拶 (講談社文庫)
- 島田荘司
- 講談社 / 1991年7月4日発売
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友人に進められて、読み始めた。
新しい主人公との出会いはいつも、うれしい。
立川談春、すきだ。
彼が舞台にでるのであれば、どんなことを差し置いても行きたいくらい。
彼の半自伝ならば面白くないわけがなく。
泣ける。かっこいい、男。
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植村直己 妻への手紙 (文春新書 275)
- 植村直己
- 文藝春秋 / 2002年10月20日発売
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登山に行っている最中に妻に書き綴った手紙集。
東京に居るときは豆腐屋で働く妻に養ってもらう、なにもすることのない男になる。
でも山では沢山のことを感じて、沢山の時間が膨らんでいって、その爆発するような瞬間が離れ離れのときにこそ生まれる様子が、人間らしくて、尊いと思う。そういう愛され方をしてみたい。というより、そういう愛され方でいい。
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<とんぼの本>向田邦子 暮しの愉しみ
- 向田邦子
- 新潮社 / 2003年6月25日発売
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だんだん向田邦子みたいになっていくんですよ、と後輩にのろいの言葉をかけられても、この本を読むならば、それでも幸福はある、と思ってしまう。
美しいものを自分のお金と実力で手に入れて、幸福といれる生活なのではないかしら。
美学がある人は男性でも女性でも、かっこいい。
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池波正太郎の銀座日記(全) (新潮文庫)
- 池波正太郎
- 新潮社 / 1991年3月27日発売
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世の中で「チボー家の人々」についで何度も読んだ本。
美学をもって、自分のなすべきことを、地道に行う。そして好きなご飯を食べて、好きな映画をみて、家族を食べさせる。それが男。
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富士日記 上巻 改版 (中公文庫 た 15-6)
- 武田百合子
- 中央公論新社 / 1997年4月18日発売
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上中下。
落ち着いて生活することが心底うらやましい。
食べたいものを作って食べ、愛で、人の横に居て、年をとっていくこと。武田泰淳の死ぬ下巻で泣く。
犬が星見た~も面白い。
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わたしの献立日記 (新潮文庫 さ 10-5)
- 沢村貞子
- 新潮社 / 1997年3月1日発売
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これは心を休めたいときの安定剤。
富士日記と同じで、どのページをランダムに開いてもまったく問題ない。
人生を共にした旦那様と沢村貞子がであったのは39歳のときで、お互いに家族がいた。それでも好きで、一緒にいたくって、1回中絶もして、相手の奥さんと子供に慰謝料払い続けてっていう背景を知りながらかの上の幸福を知ると、よけいに胸をはれるものにみえてくるのだ。
人って面白い。
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わたしの渡世日記 上 (文春文庫 た 37-2)
- 高峰秀子
- 文藝春秋 / 1998年3月10日発売
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現実より面白いものはない。
お母さんの話がもう苦しいような、明るいような、で。
肝の据わった食いしん坊な、偏った自分を受け入れている女性。
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新装版・殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一) (講談社文庫)
- 池波正太郎
- 講談社 / 2001年4月13日発売
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梅安とおもん。
一人で稼いで、食べたいものを食べて、好きな人と会って、生きる
スリルがある大人の生活に18才で触れてしまったことが私の人生のあれだったのかもしれないなぁ・・・
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木かげの家の小人たち (福音館文庫 物語)
- いぬいとみこ
- 福音館書店 / 2002年6月20日発売
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小学校2年生くらいのときに読んで、衝撃をうけた1冊。
戦時中にイギリス生まれの小人の家族を守り続ける物語。
コップいっぱいのミルクが命を握っている、ことをその家族で一番若い人が引き継いでいく。
だんだん食料がなくなってきて、小人のコップに口をつけてしまったときの悲しい気持ちとか。
自由って何だろう、とか限りのある愛っていいな、とか子供心に考えたように思う。
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花の下にて春死なむ (講談社文庫)
- 北森鴻
- 講談社 / 2001年12月14日発売
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北森鴻、死んでしまった。
この香菜里屋シリーズはとっても面白い。
好きな酒と料理を好きなときにたべにいける大人になりたい、その自由のためなら一生懸命働ける、と思わせてくれる。
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私が殺した少女 (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-2)
- 原りょう
- 早川書房 / 1996年4月15日発売
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原寮の物語は登場人物が予想外に多い、気がする。
それが一人ひとり、わがままで、ジレンマを持っていて、楽しい。
主人公の乾いた感じ。それでも消えた相棒に抱いている無限の愛情が、心安らかにしてくれる。
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さらば長き眠り (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-4)
- 原りょう
- 早川書房 / 2000年12月15日発売
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原寮、超面白い。
チャンドラーを読んでいる人にはすいすい読める。もっと頂戴という感じ。やさしい、ってどういうことだろう、というか誰とも話さない「孤独の」心地よさにあこがれる。
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愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)
- 原りょう
- 早川書房 / 2007年12月15日発売
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2年間のブランクをあけて、書き下ろした新作。
相変わらずの読み応えで幸福になる。
無理のないペースで、ずっと幸福をわけてほしい。
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終わりと始まりのマイルス1 (Fx COMICS)
- 鬼頭莫宏
- 太田出版 / 2009年3月12日発売
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なかなか続きの出ない、鬼頭さんの中でも大好きな作品。
ものに魂が宿って、処理しきれない、そしてきっと戦争が終わった後の世界、というのが明るくてとても好き。
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イムリ 9 (ビームコミックス)
- 三宅乱丈
- エンターブレイン / 2011年2月25日発売
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新刊が出たら絶対買う、完結まで絶対追いかける、漫画が「イムリ」。
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デザインのひきだし 10: プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌
- グラフィック社編集部
- グラフィック社 / 2010年6月1日発売
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活版印刷のデザインが好きで、演劇でまさかの活版チラシができないか検討したけれど、懇意にしている印刷会社ではやっていなかった。
それにしてもデザインというのは、勉強しても勉強しても、どこまでもやり方があって、楽しい。
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野菜と玄米 (講談社のお料理BOOK)
- 月森紀子
- 講談社 / 2004年2月25日発売
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抗糖化のことを考えると、玄米食べなきゃ、とか本当に思う。
実際のところ我慢できなくて焼肉・ハンバーガー・菓子パンを食べてしまったりするけれど。
小麦や白米、肉、炭酸飲料、清涼飲料水などはもってのほか。
わかってはいるのに。