"無法者"ダッチェスに心奪われる。そうだよなダッチェス、あいつのことは殴ってもしょうがないよな…。
すべての登場人物がしっかりと立ち上がっていて、配役を考えたくなる。
ある絶望から始まり、そこから歩を進めるしかない。原題の通りでした。失われつつある街が背景になければ、説得力をもたないストーリー。謎解きも楽しめました。

2023年5月11日

読書状況 読み終わった [2023年5月11日]

物語と呼ぶにはあまりにゴツゴツした、目を覆いたくなるような日常の記述だった。

貧困に苦しむ代筆屋の男性は、それでも生きることを愛せていたけれど、女性たちの暮らしはひどい。尊厳を奪われている。

2023年4月23日

読書状況 読み終わった [2023年4月23日]

街を遊歩しながら、そこに積もる歴史に思いを馳せ、マイノリティの声を傾聴する語り手。しかし「かつての同級生の姉」との再会により、自己を通じてしか世界を認識できない事を思い知る(という事だと私は思いました)。

2023年4月13日

読書状況 読み終わった [2023年4月13日]

岡真里さんの解説にあったように、戦争責任をぼんやりした「戦争」それ自体に負わせ、個人の中で追及することをしなかった日本の言論について、問われるべきなのだと思う。

2022年4月2日

読書状況 読み終わった [2022年4月2日]

広告会社の男のような、浅薄な物の見方をしがちであるのだが、難しい。見える方向に目を向けるということがだ。

2022年2月25日

読書状況 読み終わった [2022年2月25日]

ヴァージニア・ウルフ「波」、森山恵さんの訳がとてもよくて、ポエトリーリーディングをききながら夢うつつになっている感じがずっと続く。素晴らしい読書だった。朝の冷たい空気のなか、通勤電車に揺られながら読むのが似合う本でした。

2022年2月2日

読書状況 読み終わった [2022年2月2日]

親の怒りは、自分への不安を、子どもにぶつけているにすぎない。子どもに「これ好き?」と聞いてはならない。まずは親が何かに夢中になること。

2022年1月3日

読書状況 読み終わった [2022年1月3日]

列車内で、男たちと原作者が酒を飲みながら語り合うシーンが印象的だった。男は、戦地で自分と同じ極限を見た女たちを娶ることはしないと言う。従軍しなかった女が、女兵士たちを「どうせ連絡色恋に狂っていたのだろう」と侮蔑していたことも印象に残る。
心を開いて語り合ったインタビュー記事を、ずたすたに添削した元女兵士。人間には二つの真実がある。

2022年1月2日

読書状況 読み終わった [2022年1月2日]

エッセイ的日常の豊かさを描きつつも、語り手がバトンタッチされ、筆者には分からぬはずの他人の意識までもが語られる。豊かな小説である。

2021年12月29日

読書状況 読み終わった [2021年12月29日]

「テヘランでロリータを読む」、傑作。全体主義下のイランにおいて、弱者である女性として、また夢をもつ若者として生きることは過酷を極めただろう。

だからこそ「もう一つの世界」が希われる。小説を読み、学ぶことの意義が痛烈に描かれる。

夢見がちでありながら痛みを含んだ筆致が素晴らしい。

2021年2月18日

読書状況 読み終わった [2021年2月18日]

「終点のあの子」はいじめの話が本筋だったけど、スクールカースト上位/下位の女の子が、読書を通じて夏休みのあいだだけ友だちになる話がいちばん好きでした。

「本屋さんのダイアナ」も、生まれ育った家庭があまりにも違う二人の少女が、読書を通じて友情を勝ち得る話。得る、じゃなくて勝ち得る、なんだと思います。

ダイアナにも彩子にも、こういう人間の弱さは私にもあるよな、というところがたくさんあって、身につまされながら読みました。

特に、大学に入学してからの彩子の葛藤は、あまり書かれてこなかった内容なんじゃないかと思います。毒にあてられたかんじがします。少女小説で育った高校生までくらいの人たちに、ぜひ読んでほしいです。戦う女の子をめざしたいものです。

ダイアナが自活して初めてティアラのかっこよさに気づくのも、よかったです。
ダイアナの、いろんな本を読んで、いろんなかっこいい女性に憧れて暮らしていくやり方はすてきだなぁと思います。それは生き方を言葉にしていくことだからです。なんとなくかっこいい暮らし、ではなく、初任給で長持ちする黒いワンピースを買うんだ、と念じるような。

彩子の葛藤は胸が苦しくなるものでしたが、久しぶりに再会したダイアナの目には、昔の凛とした親友のままに映っていました。最強のダブルヒロイン。

2014年7月20日

読書状況 読み終わった [2014年7月20日]

「兄ちゃん、ひるんだと?」

2013年2月26日

読書状況 観終わった [2013年2月26日]

2012年夏、神奈川県立近代美術館の葉山館にて開かれた「松本竣介展」は忘れ難いものです。

ひとつめの広い展示室を逍遥しつつふたつめの部屋に足を踏み入れると、並べて飾られた「立てる像」と「画家の像」は存外に大きいのでした。

その気負いのない姿。それでいて、思索が彼を立たせているかのような、知恵の熱のある表情。

戦争に日本絵画がどう立ち回ったか、の美術史の記録であり、何より、中野氏自身の青春の記録でもあります。

2012年12月14日

読書状況 読み終わった [2012年12月14日]

歴史はぷかぷかと浮いているもので、後代には様々な解釈が与えられてしまう。

時代の境い目に生きたひとはそんな歯痒さを持つのだろう。ひりひりと痛かった。

語り手である老画家は、かつて自らの師を《浮世の画家》とみなして、去った。
それと同じく、語り手は自らの弟子に背かれる。

戦時中は確乎たる信念をもって(国粋主義的な)活動をしていた語り手は、しかし、戦後のじぶんにそこまでの影響力が無いことを悟らされてしまう。

彼もまた凡庸な《浮世の画家》にすぎなかったのだ。

老いる哀しみ。そして、明るさ。

2012年12月10日

読書状況 読み終わった [2012年12月10日]

はまってる絵と、物語を展開させる仕掛けと、盛り上げる音楽と、ガツンとくみあわさった映画だと思いました。うますぎて違和を感じるくらい。おもしろかったです!

2012年8月23日

読書状況 観終わった [2012年8月23日]

魔夜峰央の絵を脳裏に浮かべながら

2012年8月16日

読書状況 読み終わった [2012年8月16日]

もしも、身内が病院のベッドで終りを迎えるとしたら、その掛蒲団を文さんの好んだような鮮やかな花柄に差し替えるぐらいのこと、できるようでありたい。

2012年7月26日

読書状況 読み終わった [2012年7月26日]

お気に入りの記憶(今思えば勘違いなんだろうけど、その時は不思議だった話)を反芻するのがすきなら。

2012年6月18日

読書状況 読み終わった [2012年6月18日]

世の中を当たり前に、子どもの眼でみると、どうしたって恐ろしくなるのだな

2012年6月14日

読書状況 読み終わった [2012年6月14日]

時を腐らせる黄色い雨が、この死者の回顧録を読むあいだ、わたしの眼にも降り注いでいました。

2012年5月20日

読書状況 読み終わった [2012年5月20日]

ぷちん、と虹彩に割って入る鯨かあ。

2012年5月17日

読書状況 読み終わった [2012年5月17日]

関係に名前がつけられない時、それをやさしく包んでしまうのは、名前がついている関係なのかもしれない。ずうっとそれを書いてるひとだな、と思う。

2012年5月3日

読書状況 読み終わった [2012年5月3日]

その内容をよりよく響かせる器であること。

2012年5月2日

読書状況 読み終わった [2012年5月2日]

クー!

2012年2月14日

読書状況 観終わった [2012年2月14日]
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