表紙の飄々とした感じが以前からずっと気になっていて、古本でお安く出ていたので購入。
なんじゃ、こりゃ?(笑)不条理も不条理、暴力的であまりにも淡々としていて、頭が飛んだり、足が切断されたり、やたら人が死ぬし。不条理ワールド全快!
あまりにブラックユーモア過ぎて、思わず鼻の奥から「ふっ」と笑いが洩れてしまうほど。
しかし、これがスターリン圧政下でのおそらく「日常」だったのでしょう。ユーモアの裏に「虚無」のような怖さが潜む。
裏表紙にハルムスの書いたメモの写真が載っています。「今日は急ぎの用事があるので、家にいるけれど誰にも会わないし、ドア越しにも話しません」
おいおい…(笑)。こんな人に興味を持ったら、是非どうぞ♪
2014年7月6日
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渡りの足跡 (新潮文庫)
- 梨木香歩
- 新潮社 / 2013年2月28日発売
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可能であれば。
渡り鳥の飛行ルートや、各章末ごとに記載されている鳥の説明に挿絵などがあると良かったかなと思う。
梨木さんの文章は感性を鋭敏に働かせながらも、その中でできるだけ客観的であろうとしているところも好きなのだが、いかんせん鳥類に詳しくない人間が読む場合には、挿絵や図解があった方が分かりやすいと思う。
ま、自分で調べろってことか(笑)。
2013年4月7日
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結婚しなくていいですか。: す-ちゃんの明日 (幻冬舎文庫 ま 10-4)
- 益田ミリ
- 幻冬舎 / 2010年8月5日発売
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嗚呼。あまりにも気持ちが分かりすぎる。
30代から40代の独身女性には、ずしりとした重みを持って共感できる作品。
軽やかでありながらシリアスな、それでいてリアルな心情を浮き彫りにしている。
こういう作品で救われることって、きっとあるよね。
ありがとう。
2013年4月3日
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モゴール族探検記 (岩波新書 青版 F-60)
- 梅棹忠夫
- 岩波書店 / 1956年9月17日発売
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元々は1950年代の本なのですね。
つい昨日の話であるかのような活き活きとした描写、次々とチームに降りかかる困難。真面目に大変で、下手をすると命にも関わるような旅程なのだけれどもどこかおかしみもあり、人々の強かさと善良さ、そのないまぜになった様子が、しみじみと「旅だなぁ」と思わせる。
常識、なんてものは土地土地で覆るものですものね。
アフガンの奥地にひっそりと生き残っていたモンゴル一族の末裔モゴール族、今現在はどうなってしまっているのだろうか。
2012年9月28日
やってみたいなぁ、女ひとり寿司。
度胸以前に、懐具合が・・・(笑)
2012年9月28日
勢いのある良い言葉が並んでいる。
しかし、ここに書かれているような言葉をすぐに実践できる人間ならば、そもそもこの本を手にとっていないのではないか・・・という気もする(笑)。
2012年9月26日
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酒とつまみ 第14号
- 酒とつまみ社
- 酒とつまみ社 / 2011年11月1日発売
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嗚呼、くだらない、くだらない。
くだらないのに、時に泣けてくるほど笑える。
地デジ化の話を盗み聞きしたコーナーは最高。
久々に、腹がよじれるほど泣いて笑った。
柿ピーによる4コマ漫画も素晴らしい。
なんて、くだらないの。
大好き♪
編集に加わりたいほどである。
2012年7月1日
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令嬢ユリエ (岩波文庫)
- ストリントベルク
- 岩波書店 / -
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さすがのストリンドベルクといったところか。
救いのないエンディングが素適。
2011年11月21日
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木馬の騎手 (新潮文庫 草 135-6F)
- 三浦哲郎
- 新潮社 / 1984年1月1日発売
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もともと短編が好きなこともあるが、つくづく『上手いなぁ』と感嘆の声が洩れてしまう。
子どもを主人公とした短編ばかりが集められているのだが、三浦さんはことに子ども目線での話の描き方が素晴らしいのだ。
こどもの目線。こどもの目に映る世界。こどもが気づいていない出来事。読者は、それらから背後にある大人の世界の複雑な事情を読み取ることができる。
簡潔で美しい文体のなかに詩情が溢れている。
それでいて、どれも切なく物悲しい。
2011年10月23日
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邂逅の森 (文春文庫 く 29-1)
- 熊谷達也
- 文藝春秋 / 2006年12月6日発売
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久しぶりに出会えた読み応えのある作品。
秋田の年若い青年が一人のマタギとして成長し、老いていくまでを描いている。530pほどの長編のうちで最も息を呑むのが圧巻のラスト1章。鬼気迫る死闘。残りの9割は、ひたすらにこの数十頁を描くためのものだと言っていい。喜びも哀しみも超越したところのカタルシスに満ちたエンディング。
是非、最後まで読んでいただきたい。
2011年10月20日
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知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)
- 開高健
- 集英社 / 1992年5月20日発売
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相変わらずの開高さんである。
幅広い知識、薀蓄があちらこちらに散りばめられながら、あっという間に下ネタにまで飛んでしまうところもご愛嬌。下ネタでも、下劣にはならないのが開高さんだ。
開高さんが夏目漱石を嫌いだ、ということをこの本で初めて知ったが、考えてみればさもありなん。
どう考えても気が合わなさそうである、この二人(笑)。
というか、自分の中にもある鬱気質をまざまざと漱石の中に見て、嫌なんだろう。嫌いと好きは同じことの表裏である場合が多い(笑)。
2011年10月18日
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現代農業 2011年 09月号 [雑誌]
- 農山漁村文化協会
- 農山漁村文化協会 / 2011年8月5日発売
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ロープの縛り方を覚えたくて購入。
しかし、絵で見ただけではよく分かりませんなぁ(笑)。
こういう知識、あるといざという時何かの役に立つ。(たぶん)
ボーイスカウトにでも入るか…。(←年齢制限で無理です)
2011年9月3日
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語りかける中学数学: いっしょに悩む、いっしょにわかる
- 高橋一雄
- ベレ出版 / 2005年8月1日発売
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数学に挫折したのは中学校からでした・・・・・・(泣)。なにを思ったか卒業してン十年経った今、一念発起してトライ。一通りやり終わりました。
こんな風に丁寧に教えてくださる先生が当時いてくれたら。私もきっと数学を嫌いにならずに済んだのではないかと思いました。どれほど稚拙な内容でも、「自分でできる」という感覚を持てることが上達への一歩なのですね。
久しぶりに一からやり直して、正直、大嫌いだった数学が結構楽しくなりました(笑)。
2011年5月15日
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ホームベーカリーBook―おうちで焼きたてパン (マイライフシリーズ 694 特集版)
- 荻山和也
- グラフ社 / 2008年1月1日発売
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パナソニックのホームベーカリーの1斤、1.5斤のものに合わせたレシピなので、パナソニックを持っている人にとっては大変に便利なレシピ集。
いくつかレシピを試したが概ね美味しくできる。
ただ個人的に難点だと思う点は、デジタルスケールを持っていることを前提として食材の量などが計られているため(通常、皆さん持っているとは思うが、中にはそうでない人もいるでしょう)グラム数のみでなく、大さじ、小さじに換算した表記も併記してくださっていたら、なおありがたかったと思う。
1g単位で計れるスケールを持っていない人にとっては、不便な表記である。ゆえに結局、私はこの後にデジタルスケールを購入した。
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2011年2月5日
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魯山人の食卓 (グルメ文庫 き 1-1)
- 北大路魯山人
- 角川春樹事務所 / 2004年10月1日発売
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取り立てて特別に驚きを誘う内容ではなかった。
当たり前のことを当たり前に述べている。
「鮮度の良い良質の食材を、適切に調理するのがよい」と。
しかし、昭和初期頃に書かれた内容であっても、十分に本質的に現代にも通ずる料理指南である点は立派であると思う。いや、むしろ食材は昔のものの方がはるかに美味であったかもしれないけれど。
ただ、私はこれを読みながら魯山人の孤独というものをひしひしと肌に感じた。これほどに「食」に対して執着するのは、つまりそれが無意識に幼少時の愛情の不足を補う術だったからではないか、と。
「食」は人をひととき幸福にする。そこに完璧さを求めた魯山人の姿から、虱にまみれた着物を着た寂しい男の子が見え隠れするようで、彼が「食」に対して真摯になればなるほどどこか読みながらやるせない思いがした。
2011年2月2日
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月山・鳥海山 (文春文庫 も 2-1)
- 森敦
- 文藝春秋 / -
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月山を訪れたことはないけれど、方言の美しさ、方言でこそ生まれ得る表現の手触りの良さに酔いしれた。ちょうど大晦日から新年を迎える日付の変わる時に、海を渡る船が新年の汽笛を低く伸ばしながら鳴らすのを聞きながら、この話を読んでいた。
雪景色の美しさ、雪の冷たさ。田舎の人々の優しさや素朴さだけではない強かさまで、しっかりとしたリアリティをもって描かれている。
月山をこの目で見てみたい、と思った。
短編で入っているカモメの話が好き。
2011年1月4日
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パウンド型ひとつで作るたくさんのケーク -しっとりパウンドケーキ、ふわふわウィークエンド、ごちそうケーク・サレ…et plus!-
- 若山曜子
- 主婦と生活社 / 2009年12月1日発売
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とても親切なレシピ集。
初めてパウンドケーキを焼いたが、なかなか良いものができた。
通常のグラム数だけではなく、大さじ、小さじなどの表記も併記されているのが親切。また、フードプロセッサなどを使用する場合、それがなくても代案としてどのように処理をしたら良いのか(たとえば下し金を使うとか)も表記されている点が、様々な読者を想定していて非常にありがたい。
2010年12月13日
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めくらやなぎと眠る女
- 村上春樹
- 新潮社 / 2009年11月27日発売
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これは、お見事な短編集。
村上春樹は、個人的には短編の方が好きである。
買って損はない。装丁も美しい。
悲しく、切ない、もやもやとしたものが読後に心に残るが、それでも村上さんの持つ世界観が数十ページの短編に凝縮されている。
濃い。
2009年12月19日
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魚河岸ものがたり (新潮文庫 も 31-1)
- 森田誠吾
- 新潮社 / 1988年7月1日発売
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思いもよらず、良かった。というと、大変失礼だが、作者のことを全く知らず、たまたま手に取った作品。
築地と思われる魚河岸で生きる人々の様々な人生模様を、短編の連作として描いた作品。短編として一つ一つは独立しているが、全体としてのまとまりがある。ところどころの伏線も上手いし、前話で登場した人物の別の一面が他の短編で覗けるという味わい深いつくり。
鰹節商店の二階で人目を忍ぶように生きる男が、毎朝の早朝の散歩でマグロ中卸問屋のフクちゃんと知り合いになる馴れ初めは微笑ましく秀逸。
完成度の高い作品。直木賞受賞にも、深く頷く。
2009年10月13日
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ニセモノはなぜ、人を騙すのか? (角川oneテーマ21 C 135)
- 中島誠之助
- 角川書店 / 2007年8月1日発売
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基本的に同じことが何度か繰りかえし書かれているので、もう少し構成はどうにかならなかったのかなとは思うが、骨董界の裏事情が垣間見えて面白い。
TV番組で飄々とコメントを述べている裏には、様々なご苦労があったのだなぁとしんみり。
2009年10月12日
面白い。
茶道を少しでも齧った人間であれば、茶道具の描写だけでも興味深く読むことが出来るに違いない。
また、構成も秀逸。利休が秀吉に切腹を命ぜられ、腹を切るその日から時代を遡って話は描かれ、語り手も利休、秀吉、家康、織部などと代わり、其々の語り部の章始めに場所や時代がメモ書きのように書かれていて、ルポルタージュのような様相を持っている。茶道になかなか詳しい作者であるが、同時にその知識をひけらかしているような胡散臭さもぬぐえない(笑)。
人物の描き方が、ややステレオタイプに見えるのが残念である。利休の人柄も、個人的にはどうもしっくりこなかった。しかし、作品としては良く書かれているし、構成も見事で、なるほど直木賞を受賞するのも頷ける。
それまで時間を遡って描かれていた小説が、最後に、ふっと利休の切腹の日に舞い戻ってしまうのがどこか「惜しい」気もするが、と同時に、そうせざるを得なかった作者の理由も読んでみると良く分かる。
表紙の装丁の、暗がりに浮かぶ一輪の花にも惹かれるものがあった。
少しでも茶の湯に興味がある方なら是非。
決して読んで損することはない作品である。
2009年2月19日
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Pen (ペン) 2009年 千利休の功罪。 2/15号 [雑誌]
- Hankyu Communications
- Hankyu Communications / 2009年2月2日発売
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「美しい」とは、こういうことか。
2009年2月4日
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幸福論 (角川文庫)
- 寺山修司
- KADOKAWA / 1973年1月24日発売
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あなたが、もっとも多く読書したのは、いつ頃だったと思いますか?
ーそれは軍隊時代でした
ーそれは刑務所時代でした
ーそれは病院時代でした
ーそれは学生時代でした
つまり、読書は「人生を何かによって閉ざされているときの代償体験」か、あるいは、「しばらく人生から、おりているときの愉しみ」だったのである。(P12)
おーお、修司ちゃん言ってくれるね(笑)。
返す言葉がありません。
私は確実に「後者」です(笑)。
2008年8月11日