カフカ短篇集 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 池内 紀 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 1759
レビュー : 153
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003243831

感想・レビュー・書評

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  •  先日平野啓一郎氏の「本の読み方」を読んだ。それに紹介されていたカフカの「橋」という作品を読み、他の短編も読んでみたいと思った。カフカと言えば「変身」「断食芸人」「城」などがあまりにも有名だ。だからこれまで私は他の作品に目が向かなかったようだ。「変身」や「断食芸人」は既に読んだので「城」はKindle版をダウンロードして読むことにする。

     この短編集には「橋」の他「判決」「流刑地にて」なども収録されている。これらもカフカの作品の中では注目されているようで、今回読むことができて幸いだった。

     全く短編集で、最短では1ページしかない。読み易いと言えなくもないが、主題が何なのかわからないものも多い。「橋」では平野氏の本にも出てきたし、訳者の池内紀氏の解説もあったので理解の手助けになった。橋が擬人化されているところが「変身」で目が覚めたら虫になっていたという筋と似ていて、カフカはこういう話が得意なんだと思った。

     またカフカ家の解説の途中に出てくる話に、アイス家の姓を決めるとき何という姓にするかと問われ、その人は
    Ich weiß nicht. (わかりません)
    と応えた、というあたりが何とも庶民的で好きだ。

     また最後に掲載されている「万里の長城」はある意味で面白かった。この大工場を進めるのに工区分割方式が採用され、全労働者が20名ほどの班を組み、500メートルの城壁を担当する。隣は別の班が担当している。完成したらすぐ隣の工区にかかるのではなく、ずっと離れた地域に移動するという。そうすれば移動中に他の班の仕事ぶりを見ることになり、次の自分たちの仕事の志気が高まったというのだ。これは本当かどうかは知らないが、これまで読んだ長城の建設に関する文献ではあまり議論されていなかったように思う。カフカはどうしてこんなところに目を付けたのだろうか。

     それが物語後半に語られていることには、自分たちの住むヨーロッパに当てはめてみたかったようだ。君主制というものを語りたかったらしい。洋の東西を問わずこのようなものだと。万里の長城はその話題のきっかけに過ぎないのに、私は長城への思い入れが強過ぎたために変に食い付いてしまったのかもしれない。

  • 借り物。
    友人からのリクエスト↓
    「読んだけれどワケがわからないので、解読して教えてほしい。」

    そんな、無茶な。

    • ダイコン読者さん
      まさかの認定!(笑)
      まだまだですよ!いつか真のカフカファンになれると・・・いいのかな?
      まあ、色んな本をまるごと許容できるようになれたらい...
      まさかの認定!(笑)
      まだまだですよ!いつか真のカフカファンになれると・・・いいのかな?
      まあ、色んな本をまるごと許容できるようになれたらいいな~と思います。
      2012/04/11
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「色んな本をまるごと許容」
      お薦めとしては
      切り口が独自な「カフカ・セレクション」全3巻 1時空/認知 2運動/拘束 3異形/寓意(ちくま文...
      「色んな本をまるごと許容」
      お薦めとしては
      切り口が独自な「カフカ・セレクション」全3巻 1時空/認知 2運動/拘束 3異形/寓意(ちくま文庫)と
      疑問符が増える可能性大な「夢・アフォリズム・詩」(平凡社ライブラリー)ですね。
      2012/04/13
    • ダイコン読者さん
      最早タイトルを聞いただけで謎めいてますね。
      nyancomaruさん、色々とありがとうございます*
      最早タイトルを聞いただけで謎めいてますね。
      nyancomaruさん、色々とありがとうございます*
      2012/04/15
  • なんでもっと早く読まなかったんだろう。
    面白かった。
    登場人物たちが心のなかであれこれ考えるその内容は、おどろくほど現代的。
    カフカに影響受けた人たくさんいるのわかる。

  • 2009年4月1日~2日。
     これだよこれ! と思わず大声で叫びたくなるのは、数日前に読んだ「カフカ寓話集」の面白味の無さに呼応してのこと。
     この「カフカ短篇集」を読むと「カフカ寓話集」は残りものを集めたんじゃないの? って疑問すら湧いてくる(強ち外れているとも思えないが)。
     各作品の面白さから解説に対する力の入れ方まで、なにから何までが雲泥の差としか思えないのだ。
    「カフカ寓話集」の冒頭に収録されていた「皇帝の使者」にしても、こうして「カフカ短篇集」の最後を飾る「万里の長城」に収まったこそ、その意図が明確になるのでは、と思ってしまう。
     やはりカフカは面白い。

  • 後味悪い作品が多い。
    よくわからない作品も多い。
    表紙には、難解とかかれているが、私はよく分からない作品は魅力があればよく分からないままでもいいと思っている。
    「箱男」でその魅力を堪能し、この本の前に偶然読んだ「砂の女」。摩訶不思議ワールドなら、断然安部公房の創り出す世界の方が私は好きだ。

  • ある上司が、カフカが好きだと真面目に言うので。飲みに行かずにこういうことを言うので、当たり前だが、印象がよくなる一方。最近カフカに見える。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「最近カフカに見える。」
      それって面白いね、、、
      「最近カフカに見える。」
      それって面白いね、、、
      2014/03/10
  • 何度読んでも完全に理解することは不可能だと思うが、なんとなく作品の中に引きずり込まれてしまう。

  • 記録。

    何個か良いのあったけど、
    途中で読むのしんどくなったー

  • 深読みをすると難解すぎ、ただ読み進めると面白味にかける。これは何かを喩えていると思わせる話もあれば、ただ当時の日常を話しにしたようなものまで様々。とにも角にも難しいに尽きる。ただ当時の人々の思考が生々しく描写されている。その思考は現在にも通じるものがあり共感を覚えた。
    掟の門の話が好き。

  • 古書フェア。難解といわれているカフカがこんなに味のあるものだなんて驚き。文章が短文でどことなく旧約聖書を思わせる。チェコ語で「カラス」を意味するカフカという名前も大好きだ。

    2013年3月 再読

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