- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041970119
作品紹介・あらすじ
せっぱ詰まってはいない。今すぐ誰かと結婚したいとは思わない。でも、人は人を好きになると「結婚したい」と願う。心の奥底に巣くう「結婚」をまっすぐに見つめたビタースウィートなエッセイ集。
感想・レビュー・書評
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再読。記憶なし。本棚に数多く在る本の中から、今の気分にあった一冊を、で、手にとったらエッセイでした。
結婚してみて、結婚は大して良いものではない!向いてない?もうこりごりだ…と思っていても、何故好きな人ができると「結婚したい」とか思ってしまうのだろう?
三秒後には、いやいや…と首を横に振ってるのに。
この「結婚願望」は厄介だ。などと思っていたので。
『どうしてひとは、こうも結婚願望から逃れられないのだろうか。』
『うまくいっている結婚は人が宿命としてもっている孤独を一時的であれ、忘れさせてくれるものなのかもしれない。』
『結局のところ、人が結婚したいと思うのは、世界中のほとんどの人は大人になると結婚してるからなんじゃないかと、今私は思う。』
『みんなしているから、結婚するのだ』なるほど
そもそも、こう小難しく考えること自体がナンセンスなんだろうか?成り行き任せでいい案件なのだろうか?
『どちらかが浮気をしていようと、何年もセックスしていなかろうと、家族がみんな概ね平穏に暮らしているならば、それはうまくいっている結婚だ。』ホントにそうなの?
『長い人生、何をしたらいいやらわからないから、人はとりあえず結婚でもして子供でも産むのではないだろうか。』との事。へ〜
『結婚生活は幻想でできているのか?じっとじっと我慢をしたその先に何かいい事はあるのだろうか?』
男友達がいると視野が広がる。男性の方が、冷静で論理的に物事を考えているんだな、と思う。共感。
愚痴や感情論で話をするには女子が最適だが、解決の方法を考えるには男性に聞いた方が良いと私も思う。
あとがきで、『好きな人とはやっぱり結婚したい。でも、したいと思うことと、本当にすることとは別のことなのだということが、やっと少し分かってきた。』とあった。
大いにうなづく、と同時に、別にしたくない(一緒でありたい!)と思ってしまった自分がいる。典型的な恋愛体質だと気付き、ショック。人間的に好きだと思える人とずっと一緒にいるにはどうしたらいいか…が、最大の関心事。
山本さんもこれを書いた後に再婚したそうで、人生ホントに先の事はわからないものだと思う。そして八十歳まで生きちゃうかもって書いてあっても、そうではなかった。やりたい事をやり、後悔のない生活を!と改めて思う。
結婚願望だけに特化していない内容もまた良かった。
自分を救えるのは自分だけ。うるっときました!頑張ろ! -
31歳で離婚した山本文緒さん、38歳の時のエッセイ。
未婚でも既婚でもない彼女だから書けたのだろうと思いました。
彼女は「自分に「一人で生きてゆく覚悟」と叩き込むためにこの本を書いたのだ」と思ったそうです。
でもこの二年後、39歳の3月に再婚されました!
知り合って二ヶ月の男性に求婚され、嬉しかったので結婚を決めたそうです。
再婚してみて「自分には「既婚であること」が実は向いている」と発見したそうです。
それは最新刊『無人島のふたり』で、よく存じております。
この本のなかで彼女は「85歳まで寿命があったとしたら」といろいろ書いています。
「今から老後(65歳)になるまでに28年。うわ、びっくり」
「85歳まで寿命があったとしたら、その後まだ20年生きなければならない。
そんな長い時間、何をして過ごそうか」
「長生きすることはおめでたいことというのが通説だが、
実際は過酷なことでもあるなあと私は思う」
『無人島のふたり』には死にたくない彼女がいました。
40前後の元気なときと、余命宣告された50代おわりと、こんなにちがうんだなあと思いました。
結婚したことが良かったのかなぁ。
本当に実際なってみないとわからないものなのですね。 -
結婚して、子どもを産む事が
女性としての役目であり正義であるって
固定概念にとらわれて
適齢期に突入するとそういう焦る気持ちに苦しみ
今まで学生時代も中の上、仕事もある程度
周りの期待に応えられてきたのに(誰にもプレッシャーを与えられている訳ではないが)
結婚に関して、こんなに遅れて、取り残されてるの?って悩んだ。
結婚してない=誰にも選ばれない=
惨めみたいな概念にも縛られて、、、
結婚が全てではないし、
私は結婚した子、小さい子がいてが見えていない世界を見えていること、これからいろんなで経験ができるチャンスもあると思う。
まだ、30歳、もう30歳。。。
ボーダーにいる今
この本を読んで少し楽になった。
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山本文緒さんの2003年のエッセイ。流石に昔の話すぎて、かなり現代の価値観から見るとおやっと思う描写も。なんやかんやいっていいパートナーに出会い、闘病生活も支え合ってたんだなあ。
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今の自分を「みじめだな」と心のどこかで思っていることが問題だったのか。と納得した。
少数派として生きるのは難しい。
ある年齢になると大多数は結婚して、子供を産んで、家を建てて…そんな生活が想定されている。
そこから逸脱すること(少数派でいること)は、すごく難しいのだ。
私は結婚しているけど子供が欲しいと思えない。
著者は結婚したけど離婚し、再婚した。子供は最期まで授からなかった。彼女の場合は欲しかったけれど、タイミングによるものだった。
この本の中ではまだ再婚していなかったので離婚後の独身を貫くことについて述べているが、"本来であれば結婚し、子供を育てる期間だったであろう時間を、どのように使ったらよいのか"、"仕事や趣味があればいいが、どちらもそこまで熱意はない。やりたいことがないのに1人で生き続けなくてはいけない"。そんな絶望感に思わず共感してしまった。
まさしく今の私(たち夫婦)が直面している絶望である。
私自身"子供を産みたいと思えない自分"をみじめに思ってしまっているのだと思った。自分の心が今の自分の在り方を許してないのだと思う。大多数でありたかったのに、少数派の生き方を選ぶ自分を自分で認められていない。
あまりに共感が強いので、文章がまとまらない。
また読み直して、感想を書き直します。 -
最近パートナーとズレ・摩擦が生じてしまって、
なんで結婚したんだっけ沼から脱出したいなーと思い、手にとりました。
本書は”寂しいけど、結婚したいけど、保証はないからひとりで生きる覚悟を決めるために理詰めで頭を整理した本”という感じ。
私は結婚しているからか、なぜ人が結婚するかにフォーカスされた1-3章より、その先にある人生を語った4章以降がぐさぐさ刺さった。
「人の心というのは柔らかいだけに、どんなふうにでも形を変え、時には凶器にもなりうる。— 自分の心に殺されたのだと思う。」
「— 心の筋肉は、他人と関わることでしか鍛えられないような気がするのだ。」
ん〜刺さる、、、まさに自分の心に殺されかけている。何度も殺されかけた経験から、心を守りたくて鎖国し、そして免疫のない心を作り上げている、、、。ぐさ。
1人じゃ生きられないのはわかってた、でも他人が怖くて、深く理解してくれるパートナーが嬉しくて、彼がいれば大丈夫、と寄りかかりすぎてた。
すごい重圧だっだろうな。
自分を救えるのは、自分だけ。
鎖国しすぎてたなあ。
心を守るため、と思ったけど、結果的に心を弱くしてたかな。
その点本は、傷つくことなくたくさんの別世界に連れてってくれるから好きなのかも。
まあなんか色々考えてしまった。
結婚に係るもやもやが頭をよぎる方には、自分の閉鎖的な思考に一石投じてくれる本。
おすすめ。 -
現代は結婚しなくても男女共に生きられる時代である。
ただ、共に生きる伴侶を見つける喜びと、その心強さは唯一無二で、精神的な安定にも繋がる。
だからこそ、人はパートナーを求めるのだろうな。
色々好き勝手言っている著者は、結局パートナーを見つけて2度目の結婚をする。
既に他界している彼女の残した言葉は、置き土産のように、鋭く胸に突き刺さってくる。 -
友人にずっと勧められていた本をついに読破。私自身に結婚願望がないことから、友人は私に勧めてくれたらしい。
そして気がついた、私、結婚願望が全くない人間ではないと!山本史緒先生が作中で「手相占いで52歳で結婚できるかもと聞いて、不覚にも喜んでしまった」とあるが、私も結婚できるかもと言われたら喜んでしまう、、、独身を貫くという固い意志で結婚願望がないわけでなかったらしい、、
作中では、史緒先生の結婚に対する考え方や独身として生きる心構えを話している。少し古い考え方もあるが(ほとんどの人が結婚してるとか)、読みやすく、色々な人に読んでもらいたい本だと思った。そして、出来るのならば、感想を聞かせ欲しい(私との捉え方の違いを知りたいなと)!と思うような作品でした。
コメントありがとうございます( ◠‿◠ )
イイですよね!元OLさんだったので親近感も湧きますし、知らない自分の一面に気付...
コメントありがとうございます( ◠‿◠ )
イイですよね!元OLさんだったので親近感も湧きますし、知らない自分の一面に気付かされることも多いです。
元気出たなら良かったです!