ブレイブ・ストーリー(下)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (659ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048734448

感想・レビュー・書評

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  • 王道の冒険物って感じ。
    母と離婚し愛人の元へ行ってしまった父を取り戻すために冒険を始めた亘。でも愛人のおなかの中には子供もいる。亘、それは無理だよ、と思ってしまう。でも主人公が小学生ならそうなのかな。

  • 『人の心は底なしの入れ物だ。
    なんでも入る。
    いつでも取り出すことができる。』

  • 一気に読みたくなる長編ファンタジー。非常におもしろかった。意外に残酷な描写も多い。アニメはだいぶ触ってるみたい。本の方が断然おもしろい。

  • ワタルの旅は終わった。ミツルという存在を消され、現実は何も変わらないままに。
    ワタルが最後に願った幻界を守る、という選択肢は、確かに運命を変えることはできないだろうけど、自らの心は守ることはできたように思う。というのも、幻界というのは「想像力をエネルギーとした世界」なのだから、憎しみを映しワタルの差別する気持ちも写しているというのなら、心そのもののようだった。
    幻界の成り立ち、包囲している負の世界、ワタルが乗り越えて行く数々の困難には、涙ぐんで傷つきながらも立ち向かうワタルとその仲間たちに思わずがんばれ、と言いたくなった。
    ワタルは運命の塔へと辿りつきミツルと対決することになる。しかしミツルは最後の試練に打ち砕かれてしまう。ミツルが最後まで報われないのが悲しい。どうか幸せになってほしいと思いながら、それでも光の粒になっていったミツル。最後に迎えに来てくれた妹がいたのは救いだったかもしれないが。ミツルがなりふり構わず他人すらも蹴落とし踏みつけて進んできた願いへの道は、達成されることもなく潰えた。それはワタルが正しいという証明に他ならないが、ミツルが間違っていたという証明にもなり得る。仮にミツルが願いを叶えてワタルが人柱になったとしても、ミツルは幸せだと信じるだろう。なりふり構わず目的を達成するためにまい進したように、なるべく考えないように手に入れた幸福を享受するだろう。願いを手にして、自分が幸せでない方がおかしいとすら考えるだろう。それはとても苦しいことだろう。だったら人柱になれて良かったのかとは言わない。
    ワタルにとっての現実も、幻界に来る前から何も変わらないままだ。父親は出て行ってしまったし、母親は憔悴しきっている。けれど確実に違うのはワタルが成長したということ、「自分を変えた」ということだ。きっと現実ではどうなろうと、ワタルは大丈夫だ、という自信を読者には与えてくれる。
    あとがきで大原まり子さんが述べていたように「ブレイブは宿っただろうか」と考える。彼のように成長していくことは、本当はずっと難しい。ゲームのようにレベルアップ要素があるわけでもないし、宝玉がひとつづつ目に見える形で増えてくれるわけでもない。実際には辛い毎日の繰り返しだし、成長しているように見せかけて、実は退行したり退化していることもある。だから自分を変えようと改めて思ったとしても、実際にそのゴールはない。けれど、それを問いかけてくれることは、この作品の一番の魅力だと思う。「ブレイブは宿っているか」答えられるようになっていける、答え続けることはできるのだろうか。

  • これ、本当に大好き。ありがとう。

  • 運命を変えるってどうやるんだろうかと興味があったが、結局運命は変えなかった。

    自分が成長しなきゃ意味がない、という結論を導き出せた主人公。でも時間が経ったら旅のことは忘れちゃうの?!おやおや。

    幻界は現実の人から生まれる。その絡まり具合は良いな、と思ったので、最後まできっちり辻褄合わせて欲しかったなぁ。

    主人公に最後まであまり魅力が感じられなかったのも残念。また辛いことが起きたとき、旅のこと忘れちゃっててもちゃんと乗り越えていける?!
    心配だ。

    ミツルパートと幻界の歴史の話は面白かった。

  • 穏やかな生活を送っていた少年ワタルに、両親の離婚話がふりかかる。そしてあることをきっかけに運命を変えることのできるヴィジョン(幻界)へと旅立つことになる。
    同じ世界は旅は出来ない筈であるのに、同じ世界のもう一人の旅人であるミツルは時に助け合い、反目しあいながら旅を続ける。そして、二人が対峙するシーンが切なかった。人柱のシステムはやはりちょっと無くなって欲しいと願わずにはいられない。
    現実世界での"ミツル"が転校した――とあったが、本当はどうなったのか、少し気になった。ワタルはいつか幻界のこともミツルのことも忘れてしまうのだろうか。そうだとしたら寂しいと思う。

  • おもしろかった。
    なるほど、そういう結論に持って行くのね。
    良かった。深かった。
    もっとも!と思えた。人生の教訓となる。
    でも、ワタルやミツルはちょっと大人過ぎやしないか?小学生らしくなかった。

    現実に戻ってきてからの美鶴の消息が中途半端だったのがちょっとスッキリしない感じ。

    でも、亘の家族もなんだかんだでハッピーエンディングになって良かった。

  • 長かったー。久しぶりにこんな長編読んだ。

  • ネバーエンディングストーリーを彷彿とさせる、子供から元子供まで皆で楽しめるファンタジーの王道。少年を冒険へと誘う異世界への入口は案外僕らのすぐ近くに開いてるものなんよね。なんかね。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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