宿命 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 19108
感想 : 1454
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854444

感想・レビュー・書評

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  • 5に近い4です。
    ミステリーなんだが、いや、確かにその要素もしっかりあるんだが、それよりもタイトルの『宿命』。
    なるほど、宿命だなぁ。どちらかというと、そっちの方が主になってて、そちらを書きたくて書いたミステリーって感じだ。

  • 最後の方に晃彦の人間味が見れてよかった。
    最後の一文も秀逸。

  • 東野圭吾さんの初期の長編小説を読みたいと思い、タイトルに惹かれたこの作品を読み始めました。

    この作品の前に超長編の2作品を読み、その前にも同作者の様々な作品を読んできた経験から、初期の作品なら犯人やトリックも分かっちゃうじゃない⁉︎

    …と根拠のない自信から読み始めたのですが、全く分からなかったどころか、この作品の肝は犯人やそのトリックではない部分にあったのだということを終盤で突きつけられ解説で見せつけられました!

    流石でございます東野圭吾先生…(土下座

  • 少年時代からなぜか張り合い合う2人
    その2人が大人になり、今では刑事と容疑者
    一体この2人はどんな糸で結ばれているのか

    予想外の展開で読み進んでいくうちにどんどんハマっていきました。とても面白かったです。

  • 少しずつ読んでいくはずが、続きが気になり読み切ってしまった。
    東野圭吾さんの作品を読み始めて今回が8冊目くらいになる。多分。
    今回読み終えて感じたのですが、この方の作品は物語の終わりにタイトルを持ってくることが多いんだな〜と。でも最後に持ってくることでその意味がとてもしっくりきます。
    この作品のタイトルは『宿命』
    最後に「彼」が言った宿命という言葉は、この物語の真相を追う主人公勇作にも当てはまるのではないかなと読んでいて思いました。
    父親の雪辱を果たすのも、「彼女」の死因を追求するのもきっと勇作にとっての宿命だったのかもなぁ。そうなると勇作が警察官になったのも運命だったのかもしれない…そう考えると深い言葉な気がします。
    あと勇作は「彼」に勝てないと言っていたけど、勝つために必死に努力するその姿は誰にも負けてない。努力を惜しまない勇作は個人的にカッコいいやつだなと思った。

  • 最後に覆される感じが面白かった。
    少し奇妙な感じもした。
    タイトルの意味は、そういうことなのかと。

  • 高校時代の初恋の女性と別れた後に警察官になった青年と、その女性の現在の夫であり、学生時代のライバルだった相手との宿命の対決を描いたミステリー小説です。本書は東野圭吾さんの作品らしく、読者を惹きつける展開と衝撃の結末が待っています。

    和倉勇作は、幼い頃にレンガ造りの病院で出会った瓜生晃彦と、小学校から高校まで同じ学校に通いました。晃彦は、勉強もスポーツも万能で、裕福な家庭に育った才能あふれる少年でした。勇作は、晃彦に劣らないように努力しましたが、いつも一歩及ばず、ライバル心を燃やしていました。そんな中、勇作は、美佐子という女性に恋をし、美佐子も勇作のことが好きで、二人は付き合い始めました。しかし、勇作は受験に失敗して警察官を目指すため、美佐子に別れを切り出します。一方、晃彦は医師になり、その後、友作と別れた美佐子と結婚したのでした。それから時は流れ、警察官となった勇作は殺人事件の捜査にあたります。その事件の容疑者として現れたのは、なんと晃彦でした。勇作は、晃彦が犯人だと睨んで捜査を進めていきます。そして、事件の真相に近づく中で、自分と晃彦の宿命にも迫っていきます。

    この本のテーマは、「宿命」という言葉に象徴されています。宿命とは、運命や因果のことで、人の生涯に起こる出来事や選択肢があらかじめ決まっているという考え方です。この本では、和倉と瓜生の二人の人生が、幼い頃に出会ったことで、不可避的に絡み合っていく様子が描かれています。二人は、同じ女性を愛し、同じ事件に巻き込まれます。しかし、二人の立場や選択は、常に対照的であり、対立的でもあります。二人は、自分の宿命に抗うことができるのでしょうか?それとも、宿命に従うしかないのでしょうか? この宿命の問いに対する答えを、本書は最後の一文で見事に提示してくれています。

    私は、この本を読んで、とても楽しめました。東野圭吾さんの作品は、いつもハラハラドキドキしながら読むのですが、この本も例外ではありませんでした。事件の謎解きはもちろんのこと、和倉と瓜生の二人の心理描写や対話も魅力的でした。二人の関係は、敵対だや緊張感だけでなく、時には友情や尊敬もあり、二人の運命がどうなるのか、最後まで気になって読み続けてしまいました。そして、最後の一文は、この本のすべてを象徴するような、深い意味を持っていました。実際に作者は、ラストの一行にいかに持っていくかで綿密な計算を立てて本書を執筆したのだと、巻末のインタビューで語っています。

    宿命という重いテーマを、軽妙なタッチで描いたこの本は、読んでハラハラさせられるだけではなく、考えさせられる一冊でした。

  • 一度読んではいたが、ほとんど忘れていたため再読。

    事件と宿命の二軸で話は進み、最後は宿命について明かされるという展開。
    東野圭吾さんの作品は伏線が至る所にあるが、しっかり回収されるため先が気になる。

    勇作と晃彦が共に美沙子に惹かれたのはやはり双子だからか。

    最後の一行に晃彦も常に勇作を追いかけていたのかなと思うとなんとも言えない余韻があった。

    思い出補正もありますが、小説の魅力を教えてくれた作品です。

  • 物語が進むにつれて晃彦が犯人では無いことは考えておりましたが、いろいろ散りばめられた謎をどのように回収するのかを楽しみに読み進めました。
    生まれた時からの宿命をお互いに全うするお話になります。

  • 子供の頃からライバル関係にあった2人が
    大人になって再会する数奇な物語。

    初恋の彼女が、
    自分のライバルの奥さんになっていた時の心境は
    計り知れない。

    サスペンス要素も面白かった。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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