- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062736985
感想・レビュー・書評
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薔薇屋敷あるいは月夜邸と呼ばれるその屋敷には、オオカミ男が出るという奇妙な噂があった。瀬在丸紅子たちが出席したパーティの最中、衣服も引き裂かれた凄惨な死体が、オーディオ・ルームで発見された。現場は内側から施錠された密室で、床一面に血が飛散していた。紅子が看破した事件の意外な真相とは。
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保呂草何なの❗️紅子の心は盗めないよって勝手に思ってしまう。
もっとお子様チームの出番が増えてほしいけどトリックに集中できないくらい別の謎に夢中です。 -
御屋敷の設定は好き
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森博嗣のVシリーズ第3弾。
“オオカミ男が出る”と噂のある巨大な洋館で、パーティーの最中に参加者の死体が発見、凄惨で密室状態な現場、事故か事件か?それとも自殺か??
って聞くと王道な展開のミステリですが、Vシリーズのキャラ達が絡むと妙にコミカルな仕上がりに(^_^;)
密室のトリックがちょっとアンフェアな感じでしたが、まずまずの読後感でしょうか・・・後半は一気読みでした。 -
Vシリーズ第3弾。
S&Mシリーズの「笑わない数学者」ばりのトリック
相変わらず推理はできないけれど、トリックに物理が絡むと
余計にわからないです。
出だしからオカルト系の雰囲気をにおわせてたから
このシリーズではそっち系もありなのか?と期待したけど
「プレジョン商会」がアナグラムになってるとか
それぞれのキャラ達のこととか、事件以外のところで
楽しんでしまいました。 -
2015.5.1読始
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ミステリー的にはどうなんだ?という結果ですが、キャラクター的には有かなという感じでした^^アパートにも新しい人が来てこれからまた楽しみです。
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幽咽(ゆうえつ)って変換してもでてこないよ。本当にある単語なのかな?
事件の真相的には本格ミステリから考えれば「そりゃなしでしょ!」って突っ込みたくなるけど、
紅子さんとかその他キャラの魅力や思想あたりで「ありかな」って思えちゃう。
本作の哲学的サブテーマは意識と無意識、かな。 -
20150327
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オオカミ男が出ると噂される不気味な屋敷。
密室にて部屋中を引きずり回された死体。
人間技とは思えない凄惨な殺害現場。
獣の行動には意図も作意もない。
人間にはそれがある。
どちらが恐ろしい?
「死なせる」と「殺す」との間にある意図と作意。
偶然と必然を分けるもの。
シンプルでシャープでスパイシィな瀬在丸紅子のVシリーズ3作目。 -
【内容(「BOOK」データベースより)
薔薇屋敷あるいは月夜邸と呼ばれるその屋敷には、オオカミ男が出るという奇妙な噂があった。瀬在丸紅子たちが出席したパーティの最中、衣服も引き裂かれた凄惨な死体が、オーディオ・ルームで発見された。現場は内側から施錠された密室で、床一面に血が飛散していた。紅子が看破した事件の意外な真相とは。】
再読。
プレジョン商会は分からなくて調べた。
タイトル好き。
紅子さんと祖父江さんのピリピリした会話が癖になる。 -
保呂草さん、みんなをまきこまないで(笑)
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再読。カーみたいに雰囲気を楽しむ感じかな。といえるほどカーの作品を読んでないが。前に読んだときは素直に受けとめちゃってたけど、セリフとかでかなり大胆に真相を掠めている。
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3人の無礼講紀行at事件現場の台所が笑えてしまう。
紅子さんと七夏さんのぐさぐさ具合がたまりません。普段こういうツボは、大体児童文学~YA止まりなのですが、特殊な状況のため、年齢高くて貴重だな、と。他にあるでしょうか。
いいなぁオスカー。 -
Vシリーズ第3弾。二度目の再読。
トリックは大掛かり過ぎてちょっと・・。
小鳥遊君のアクションシーンは必見かな。 -
いつになくスリリングな展開。先が気になってリズムよく読める。謎解きシーンは圧巻のトリックと驚きもあり、期待をもってこのシリーズを読み進めそう。
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珍しく、非科学的!と思ったのが正直な感想でした…が、それも意図的かどうかは別として、私の思い込みで、勝手にトリックに引っかかっていた気がしました(^◇^;)
相変わらず面白いです☆ -
すっと読めておもしろくて難しいところもあってけどとても良い時間だった。
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Vシリーズ3作目。淡々とした内容の中にギャグあり、バイオレンスありで読者を飽きさせない内容。
だた、物語の中心となるべきミステリーが、やや「後出しじゃんけん」気味で「....これなら何でもありジャン」とも感じる。
しかし本作の中心はミステリーそのものではなく「思考の反転」と考えれば面白い。 -
Vシリーズ第3弾。
表題と英語のサブタイトルがとても素敵。
「幽咽」なんて言葉よく考えつきますね。
今回もあいも変わらず例の四人が事件に巻き込まれます。
中身もおなじみの館密室殺人。
けれども読み終えた後もトリックとかそのあたりにもやもや…このもやもや感もまた「幽咽」って感じなのかもしれませんね。 -
まず。
巻末に解説を書かれる皆さんは、なぜ言い訳から始める方が多いのでしょうね。
それはさておき。
今回は浅い…謎解きも掟破り。物語も進展したとは言い難い。少し物足りなく思いながら読了。シリーズの中休みといったところかな。 -
S&Mシリーズに比べると、やはり今回もふわっとしているというか...少年探偵団感が拭えない。とはいえ、まだまだ秘密を持っていそうな保呂草の今後には期待。
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再読。
恐らく、Vシリーズは断片的に合計で2作品分くらいしか記憶に残っていないんだろうな。
そのくらい、表層に出ている部分は何でもない。
読み終わってタイトルを見て、あぁ、ちょっと素敵だな、と。
へっ君がマトモに喋ったのはこれが初か。 -
トリックは、うん、よく分からん。でも問題なし。
保呂草さんの謎の暗躍。 -
Vシリーズの3作目です。
私としては、3作目にしてようやくこのVシリーズに慣れてきたし、ハマってきた気がします。
もちろん前2作もおもしろかったんですが、どうも序盤が読みづらいというか、中盤あたりまで読むのに時間がかかったんですが、これは最初からほぼ一気読みでした。
『月は幽咽のデバイス』というタイトルがなんか好きです。
何となく美しい言葉な気がします。
と言っても最初は幽咽の読み方も意味も分からなくて、ふりがな見るまで「ゆういん」だと思ってたんですが(笑)
意味を調べてみたら「すすり泣き、かすかな水音」という意味らしいです。
「月はすすり泣き(かすかな水音)の装置」ということでしょうか?
やっぱり美しいです。
英題の方も詩的な感じがして好きです。
ストーリーは、おもしろいけどちょっと物足りない感じもします。
私的に真相も、あぁそうなんだ…っていう感じです。
意図していないことでも、理由とか意味を見出そうとしてしまうっていうのは納得ですね。 -
『森川素直には幾度か会ったことがある。名前のとおり、大人しく素朴な若者で、欠点といったら、大人しく素朴過ぎる点くらいしかない、と思われた。』
「紫外線の吸収について話しましょうか?」
「あ、いいえ ー あまり聞きたくないわ」
「私、邪魔? ー もしそうなら、お屋敷で待たせてもらうけど」
「まさか ー すぐそこに喫茶店があるの、そこでコーヒーを飲みましょう。紫外線以外の話なら、なんでもOK」
「ええ ー じゃあ、赤外線についてね」
「偶然ですって? ー まあ、素敵な偶然だわ」
「偶然のうちの半分は、人の努力の結晶です」
「素敵な努力だわ」
「わりと努力するのが好きなんです。ええ、どういうわけか。子供の頃から、お前は努力家だってよくお袋に言われました」
「素敵なお母様だわ」
「紅子さん、やめて下さいよ」
「勘違いしないでね ー ちょっと高級なお酒が飲みたくなっただけです。私、貴方には興味はありません。保呂草さんがどこかの国の王子様でも、働き者の便利屋さんでも、ハードボイルドを地で行く探偵さんでも、それとも、たとえば泥棒でも…、私の知ったことじゃないのよ。貴方はね、私の飲んだお酒のお代を支払う。そのために地球にいるの。それを忘れないでほしい」
「ピアノが弾けるんですね?」
「あれは、誰でも鍵盤を押せば音が出る機械なのよ」
「僕たち、国立公園みたいな、もうとってもクリーンな交際を続けていますので、もしも、どっちかが妊娠したときには、その人がマリアさまです。」
「ごめんなさい、私、ちょっと今夜、頭が痛くて。こういうときって、何かを壊したくなりません? 何でもいいから、近くにあるものを叩き壊してしまいたいの」
「ええ ー そういうときも、ときどきあります。壊す相手が人間だったりすることも、たまに…」
「あら、祖父江さんも頭痛持ちでしたの? ー 意外に上等な頭をお持ちですこと。どうか、事件を早く解決するために、有効にお使いになって下さいね」
『本当は、動物の中で人間が一番恐ろしいのだ。
間違いないだろう。
人間さえいなかったから、恐いものはない。
お化けはみんな人間だ。
化けものはみんな人間だ。』
「面白い人ね、貴方」
「あ、ようやく気づいてもらえましたね」
『こんな気持ち、きっとガラスみたいに脆いはずだ。
手を離せば、落ちて、粉々になる。
何故、持ち続けているのだろう?
こんなみっともない気持ちを。』
「いろいろ検査して情報が集まってくれば、もう少し詳しい議論ができるようになるかもしれません」
「そうかしら…。新しい情報だけで、新しい発想があるなんて、思えないわね。情報は思考を限定するだけです。」
「どんな状態になろうと、誰も、私を哀れむことはできません ー 私が私を哀れまないかぎり」
「僕がケーキ持っていること、忘れているでしょう?」
「おお、そやった ー 勘弁して。もうしません。このとおり」
「ふふ… そうか、世の中、結局はケーキなんだなあ」
「あれはさ、絶対この世の力ではないもん」
「この世の力ではない力って、どんな力?」
「そりゃ、鬼のようにごっつい不思議な力やわ」
「力っていうのは、この世のものなの ー 加速度と質量をかけたものが力」
『自分が不幸だと思わない。
自分は常に最善の道を選択したのだから、今よりも幸せになれなかったはず。
過去のどこを探しても、間違いはなかった。
どこへ戻っても、きっと同じ道を選ぶだろう。』
「月が出ているかしら?」
「ええ…、たぶん、どこかには出ているでしょうね ー 問題は、見えるか見えないかです」
「見るか、見ないかだわ」
『そんなことはどうでも良かった。どうでも良いことで夜はできている。』
『「着いたら、起こしてね」
「ええ ー あの、どうやって、起こしたら良いですか?」
「キス以外の方法で…」紅子は答える。
ふと、保呂草の方に顔を向けたくなった。
彼女はいつの間にか微笑んでいる。
自分でもそれが不思議だった。
「きっと、キスなんかじゃ、私、起きませんから」』