十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.05
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本棚登録 : 10934
レビュー : 1234
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758574

作品紹介・あらすじ

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!'87年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。

感想・レビュー・書評

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  • 綾辻行人さんの本、初めて読んだ(今更ながら)
    個人的には、これめっちゃ面白いやん!状態。

    最初は"そして誰もいなくなった(クリスティの)"っぽいのか?とか、ミステリー研究会のメンバー同士、有名ミステリー作家のニックネームで呼び合うので脳内が混乱したし、実際の殺人事件に入る前までの前置きも、少し長いし。。。

    ただその後からが、本当に面白くて。
    孤島に出かけた研究会のメンバーの相次ぐ殺人とその犯人探しの謎解き、それとは別に同時進行していく本土に残った人間の謎解き。
    その両者がクロスした時、バラバラに進んでいたかのように見える物語が一本の線になる。

    途中で、コイツ、ひょっとして。。。と思う事はあったものの、そんな訳ないっかー!と思い直して読み進んでいった結果、私はまんまと真犯人に騙されたのである。
    く、悔しい。。。

    本の帯に"たった1行"が世界を変えた!とあるが、まさにその通り。動機、トリックどれを取っても、マジかー!と思わずにはいられない作品。

    まだ読んでない人は、ぜひ!

  • R1.8.29 読了。

     孤島「角島」の十角館で次々起こる殺人事件。犯人の動機はいったい何だったのか?
    犯人が分かって殺人計画から実行までを回想していたあたりもハラハラドキドキでした。とても面白かった。
    さすが名作ですね。

  • 小説にハマったきっかけとなった本です。
    読んだ後に超有名だと分かりました。
    超有名である理由がよ〜く分かります。
    この本ははまさに「衝撃」と言っていいでしょう!
    ただ、あまりの衝撃にこの後に読んだ本が物足らない感じるくらいです。まさに名作中の名作です。
    まだ未読の方は是非ご覧ください!


  • 日本ミステリ界で名高く、ずっと読みたいと思っていた本。ネタバレをシャットダウンして26年間生きてきてよかった。
    孤島、奇妙な館、殺人事件の過去…満点の設定に、読んでて怖くて続きを読みたくなるストーリー、ありきたりな殺人事件だと思わせて読者をアッと言わせる結末。殺しの手口や計画の周到さはともかく、読者を驚かせることに主眼を置いているなという感じでした。

    このシリーズの続きもぜひ読みたいと思いました。

  •  狂気に捕らわれた一人の人物のモノローグから、物語は始まる。
     大学のミステリサークルに所属する7人は、かつて、奇才の建築士中村青司、最愛の妻、そして使用人夫妻の4人が青屋敷という館の焼け跡で見つかり、庭師1人が行方不明となった事件の発生した角島、青屋敷の離れである十角館を訪れる。ミステリ好きの興味をそそる過去の事件、異様な佇まいの十角館、本土のサークル員らの家に届いた中村青司からの手紙。
     そして、1人ずつ、ミステリサークルのメンバーが殺されていく。犯人は自分たちの中にいるのか、それとも、中村青司が生きているのか。
     人里離れた洋館、真相が闇に包まれた過去の事件、そして誰もいなくなっていく…。著名な海外ミステリへの敬意溢れる、古典的ミステリの潮流を包括するストーリー。



     「綾辻以後」、そう言われて然るべき小説だと思った。
     あの人物が自らの名を名乗った時は、瞬間、頭の中がパニックになった。あれ、似たような名前の人が島にいたよな!? じゃなくて…!
     ミステリサークル員らが、古典的海外ミステリ作家の名を渾名として持っているという設定は、古典的ミステリへの敬意だけではなく、よもや最も強大な読者に対するトリックだったのだ! サークルで本名からかけ離れた渾名で呼び合うというのはわたしにとって親しみあることだったので、プレビュー等で言われていたような違和感は全く感じなかったし、最後まで読み終わって、やられた! とすっきり驚かされるばかりだった。

     何度も登場人物を確認しなくてもスッと入ってくるキャラの立った人物設定で、ただの仲良しの集まりではない彼らの微妙な関係も彼らの年代にそぐうものだと感じる。
     登場人物たちの描写、本土と島での話が交互に描かれるよく練られた構成、矛盾のない流れと展開、何より大胆かつ予想外のトリック。全体の中盤あたりまで殺人は行われないにもかかわらず全く飽きは来ず、読み返してもまた楽しめる内容。これがデビュー作なんて! 読書数は少ないけれど、今まで読んだ作家のデビュー作の中では一番素晴らしいとわたしは思う。

     動機については弱いように感じたが、果たしてしかし、ここまで大がかりで大胆で緻密なトリックを考え実行してまで6人もの人間を殺すに足る動機というものがあるのだろうか、という疑問に駆られる部分もある。だが、直接手を下したわけではない彼ら、しかも自らの友人たちを殺す動機としては、やはり希薄だと思わざるを得ない。

     わたしは、エラリィの「推理小説は、…読者対名探偵、読者対作者の刺激的な論理の遊び――それ以上でも以下でもない。だから、一時期日本でもてはやされた“社会派”式のリアリズム云々は、もうまっぴらなわけさ。…ミステリにふさわしいのは、時代遅れと云われようが何だろうが、やはりね、名探偵、大邸宅、怪しげな住人たち、血みどろの惨劇、不可能犯罪、破天荒な大トリック……。絵空事で大いに結構。要はその世界の中で楽しめればいいのさ。但し、あくまで知的に、ね」といった考えに全面的に賛同はしない。わたしは社会派ミステリも好き。
     でも、この本は素晴らしい! と言いたい。確かに、その世界の中で楽しむ、という意味では、現実的な設定の上で血みどろの惨劇が行われるより、エラリィのいうような時代遅れのこれぞミステリな設定で知的なトリックと推理の披露がなされる方がずっとずっと良い。
     この本はまさしくエラリィの言う定義にぴったりと当てはまっている。とても楽しめた。
     この作者さん、凄い。館シリーズ、読み進めていきたい。

  • 本格派のミステリー、87年に書かれた小説であり、名作と言われる所以を理解した。
    登場人物が互いを海外のミステリー作家で呼び合っているが、僕自身も大学時代に文芸部に所属し、お互いを少し変わったあだ名で呼び合っていただけに特に違和感なく、受け入れてしまっていた。
    それこそがミスディレクションへ繋がるとは。
    加えて、章ごとに本土と島と分かれており、読んでいる最中には舞台である島だけで十分だろうと感じていたが、これも意味があった。
    ただの一言でこの小説の無駄と思われていた部分が全て意味のあるものに変わる、また、最後の引き際も探偵が推理するというある種、テンプレート化されたものじゃなかったことも心地よい。洗練され、完成されたストーリー。

  • 日本ミステリー界で名高い本格派推理小説。孤島で起こる連続殺人事件。
    小説ならではの叙述トリック。どんでん返し。
    まんまとだまされた!いやぁ面白い!!
    「そして誰もいなくなった」の読者ほどだまされるかもしれない。
    続きが気になって一気に読んでしまった。
    結末に近づいてきて現れた例の1行。
    その1行が目に入ってきた瞬間驚き、戸惑い、悲しみ ありとあらゆる感情が押し寄せてきた。
    たった1行で文字通り世界が変わった。
    戻って何度も読み直して確認したくなった。
    これが著者のデビュー作とは改めて驚かされるほどの完成度。
    他の館シリーズも読みたくなった。

  • これはおもしろい。
    これまでこの作品を読まなかったことを後悔しています。
    ラスト近くで真相が判明したときの胸の痛さは初めての経験でした。

  • 辻村深月さんが、この本を好きという記事を見てからずっと気になってて、やっと読めました。
    私も綾辻ワールドに1歩足を踏み入れてしまった~という感じ。
    凄く面白かったです。ページの使い方うまい!まさかの犯人。
    思わず又前からざっと見直しちゃった。

    何人も死んでしまったりとミステリーは怖いんだけど、読書というかたちでは面白い。
    綾辻さんの小説、いろいろ読んでみよう。

  • 約30年以上前の著作ゆえ既にミステリーの古典的名作といってもよいだろう。であるのになにゆえ一切映像化されていないのかと不思議に思った。読み終わってなるほどそういうことかと分かった。本作は極めて優れた「ミステリー小説」だったというわけだ。

    ★4つか5つかで迷ったが人間描写にやや弱さがあり★4つ。しかし構成は素晴らしくミステリーとしては間違いなく5つだ。たまたまミステリーは読む機会が少なかったがこうした良質な作品と出会うと他のミステリーの名作も読みたくなってくる。旧装版と新装版があるが、あの衝撃の一行がページ見開き後にくるよう計算されているので、絶対に新装版で読んでいただきたい。

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著者プロフィール

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部在学中、京大推理小説研究会に所属。研究会同期に、後に結婚する小野不由美がいる。1982年、同大学大学院教育学研究科に進学。1987年、大学院在学中に『十角館の殺人』で作家デビュー。講談社ノベルス編集部が「新本格ミステリー」と名付け、その肩書きが広まった。1992年大学院を卒業後、専業作家に。
1990年『霧越邸殺人事件』で「週刊文春ミステリーベスト10」1位。1992年『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2011年『Another』で「ミステリが読みたい!」1位。2018年第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。
主な代表作として、デビュー作『十角館の殺人』以来続刊されている、長編推理小説「館シリーズ」。

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