スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765572

感想・レビュー・書評

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  • 前編と違い面白かった。
    謎だったコーキの天使ちゃんの正体が分かり、とても驚いた。前編で環の過去について触れていたが、後編で環の過去がコーキの視点で書かれていた。前編でうまく事が運び過ぎているのではないかと思っていたが、後編を読んで謎が解け納得した。
    環やコーキの互いに対する不器用な愛がよく伝わる。もどかしく感じハラハラドキドキさせられた。2人の気持ちがお互いに伝わり報われる事を願わずにはいられない。
    環は母のせいで不遇な学生生活を送っていたが、コーキの小説を読むことをとても楽しみにしており、それを生きる糧としている事に深く共感する。私も辛い時には小説を楽しむ事によって気を紛らわせていたので気持ちが痛いほどわかった。
    最後はそれぞれの登場人物のその後が書かれていた。読後爽快感があり、暖かい気持ちに包まれた。

  • もっと早く読めば良かったー!!
    評判良いのは知ってましたが、いやぁ本当に面白かった!
    それぞれの道で夢を追う若きクリエイターたちの頑張る姿。友情に胸が熱くなります。
    山あり谷あり色々あるけど…やっぱり仲間って良いなぁ。

    上巻は穏やかな展開。
    下巻での怒涛の伏線回収では気持ちが揺さぶられっぱなしでもう涙、涙、涙…。
    ラストは愛に溢れてて胸がいっぱい♪
    爽快感、多幸感いっぱいのラスト!
    読後しばらく余韻に浸りたくなる1冊です。

  • 凄く好きな本になった。
    環が出展した「ボルトマウス・サッカとカシオペア・ガカの物語」を観たい。
    「レディ・マディ」や「V.T.R.」、チヨダブランドを読みたい。

    「ハイツ・オブ・オズ」ケーキ食べたい。

    スーの「人魚」の絵 みたい。


    お絵かきロボットと、人間の少女の恋の話、「ヨーヨーラッシュ」読みたい。
    「ステキ ナ フタリ」「鋏虫」観たい。

    そう思ってしまったお話!

  • 強く生きる。
    それは人生を孤独に闘う魂の姿だ。

    強く生きる。
    それは光を放ち、誰かの心に届く。

    心は鏡だ。
    反射し、共振し、増幅する光はやがて孤独な魂を暖かく照らす。

    ただ、暖まるには時間がかかる。
    たまには泣いたっていい。

    強く生きる。

  • やっぱり千代田公輝が好きだ!

    数年前に一度読んで公輝の魅力に取り憑かれてしまい、公輝が夢に出てくるほどだった。
    それ以来なんとなく怖くて読んでいなかった。

    だけど再読して確信。本当に魅力的な人物だ、惹かれてしょうがない。
    そして「自分の男性の好みはここからきてるのか…」と笑ってしまった。
    こういうキャラクターを書ける辻村深月さんの作品が大好きだー!

  • 色々と積み重ねてきた謎を、最後にきれいな形で伏線回収していくのはやはり見事。

    環の健気さと、千代田コーキのかっこよさにやられる。
    2人の関係は、幸せであってほしいですね。

  • 辻村さんの小説は色々な小説の相関関係が複雑なので、完全に楽しむには関連書籍の記憶が残っているうちに一気に読みたいわけでありますが、色々面白い本があるこの世の中そうそう一気読みもしていられません。
    噂によるとこの本もまた他の本との関係があるようです。結構読んでいるのですがさすがに記憶の外でございました。
    しかし結論から言うと他の本読んでいなくても面白さ自体は全く減じないです。
    辻村さんの得意とする、子供から大人に至る過程で失ってしまうか乗り越えてしまうものを丁寧に描いています。普通大人が「いつか平気になるよ」と思わず言ってしまうような事を、本当にそうなの?と問い掛けてきます。そうなんですよ、大人になってみんな平気な振りしているだけなんですよ。
    古い洋館に集った若くて才能あふれた若者達。上巻で割と冗長とも思える生活のやり取りを書いていますが、下巻で一気に怒涛の伏線回収。さすがの辻村マジックでした。
    恋愛も友情も嫉妬もこれでもかと書いていますが、読み終わった後に残るのは優しい気持ちです。

  • スロウハイツの神様、大好き。

  • チヨダコーキ、環、狩野、スー、エンヤ、正義。
    キャラクターが魅力的という感想があったので楽しみに読んでみたけど、個人的にはそうでもなく。
    チヨダコーキは、朝井リョウを思い浮かべて読んだ。

    人に影響を与える作家のこと、人を強烈に好きになること、そんなことが描かれていた。

  • キャラメルボックスで公演されていて、面白かったので購入。
    上巻では、様々な謎を多く提示していましたが、下巻ではそれが回収されていくので、読んでいてほっこりしました。ミステリーとしてではなく、青春群像劇としても読める作品で、後半の真相がわかる過程は、一気読みであっという間でした。都合が良いエピソードも実は…だったということが多く点在していて、それまでの過程が長いのですが、その分、人物の描写や結び方が丁寧で、よかったです。起承転結がしっかりとしていて、章ごとに登場人物の視点が変わり、物語が進行しているのですが、飽きさせず読みやすかったです。
    先に演劇として観ていたため、このシーンは演劇オリジナルの場面かなと思うところが多く、小説には書かれていないのではと思いきや、全て盛り込まれていたため、この小説は演劇向きだなと改めて思わせてくれました。
    登場人物一人一人のキャラが引き立っていて、グイグイ引き込まれました。「かがみの孤城」も良かったのですが、別の爽快感として、こちらも素晴らしかったなという印象でした。大人向けというよりは若者向けの作品で、じんわりと感動させてくれます。

  • 『お久しぶりです』

    長い時間を超えて明かされる衝撃の事実。

    その事実を知ったとき涙があふれた。

    コウちゃん
    なんて可愛い人なんだろう。
    愛しい人よ。

    愛あふれ心震える小説。
    すべては愛なんだ。


    もう放心状態だ…

    この小説を読んで初めて作家さんってすごいと思った。

    すごいよホント。

    このような素晴らしい小説に出会えたこと、本当に嬉しく思います。

    人生で一番好きな小説になりました。

    素晴らしい小説をありがとうございました。

  • 上下まとめての感想&評価★
    個性の強い登場人物たち、生きてきた分だけ抱えているそれぞれの闇、少しの謎。
    十分に興味をそそる要素はあるんだけど、それでも日常の話。話の視点も登場人物ごとで変わっていく為に、話として表面的には大きな動きはないまま、じわじわと進んでいく。だから途中からは、少し長いなあという印象さえ持った。
    (凍りのくじらやメジャースプーンは好きなんだけど)
    辻村さんの文章だから読めたという感じ。
    この人はほんと細やかだなあ。

    ただ、下の後半からは怒涛のクライマックスで展開も進み、伏せんも回収で、びっくりスッキリ。この最後を読む為に今までの長い過程があったのねと。コーキと環の出会いの部分は夢中で読み進められたし、読後感はよかった。

  • 面白かった!
    最後に全てが繋がった感じと、普通の物語として読んでいたので、全てが繋がった時に長い間お互いがお互いを糧に頑張ってきた、正しく純愛だなと思った!
    最後の2章くらいは面白くて一気に読んでしまった!

  • すごく良かった。
    伏線もしっかり回収してるし、読後感も爽やか。
    恋愛要素あり、クリエイターの苦悩あり。
    いい作品でした。

  • 最後の方は一気に読んでしまった。
    愛の力はすごいなーーー。環みたく強くなりたい。

  • 優しくて愛いっぱいのお話でした。上巻での謎はもちろんのこと、さりげない言動がちゃんと落ち着くところにストンとおさまって、まあなんと読後感の気持ちいいこと。
    過去のコウちゃんの勇気を振り絞った数々の行動が彼女の夢を導くことになりましたね。その頃コウちゃんはチヨダ・コーキとして彼女の前に立つことは出来ませんでした。彼女が大人になるときっと自分のことを全て忘れてしまう。いや、忘れなきゃいけないんだ。本当は忘れてほしくない。だけどさよなら。そんな彼女を想うコウちゃんの切ない記憶は封印されながら時は経ちました。そしてその頃の2人には想像も出来なかった未来が待っているのでした。その先に待っていたのは・・・愛でした♡
    実はわたし好青年な狩野くんの中の闇が表していたものに一番びっくりしました。なるほど!だからなのね~、正義さんの分析にガッテンだい。

  • 317ページ
    940円
    9月20日〜9月22日

    人気作家チヨダ・コーキが暮らすスロウハイツの住人たちは、平和な日々を送っていた。新たな入居者、加々美莉々亜がくるまでは。コーキに急接近する莉々亜の存在が不穏な空気を漂わせる中、突如判明した驚愕の事実。赤羽環のプライドを脅かすこの事件がどんな結末を迎えるのか。そして皆、スロウハイツを旅立つ時が来る。

    ラスト50ページが、かなりおもしろかった。それまでのフリが長すぎた。幹永舞、鼓動チカラがどっちがどっちか、どういう設定だったかわからなくなって混乱した。辻村深月さんの若い頃の話は、こんなんだったのかと感慨深かった。

  • 他の辻村作品に比べ、これはちょっとイマイチかなとか思ってしまっていたが、「二十代の千代田公輝は死にたかった」で一気に心持ってかれた。途中で何故か泣きそうになった。

  • 伏線回収が見事でした。結末に向けての展開は心を揺さぶられました!面白かった!

  • この作者さんの終わり方が好きで読んでいます。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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