ブラックボックス

著者 :
  • 講談社
3.10
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本棚登録 : 2851
感想 : 295
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065273654

感想・レビュー・書評

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  • 読点の使い方が上手。最初は、読みやすいけど読点が少なめなのが自分に合っているのかな?とのんきに考えていたけど、おそらく意図的(場面による読点の数がまったく違う)。スピード感とか主人公の中の思考の流れみたいなものを読み取れるのは、内容も書かれた言葉選びもさることながらこの読点が役割を果たしている気がする。
    現代の20代後半〜30代半ばくらいまで?の世代をこれまでの小説とは異なる描き方で形にできる方だと期待。

  • 芥川賞というのと、あらすじに惹かれるものがあって購入してみた。

    主に読みやすい書き口で、最後までさらっと読むことができた。なかなか集中できず波に乗り切れない感じがもどかしかったが、おそらくそれは私個人の問題のように思う(久々に読書をしたので)。

    数カ所、読み手が迷子になりそうな表現や流れがあり、それは若干気になったが、全体的にまとまってはいたと思う。
    ただ、主題が分かりそうで分からない。前半、ブラックボックスの表現にああなるほど、と感じはしたが、その気持ちが発展せず最後まで宙ぶらりんのまま終わった。後半も含め主人公の気持ちに同調するところもあったが、何せあまり考えようとしない主人公だから、こちらにも感情の波が立たない。

    結局、前半と後半が私の中でうまく繋がらず、読んでいる間楽しめはしたけれども、感想もこのようにとりとめのないものになってしまった。
    次は、もう少し脳みそと感情が動かされるものを読みたい気分。

  • なかなか没入するには難しかった^^;

    何となくメッセンジャーを続けているが、やりたいわけでも、辞めたいわけでもない…。

    たまたま、この仕事が続いてるだけなのかもしれない。昔から自分の中の怒りを抑えられず、沸点を超えると見境なく、暴発してしまう。

    この失敗?を繰り返すだけの人生に、、、

    どこか遠くにいきたいと思い続け、だが、追い求めるものが何かも分からず、ただただ、どこかにいきたいだけなんだ…

  • 「日常がただ連綿と続き、そこに自分がいるのが苦しい」
    という文章に激しい共感を得た。

    その問題に対する解決策として
    日々に変化を感じ、良い変化を求めることが
    必要なのでは無いかと思った。

    今、自分が必要な本に出会えて良かった。
    歎異抄は難しそうだが、今度チャレンジしようと思う。

  • 想像していなかった展開だった。
    『ケーキの切れない非行少年たち』を思い出した。

  • 読み物としてはとても引き込まれる感覚があり、芥川賞受賞作ならではの独自性があるのだと思う。「メッセンジャーやUber Eats等 話題性の高いテーマを取り上げており・・」との書評も拝見したが本質的な部分ではなく、むしろ人物や状況描写の詳細さ、丁寧さが読者を引き込むと感じた。
    冒頭の入り方からイメージする躍動感と中盤以降の大部分を占める鬱々とした内面を表す心理描写にギャップが大きいことに加え、文中一度だけ登場するタイトル「ブラックボックス」の意図が理解出来ず、またなぜか反復してか現れる「ケイデンス」の意図するところは最後まで解らなかった。選考委員の書評に「服役後の連続性」に触れてあるものがあったが私自身の読解力ではそのような記述は認められず、理解が出来なかった。

  • 前半、状況描写(自転車)と自身の心理描写が多すぎて飽きてきた。自転車好きな人は楽しめるのかも。

  • メッセンジャーという仕事は全うしようとしている主人公は、世の中のブラックボックスな部分に思うところはあるようです。ですが、ある種、そこに諦めを感じている感があります。激情に流される形で自身も流されていく中で、変わらないと思っていたものが変わっていくと言うような認識を持っていく的な芥川賞受賞な感じ満載です。自転車に関してや、差し入れられる本など、色々と細部にわたる部分がリアリティを作っている感じを受けました。

  • 終始なんだか苦しい
    だるい雰囲気の描写の解像度が高いためと思われる
    特に独居房での心情が実際に経験したのかってくらいリアルで驚いた

  • 疾走感良き。芥川賞受賞作はいつも「私は今何の話を読んだんだ、、、、?」となるから好き◎

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著者プロフィール

1990年、大阪府生まれ。神奈川大学卒業。元自衛官。現在、地方公務員。2016年、「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。他の著書に『戦場のレビヤタン』『臆病な都市』『小隊』がある。

「2022年 『ブラックボックス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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