- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087485196
感想・レビュー・書評
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2人の視点から物語が代わる代わる語られ、真相に近づいていく。SFぽくもあったが、人の心を感じるところもあり、盛り沢山な内容。ラストシーンは晴れやかになる。
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ネタバレするとマズイので多くは語らない。この作品に関しては、あらすじや解説を読むことなく真っ白な状態で読み始めることをおすすめするし、その方が楽しめると思う。
女子大生の鞠子と双葉、二方向からの視点で物語は描かれている。全く縁の無い二人に襲いかかる不可解な出来事。そして無数に散りばめられた謎の先に見えてくる結末。その答えを知った時の興奮はたまらない。非常に読みごたえのある作品です。 -
楽しく読めた!晶子さんがクローンに対して自分の老いを感じるという事を激しく語ってきたところに、そこ?となってしまった。
最後の終わり方がシンプルなので、この先世間にバレるのか?など気になる事たくさん。 -
火事から救い出したのが父ではなく母だった。育てるということによって生まれる母性の存在に何とも言われぬ幸せな読後感がありました。ラストまでわくわく感があって、読み応えがありました。
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先が気になり、一気に読んだ作品。医療技術の是非についても考えさせられる。
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北海道と東京という違う場所で違う時期に生まれたふたりの女性の外見が瓜二つ。その出生の秘密に迫る医療ミステリー。
長編だけど途中で読むのが止められなくなる感じでした。怖かった。ホラーのような怖さではなく、医療が人が踏み入れてはいけない分野に足を踏み入れてしまったことによる怖さ。人のエゴから生み出された苦悩や悲しみ。実際にはないことなのだろうが、近い将来、技術的には可能なことなのかもしれないと思うとゾクッとした。不妊治療はあるべき医療だと思うけど、その先は倫理的なストップをかけないとこんな事態がいつか起こっても決して不思議ではないのかも。
小説としては最後まで描かれていなかったことが少々不満。それでこの先ふたりはどうするのか?どう生きていくのか?そこまでちゃんと描いてほしかった。 -
氏家鞠子と小林双葉。
それぞれ北海道・東京に住まう、あまりにもそっくりすぎる女子大生。
その彼女たちが、自らの出生にまつわる真実を追求していく医学ミステリー・サスペンス。
物語は、鞠子の「私」と双葉の「あたし」との、それぞれの視点からなる「章」が交互に描かれる構成。
遠く離れた2つの点が、徐々に一方の点につながりを求め、次第次第にそのつながりが強くなっていく。
まるで、対極点から始めたジグソーパズルのようです。
一方の対極点に向かって徐々にハマっていき、最後のピースが埋まるまでの姿を身を乗り出して見守る感覚。
読み進めるうちに、否が応でも気持ちが高まっていきます。
章ごとに視点がガラッと変わってしまうので、章の冒頭に、それまでの流れを総括している部分をいくつか用意いただいたのは、作者のご配慮を感じた部分でもあります。
そして、随所にみられる、「命」や「人間の存在」に関する記載。
ここでは具体的に触れることはいたしませんが、(本作執筆当時の?)最先端医学に絡む倫理的な問題や、そもそも人間の存在とは?といった点に触れられている部分。
考えさせられ、大変奥深いと感じました。
私ごとながら、今年読了100冊目となるこの一冊。
その節目となる一冊が本作でよかった。
そう思わせてくれる、良作です。 -
自らがクローンとは知らずに誕生し、それぞれ別の家庭で育った双子。
その片割れがテレビ出演したことをきっかけに2人の周囲でおかしな事件が続き…
なんだか悲しいお話でした。。クローンとして誕生しても彼女らには彼女らの人権や幸せがあるのに…
鞠子と双葉のお母さんがかわいそう。