パーマネント神喜劇

著者 :
  • 新潮社
3.42
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103360124

感想・レビュー・書評

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  • 137色に染められた服を着たデブでオッサン風の縁結びの神様を主人公にした4つの短編。神様の昇進試験があったり、ノルマがあったり、なかなか神様の世界も大変そう。口調が軽くていい加減な雰囲気の神様ですが、守るべきところは真面目で、時に上司に盾突いたりもします。
    読みながら、浅田次郎さんか荻原浩さんあたりが書きそうだなと感じた軽くて楽しい物語です。
    万城目さん、「バベル九朔」を除きすべて読んでいるつもりですが、色んな作風があって、どこが本筋か良く判らない作家さんです。

  • オムニバス形式だと思ったら、最後まで読んで同じ神さまの話だった。ハッピーエンドで良かったと思う。

  • 神様がもたらす出来事の連作短編集。

    既視感あると思ったら、智くん主演のSPドラマの原作短編があった。地震をモチーフにした短編にはちょっと泣かされた。

  • 図書館で借りたもの。
    アヤしげな「神様」に願いを託し、叶えられたり振り回されたりする人たちの、ドタバタ神頼みエンターテインメント。

    読みやすくてするする読めた~!
    親しみやすい縁結びの神様が主人公で、すごく面白かった!
    最後の話はしんみりしたなぁ。

    大好きな作品の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』のかのこちゃんが登場してびっくり!!
    小学三年生になっていた✨

  • 180125
    話し口調で読みやすい。

  • 久々にヒット

  • やっぱり万城目さんは面白い。今回は、神社に住んでる神様の話。神様もいろいろ大変やな。

  • あまり仕事出来なさそうなのに、やる事やってて優しくゆるい。いい神さま

  • 一人称の語りで進んでいくお話。ちょっと軽いけど、過去作の登場人物が出てくるというサービスあり。

  • 縁結びの神様が、仕事のぼやきを交えながら人間を語っていく。

    インパクトのある濃い表紙からどたばたを覚悟していたところ、笑いのなかにもシビアな現実があり、最後は不覚にもほろり、しんみりとさせられた。
    過去の作品の人たちが登場するのは、愛読者にはうれしいところ。作者のおふざけやサービスに加え、その後ろに見え隠れする物事の本質をとらえた温かみが、私は好き。
    今後は、神社に行ったら神様へのお詣りの仕方も変わるかも。

  • 神様にノルマがあったり、
    神様に昇進があったり、

    罰当たりかもしれないけど、
    もしそうだとしたら、憎めないなー。

    そして、最後はしっかりホロリとさせるし、
    ホッコリさせる。
    ふざけてるけど、真面目なんだなー。

  • ここ3作品ぐらい、なかなか入り込めずに脱落したり、流しちゃったりしていたけれど、今回も最後の1編は流し読みしてしまった。うーん、ワクワク感がなかなか湧いてこないなぁ。
    2017/11/6読了

  • 安心の安定感。今回も万城目ワールド全開。少し読みやす過ぎるくらいスラスラ読める。

  • 神様のお話だけど堅苦しくなく、いい意味で軽い神様のお話で面白かった。

    もうすぐお正月だし初詣に行く時、私にも神様が現れないかなぁって思いながら参拝しようと(笑)

    2017.12.20 読了

  • 前作『バベル九朔 』は
    作家生活10年の節目となるようなこれぞ万城目学という
    複雑怪奇なエンターテイメントだった。

    それ故に何故こんなコテコテの
    奇蹟を起こす神様の話なんだろう?と思って読み始めた。

    『とっぴんぱらり風太郎』や『バベル九朔 』では
    奇蹟は起きなかった。ここで起きろーと思っても
    現実を突きつけられたが、
    今回は簡単に起きる それはそうだ。神様だから。

    それが読んでいて歯痒い。
    奇蹟が起きるんだったら物語はどうでもいいじゃないかと

    ただ最後のパーマネント神喜劇で様相が変わる。

    神様自体が地震で力を使えなくなってしまう。

    何も出来ない人間(読者)に託される。

    この地震自体が万城目学氏本人と重なる。
    2016年彼は映画化原作の仕事に携わっていたとされている
    しかしその作品がダメ出しをされつづけて降ろされるのだが、公開された作品は万城目学氏のアイディアをそのまま使った作品として完成していた。

    この部分が今回の神様と少しかぶった(神様は地震だったけど、万城目学氏は作品を作ることができないという精神的痛手)


    奇蹟を起こす神様も存在してなかったら意味がない。

    その結末が事もあろうに人間(読者)に委ねられるわけである。

    凄いことがなければ何も変わらないと思っていたのに
    ただの人間がいてこその神様(作家)なのですよと

    だからこそあの時に乗り越えられたのはあなたがいたからです。なので神様(作者)のできる事は
    これからも面白い(奇蹟)作品を生み出しつづけますよという所信表明の作品に思えた。





  • (2017/12/13読了)
    あぁ、パーマネントってそういうことなのね。思わず検索してしまったら、永久的なと書いてあった。
    独り言のように話し進める主人公の神さま。言霊を受ける側のシーンはドラマのようにすすめられてる。
    この神様の話し方に慣れるまで読みにくかったので、前半は読むのに時間がかかってしまった。
    ほかの万城目学作品に比べると、ちょっと物足りない。題材は広く深いのだけど、こじんまり軽く感じてしまう。神様の話し方にも関係があるのかも。
    最終話に出てきたかのこちゃんは、まさかあのかのこちゃんではないよね?

    (内容)
    「今からあんたの願いをひとつだけ叶えてあげる」。デートの途中、突然時が止まった。動かない街に現れたのは、「神」と名乗るアヤしげな男たち。肩を叩かれ戻った世界は、あれ、何かが違う…?笑って笑って最後にほろり。わちゃわちゃ神頼みエンターテインメント。

    (目次)
    はじめの一歩
    当たり屋
    トシ&シュン
    パーマネント神喜劇

  • 今までの神社ものの中で一番軽かったな・・
    でもすごいい神様で、なんだかほっこり。
    パーマネントってそういう意味なんだ。

  • 2017 12/12

  • 途中まで、万城目さんならでわって感じで面白かったンだけどな。最後の章、天災がらみの話はあんまり面白くなかったな。

  • 図書館で借りた本。
    神社の神様の話。終始、関西弁で語り口調だからか、ところどころ場面がつかみにくかった場面もありましたが、スラスラとあっという間に読み終えてしまいました。カップルを結婚まで導いたり、「当たりや」の話は好きだけど、なぜ?がたくさん残ってしまいました。これはこれで、楽しく読了できました。

  • ちょっとドジでそれでいて憎めない、そんな神様のお話。読んでいてなんともほっこりする一冊です。読んでいていやな感じがない登場人物みんなを愛することができるような気持ちになりました。
    ただ個人的にはもうちょっと読み応えがほしかったかな。全体的にボリュームは控え目。まあ「もっとこの神様たちの物語を読みたい!」と気持ちよく思えるので作者の掌の上なんでしょうか?これはこれでいいのかもしれませんけど。

  • 短編集。
    タイトルと同じ、パーマネント神喜劇が一番印象的だった。緊張という言葉が怖かった。
    バベル九朔はまだ読んだことがないけれどそこでの登場人物が再登場していたのかな。
    かのこちゃんとの再会が嬉しかった。

  •  千年以上も縁結びの神は、太っちょで奇抜なシャツを着たおっさんだ。言霊を操り人が一歩を踏み出す背中を押すのが務めだ。
     そんなおっさん神は、黒縁眼鏡の一見銀行員風の男に付きまとわれている。と言っても、そのビジネスマンも神なのだ。
     千年も同じ神社で務めをこなし、いい加減にそろそろ昇進か異動があってもよさそうな頃合いだ。

     神社の前を交差点が横切っている。
     今日も男女二人が向こうから歩いてくる。
    「時よ止まれ、時よ止まれ」
     今日もオッサン神は汗水垂らして務めに励む。

     
     神の幸運に出会った人間の視点と、縁結びのオッサン神の視点の一人語りで物語は進む。

     同期との結婚に踏み切れない理系の中堅サラリーマン、
     まさかの神の幸運を手にした当たり屋の男、
     小説家を目指す男と女優を目指す女、
     そして最終話は大災害から人を守ろうとするオッサン神の人知れずの苦闘。

     パーマネントに続く神の御代にも、笑いと苦労があるんだよ。

  • 83-10-8

  • しょうもない中年のおっさんにしか思えないしゃべり方をするけれど千年の歴史をもつ縁結びの神様が主人公、という愉快な一冊だ。

    縁結び神の滑稽でやや情けない語り口調ベースと、日々を生きる人間たちのベースの物語が交互に折り重なって描かれている。

    この神様が趣味は悪いし(137色の服!)長い物には巻かれろ的な卑屈っぽいところもありながら弱弱しくも一本芯の通ったところがあったりして、まったく頼もしくはないけれど親しみやすく楽しい。
    実際の神様がこんなだったらちょっとガッカリするけどでも楽しいだろうな、と思う。

    ただの愉快な話ではなく、ふと、日本人が当たり前のように培ってきた何気ない信仰・・・近くに神社があればふと立ち寄って手を合わせてみる、深く信心はしなくても罰が当たるようなことはしない、そういう日常のすぐ横にある信心の貴さを感じた。

  • 神様のお勤め?話。こちらにも話しかけてくる様な場面を織り交ぜ、神のなせる技で願い事を叶えていく。
    だけど、人間もそれに甘える事なく、自分を見直す。それもまた神の技なのかもしれないけど。人間に祀られての神は存在し、神に守られて人間は存在する。万城目ワールドに引き込まれつつ、何か考えさせられた。

  • 久々の明るい万城目さん。コミカル表現が素敵な万城目さん。
    インタビュー形式で読みやすく、笑えるところがたくさんあり、登場人物の神様に愛着を持っていたので、後半のシビアな展開はドキドキさせられた。
    万城目さんが恋愛について、カップルについて書いていたのも少し意外だったけれど、これはこれでいいものだった。
    続編でないかな?

  • 縁結びの神様が現れ、最初は章ごとに登場する人たちの縁がどうなるのか?とヤキモキして読んでいましたが、途中で縁結びの神様自身もヤキモキする内容になっていきました。笑いありジーンとくるシーンあり、のドタバタコメディふうで楽しめました。最後に表の装丁、裏の装丁をキチンと見ると、あっ、神様!だと。小説からそのまま飛び出したキャラクターが描かれており、最後の最後まで楽しませてくれる
    万城目さんの作品の愉快さを心地よく感じられた一冊でした。

  • 黄色い表紙が好き。万城目さんも好き。しかもサイン本があったし、いろいろなお店で目立つように置かれていたので買った。
    内容的には、夢をかなえるゾウのような印象がある。
    被災のところは興味深かった。不満を漏らすのではなく、ただ地震を終わりにして欲しいと願う。被災等の経験がないからその感情が興味深かった。
    一人語りの感じが、なかなか読みにくかった。

  • 肩の力を抜いて楽に読めた。軽く読める中に、大切な言葉なども入っていて、中身の濃いものである。神様の存在について真剣に考えようと、あれこれと思想や思惑を予想したり、裏をかいたりするが、深読みしすぎて、表になってしまったりなど、笑いがある中で、実は存在意義を真剣に考えている登場人物の姿が良いものである。神様の存在意義について、神社の存在や、祀ることの意義を考えると、存在価値というのは高いだろう。バベル九朔の雑居ビルやかのこちゃんが作中に出ていて、それらと神様の存在に関することが繋がっていてまた、面白かった。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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