老後の資金がありません

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047657

感想・レビュー・書評

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  • あっという間に読んでしまいました!

    年齢が近いこともあり、共感のポイントがたくさん。
    ただ話の後半から、違う本読んでるのかと勘違いするほど展開が大胆で速かったです。でもそれが面白くて、読むのを中断できずこんな夜遅くに感想を書くことに…(いや書かずとも)。

    この本を読んだことで、ちょっと前向きに、気楽に、将来を考えられる助けになりそう。

  • 50代の主人公

    娘の高額結婚費用!舅の葬式費用!
    貯めていた貯金が散財されていく。
    そこに夫婦のリストラ。
    姑への仕送り問題。小姑問題!
    娘の離婚後の生活問題(これは想像だけだけど)
    友人関係などなど。
    お金や見栄などの問題満載!
    旦那はどこか他人事のように。。。どこもおんなじか。
    身につまされる~~。

    途中、姑が変貌してぶっとんだ。
    年金詐欺話まででてきて、あらら。

    50代!そろそろいろんなことを考える年代だよね。
    さくさくっと読めるし、最後はいい感じで全部おさまるので読みやすい本でした。

  • 物語は50代の後藤篤子が、高額な娘の結婚式費用負担に悩んでいるところから始まります。

    義父の葬式費用、夫の妹夫婦や義母との関係、習い事で出会ったサツキたちとのやりとり、そして、夫婦揃っての失業・・・

    50代の篤子には、次々と財政的な危機がおとずれるのですが、作中でも友人から指摘があるように、篤子自身も実はプライドが高い人間のため、いまひとつ篤子を応援するきもちになれませんでした。

    ほどほどの生活をしてきた篤子の人生を考えてみれば、小さなプライドを捨てられない篤子のことも理解はできます。

    けれど、共感はできない…
    主人公に寄り添えない…

    ここが実は、読んでいる上で最大のハードルであり、もやもやポイントです。

    もちかかる問題は参考になりますし、文章はすごく読みやすいです。

    読み終えるにはいくつものもやもやポイントを越えなくてはいけませんし、残念ながら読後感もスッキリしませんが、もし読みえられたならきっと、「よし、プライドを高く持ちすぎたまま、年をとることは今すぐやめよう!」ということだけは、心から思えるでしょう。

  • 主人公の篤子は50代の主婦。子どもたちの学費を払い終えた時点で1200万あった預金が、娘のド派手な結婚式で500万、舅の葬儀と墓で400万を使い、さらに贅沢な施設で暮らしている姑に毎月9万円の仕送りで、みるみるうちに減っていく。とどめは夫婦揃ってリストラされてしまった。何だか暗く落ち込みそうな話なのに、不思議とサラッと読めて前向きになれる。自分の生活も見直しながら来たるべき老後にそなえよう。
    それにしても、"小さな贅沢を楽しむ加減がよくわからず、高すぎるコートを思いきって買った後に二の腕がきついことに気がついてひどく後悔したり、その一方で好物の鰻を食べるのを何年も我慢したりしている"これってわかるわかる!

  • 映画が面白そうでずっと読みたかった作品
    ボリュームもちょうど良く一気に読み切れてしまった
    お金がないないと読んでるこっちも焦ってしまって焦燥感に駆られた
    葬儀には参列したことがないので葬儀代は参考になったし、上手い節約方法は探せばあるのだなと思った
    みんなそれぞれお金の悩みがあって豊かに見えても実は借金を抱えているとか現実にもあると思う

    老後の資金、ちゃんと貯めようと思った

  • 50代妻+経理の契約社員+一男一女の母の後藤篤子の不安は老後資金。それでもなんとかなるぎりぎりラインだと思っていたのに、夫も自分もリストラ、長女は派手婚、義父の派手葬式ですっからかん。等身大の振舞が出来ないのは、家族のせいだと思っていたが、実は一番の原因は自分自身の見栄っ張りだったことに気づいた篤子が、身の丈の暮らしを手に入れようとする奮戦記。

    こんなに赤裸々に50代の等身大の日常を描いてくれた本、今までなかったな。

  • 1200万の蓄えが、娘の結婚と、舅の葬儀で消えていく。更にオットも自分もリストラされ、大ピンチ。

    面白かったです。
    あれよあれよという間に大金が出ていく前半のくだり、見ないようにしている現実として、自分にも置き換えられそうで、正直背筋が寒くなりました。
    年金詐欺の展開は、???という感もありましたが、お姑さんとの良好な関係構築のサイドストーリーとして、社会問題と絡めたと考えれば、ありなのかな。

    最後にあった『知恵を絞れば、まだまだ様々な可能性が残されてるらしい』という希望的観測は、私にも明るい未来を見せてくれているようで、ひとまずホットして、本を閉じること出来ました。

    著者の本は、安心のエンタメ小説。
    今回も期待を裏切らない良作でした。

  • すっごく面白く読んだよ。
    けど・・・、このところ垣谷美雨ブームなのだけれど、どの主人公も性格似過ぎな気がします。
    ラストに向かって、ハッピーエンドにまっしぐらな感じも、そんなにうまく行かないでしょ・・・と思ってしまう。それも含めて垣谷美雨なんだろうけど。
    サクサク読めるし、テーマも面白いし、好きだけどさ~

  • なんだか、他人事とは思えない話だった。
    思い当たる節が多すぎて…。
    例えば、さやかの身分不相応な派手婚にギクッ!?
    とは言え、まだ間に合うものもある。
    例えば、両親の介護、相続、お葬式のこととか、子供の自立とか、自分たちの老後資金の積み立てとか。
    今まさに悩んで考えていたことなので、最初は笑ってなんて読めなかったけれど、姑と同居が始まった辺りから段々おかしくなってきて…。
    初読みの作家さんだったけれど、面白かった。
    それにしても、老後ってこんなにお金がいるのか。
    老人ホームなんて絶対無理だな…。どうしよう。

    • ひとしさん
      ちえさん、こちらこそ今年はちえさんと出会えてたくさんの会話ができて嬉しかったです。
      4日から鹿児島ですか。気をつけて行ってきてくださいね!...
      ちえさん、こちらこそ今年はちえさんと出会えてたくさんの会話ができて嬉しかったです。
      4日から鹿児島ですか。気をつけて行ってきてくださいね!
      ちなみに私は29日から京都に来ています。
      来年もよろしくお願いします!
      私の今年の一番の本は・・・。うーん、考えておきますねf^_^;
      2017/12/31
  • +++
    後藤篤子は悩んでいた。娘が派手婚を予定しており、なんと600万円もかかるというのだ。折も折、夫の父が亡くなり、葬式代と姑の生活費の負担が発生、さらには夫婦ともに職を失い、1200万円の老後資金はみるみる減ってゆく。家族の諸事情に振り回されつつもやりくりする篤子の奮闘は報われるのか?
    +++

    娘の派手な結婚式、篤子自身の失業、夫のリストラに加え、豪華な老人施設に入居する義両親に多額の仕送り、その後の舅の葬儀。お金のかかることが次々と押し寄せてきて、後藤家の貯金は底をつきそうな勢いである。老後の資金どころの騒ぎではない。冒頭は、そんな憂鬱になるエピソードばかりで、身につまされつつ暗い気分になるが、篤子の意地と勢いで姑を引き取り、お嬢様育ちの姑に自分のことは自分でやるように啖呵を切ってから事態は少しずつ動き、危ういながらも明るい兆しが見えてくる。根本的な老後の資金不足が解決したわけではないのだが、心の持ちようと余計なプライドを捨てた後には、ほんとうにやらなければならないことが見えてくるようにも思え、ちょっとほっとする。思わず我が身に引き寄せて読んでしまった一冊である。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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