老後の資金がありません

著者 :
  • 中央公論新社
3.74
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本棚登録 : 1262
感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047657

感想・レビュー・書評

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  • みんな色々あるんだよねー。ちょっと図々しく生きるくらいがちょうどいい。
    志々子さんの、暗に母の愛を求める言動。子どもはいくつになっても親の愛を求めるんだよね。年金詐欺の話はドキドキした。

  • 中高年向けの作品かな?と思ったが、読み進めると色々な立場の人物が出てきてどの年代も共感できる内容になっていた。夫婦ともに職を失い、娘は派手婚し義理の親の葬式は盛大にやらされ…どん底とも思われたがなんとかやっていく主人公のマインドに励まされた。後半からまさかのミステリー小説風になり2度楽しめる愉快な小説。

  • 娘の結婚式、義父の葬儀、さらに追い打ちをかけるように夫婦揃ってリストラとせっかく貯めた貯金があっという間に減ってゆくばかりか失業保険頼みの事態に…。いや~、理不尽というか何でこうなるの、という主人公の焦燥感、葛藤(実の親の葬儀なら色々わがままも言えるかもしれないが義理の親だけに言いたくても言えないことがたくさんあるはずなんです!)が丁寧に描かれており、引き込まれるように読み進めてしまいました。夫の章がこれまた対照的に呑気な性格というか後先考えないタイプであるのも篤子のちょっとネガティブな思考癖をより一層際立たせていました。
    短期間だけど同居することになる義母はこの作品の中ではちょうどよいアクセントになっていますね。同居前まではどちらかというとおっとりした人物として描かれていましたが、篤子と同居した以降は意外にもアクティブな一面も覗かせていて、篤子が少しだけ前向きになった(ように感じました)きっかけであったように思います。
    ラストは夫の仕事も決まり、結婚した娘も実はDV被害に遭っているわけではないことがわかり、主人公一家に明るい兆しが見え、物語の終わり方としてこれはこれでよいのですが、個人的にはあまりにもスッキリしすぎているように感じ、前半に見られたお金が次から次へと減ってゆく中で描かれたどうしようもないほどの不安や焦りをもっと描き切って欲しかったなと。

  • 結局 老後資金は どうなったの。
    この作者の作品は 題名と 関係ない 終わり方が
    多いのでは 無いですかね。
    ハッピーエンドは 良いのですが。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    後藤篤子は悩んでいた。娘が派手婚を予定しており、なんと600万円もかかるというのだ。折も折、夫の父が亡くなり、葬式代と姑の生活費の負担が発生、さらには夫婦ともに職を失い、1200万円の老後資金はみるみる減ってゆく。家族の諸事情に振り回されつつもやりくりする篤子の奮闘は報われるのか?

    義母が良い味出している~。

  • 新書のようなタイトルですが、こちらは小説。夫の定年とその後の再雇用まであと数年、頼りない長女も結婚と、次男の大学卒業と就職も決定。子供たちがようやく自立を迎え。自由な時間を待ち焦がれる50代後半の主人公夫婦。その老後の蓄えを急襲する悲喜劇が展開する。文章は読みやすく、ありそうな内容にどんどん引き込まれていきます。老後に向けてお金と向き合う参考になるし、夫婦、親子、親戚、友人関係などの人間模様、介護や葬式、年金の話題も興味深い。会社や組織はもう社員を守ってはくれる時代でもないし、人生100年、手に職をつけて独立したいと言っても、自営業になったからと言って決して楽なわけじゃない。どうしたものか考えねばならない、と言ったことをお説教じゃなくて物語の中で気づかせてくれる一冊でした。

  • 軽く読めて、ハッピーエンド。私が好きなパターンの小説。
    老後のお金問題は必ず来るはずの事態だけど、今一歩、身近でない感じがしていたが、これを読んで、なるほど、誰にでも起こりうる問題だと認識した。「けど、心配しなくても大丈夫」的な終わり方が良かった。

  • いや、ほんとにない人間からしたらお伽噺やないかぃ!
    とツッコミたくなる。
    でも嫌いじゃないわ、こういうの。

    まぁ将来的にいつか苦しくなるかもしれんけど
    それまでは楽しく生きてきたいなぁ。
    そんな私にはこれくらいのが合ってるのかな。

  • 娘の披露宴に300万もかかることに頭を悩ます主婦篤子。見栄っ張りの夫は「出してやれよ」と言うが、老後の為に蓄えておいたお金が減ってしまう事が心配だ。その上、舅の葬式代200万も持つことになり、ますます焦る。
    やがてパートもクビになり、夫もリストラされと悩ましいことが続く。
    人生晩年に差し掛かった夫婦の生活を描いている。
    篤子の焦りはもっともだし、共感できるところもいっぱい。それでいて、ちょっと滑稽なくらいの心配がおかしい。こんな人いっぱいいるだろうと思う。
    リアルなようで、でもちゃんと作り話になってて、面白かった。

  • 老後の資金が娘のド派手な結婚式や舅の葬儀に消え、気づけば貯金は300万。さらに自分も夫もリストラされる。暗い話になるかと思ったけど、姑が登場して一気に明るい話になった。姑、いいキャラしてる!息子の勇人くん、周りがよく見えていて、お姉ちゃん想いで良い!最後はハッピーエンド。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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