キングの死 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 24-1)

  • 早川書房
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本棚登録 : 217
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (604ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151767012

感想・レビュー・書評

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  • ぬおー!ジョンハートの作品をここの所読み続けて3作目。今回が最も読むのが辛かった。面白く無かったのか?とんでもない。とても面白かったし、今の所ジョンハートに駄作無し状態です。

    あらすじ

    主人公ワークは専制君主の成り上がり弁護士の息子。ある日、妹が同性愛者である事を知った父が、妹と階段で言い争いをするが、仲裁をしようとした母に、父の手が当たり母が転落死。
    クズ野郎の父は「これは事故だ私は悪くない。分かったか!」
    その夜、父は失踪し一年半後他殺体となって発見された。さて真相はいかに!

    何が辛かったのかというと、兎にも角にも主人公ワークがとんでもなく不器用で、父殺しの犯人に仕立て上げられそうな状態にも拘らず、自暴自棄な行動で諸々台無しにしたり、味方に付けなければヤバそうな相手にも悪態をついたりとハラハラし通しで、イライラし通し。
    時々本から目を離して天井を仰いだり、柔軟体操をしてみたりして読み進めないとならなりませんでした。
    僕は冤罪で悔しい思いをするような話が苦手で、フランダースの犬でネロが財布を盗んだと疑いが掛けられただけで、悔しくて悔しくて夜眠れなくなるくらいの小学生だったのであります。

    ワークったら警察から呼び出し食らっているのに2回もすっぽかしてしまったり、証拠隠滅を疑われるはずなのに思いつきでBMWをぼろトラックと交換したり。とにかく考えなしの行動をして私をハラハラさせるのです。本当に勘弁してください。
    しかも基本父の操り人形として生きてきたので、最初の方はとにかくヘタレで何かと責任転嫁するので、何度となく紙面に説教を浴びせました。夜中だったからいいものの、電車の中だったら私不審者ですよ。

    中盤以降急激に話が進行していくので、それ以降は善良な人たちの助けも有りぐっと話に魅力が増していきます。そうなって行くと前半の我慢の時間帯言うのは、バネで言う所のぐいぐいと縮めて反発力を増すための助走だったような気がしてくるので、やはり必要だったんだなと実感します。

    僕の予想はすっかり外れて意外な人が犯人でした。まだまだ読みが甘いです。

  • 主人公の思い込みで取り返しがつかなくなって行くストーリーが斬新。最後の真相が判る展開に多少物足りない感じがしたが、でも良く出来ていると思う。

  • 父が購入した本を借りて読みました。

    正直に言うと、最初の辺りで主人公のアホさにイライラさせられっぱなしでした。それにしても40まで結婚もせんと待っていてくれる理想の恋人なんて居ないと思うぞ、現実には。

    奥様は毒がありすぎてこうなのかな~と思っていたら結構考えていた通りであまり驚きもありませんでした。お金に執着しない人生って良いなあ。最後の妹との会話になるほど、と思いましたが全体的にはちょっと…と首を傾げる所が多かったです。

  •  前半部分は、ワークの辛さは伝わるけれど、とにかく読みにくかった。あまり先に進まずに、常にモノトーンの映像しか浮かばない状況に憂鬱な気分になりました。

     それが後半ではみごとに一転。
     彼の行動の一つ一つも登場人物との会話の一つ一つにも、全てのシーンに緊張感が走り、先が知りたくてたまらなくなりました。どんどんと加速していくスリリングな展開であれこれ想像する間もなかった。

     最後にワークへの手紙の内容を読んで、泣きそうになっている自分に驚きました。気付かないうちに、好きなタイプではないワークへすっかり感情移入しきっていたのですね。

     前半での読みにくさをきれいさっぱりと忘れさせられ、そしてその結末に驚かされる。。。面白かった。挫けなくてよかったとつくづく感じました。

  • 面白かった。
    前半は相変わらずかったるかったけど、後半一気に畳み掛けられた。
    あと、マックスがワークに犬を返す下りが気に入った。

  • 初ジョン・ハート。
    いわゆる謎解きミステリ的要素は少なかったから、普通の“読み物”として満喫。尺もちょうど良くて、綺麗にまとまっていたから、読後感も良かった。翻訳ぽさもほとんど感じず、違和感・抵抗も少なかったし。
    面白かったです。

  • 分厚さから敬遠してしまったけれど、久々に読み応えがある一冊だった。こりゃ「ラスト・チャイルド」も買わねばならぬ。

  • 一応読めたんですがなんとなく人物造詣が嫌でした。
    とにかく父親悪いやつ!あいつ最悪!
    でもおれ良い奴!あいつとは違ってホント家族を愛してるし、人間として価値があるし!
    みたいなことを主張している……主人公……みたいな気がして。
    ジョン・ハートについては「ラスト・チャイルド」まで読んで評価しよう……そうしよう。早合点はいかん。

  • 前半、なかなか状況がすんなり呑み込めない。中盤以降は迫力が出てくる。

  • すっかりファンになってしまいましたジョン・ハート!!
    どうしてミステリとして完璧なのに小説としても完璧なのか…こういうのを読むと絶対小説家になれないなぁととほほになってしまいます。

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著者プロフィール

1965年、ノース・カロライナ州生まれ。ミステリ界の「新帝王」と呼ばれる。2006年に北米最高のミステリ賞であるアメリカ探偵作家クラブ(エドガー)賞最優秀新人賞候補作『キングの死』で華々しくデビュー。その後、2007年発表の第二長篇『川は静かに流れ』で、同賞の最優秀長篇賞に輝いた。2009年の第三長篇『ラスト・チャイルド』は、エドガー賞最優秀長篇賞および英国推理作家協会(CWA)賞最優秀スリラー賞をダブル受賞。エドガー賞最優秀長篇賞を二年連続で受賞した唯一の作家となる
『終わりなき道 下 ハヤカワ・ミステリ文庫』より

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