新装版 翔ぶが如く (1) (文春文庫) (文春文庫 し 1-94)

著者 :
  • 文藝春秋
3.72
  • (173)
  • (295)
  • (324)
  • (28)
  • (7)
本棚登録 : 2524
感想 : 202
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105945

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 以前、鹿児島に住んでいた時に読んだので、15〜16年振りに再読。御一新が成就して新たな時代がスタートし、盟友の西郷さんと大久保さんの関係に距離が出てきた。最後にあった師匠とも言える島津斉彬公のお話は興味深く、征韓論は斉彬公のアジア同盟構想からスタートしたことは、なるほどと思わせることはあり、久しぶりに照国神社に行きたくなった。

  • 歴史は倫理ではなく感情の結果として成るという形容のままに、維新前後に現れた天才達の心理描写を深く描いている。
    坂の上の雲でも描かれた郷土意識なくして明治時代は語れないようです。

    主な登場人物を整理して読むと理解しやすい。

    〈備前佐賀〉
    江藤新平
    大隈重信
    大木

    〈薩摩〉
    大久保利通(日本最大の策士)
    東郷平八郎
    島津斉彬
    島津久光(保守主義)
    川路利良(警視総監)

    〈公卿〉
    岩倉具視
    三条実美(さねとみ)、新国家の首相

    〈土佐〉
    板垣退助
    坂本龍馬(既に死せる)

    〈長州〉
    木戸孝允(たかよし、桂小五郎)
    井上馨(かおる)
    山県有朋
    大村益次郎(首相、暗殺)
    高杉晋作(既に死せる)
    伊藤博文

    副島種臣

    桐野利秋(陸軍少将)

    氏の作品らしく、その他多くの人物が登場して知的好奇心を十分に満たしてくれ、この時代に大いに興味を掻き立てられる。
    しかしこの流れで10巻もあるなんて、しかも維新成立後からの物語とは。。

  • 来年の大河ドラマの主人公、西郷隆盛についてここのところ何冊か読んでいるが(海音寺潮五郎氏の西郷隆盛・伊東潤氏の西郷の首等)やはり司馬遼太郎作品「翔ぶが如く」に尽きますね。10年ぶりくらいに読み直しです。

  • 全10巻を早く全部読まなきゃ!

  • 司馬遼太郎作品において正直前評判があまり良くなかったので、期待はしていなかったが、個人的にはとても面白かった。

    西郷隆盛という、歴史的偉人について、司馬遼太郎作品らしく、多くの史実や独自の視点から紐解いており、改めて尊敬すべき偉人だと感じる。
    ここからどのような展開になっていくか楽しみである。

  • これまでの司馬遼太郎作品と比べるとなかなか進まなかったのが正直なところ。
    でも巻末に近づくにつれ、島津斉彬に対する西郷隆盛の忠誠心・想い、その想いを汲んだ”征韓論”の位置付けが明確になってきた。
    というより、孤島としての日本の歴史に染み付いている畏れみたいなものが見えてきた。

  • いちど挫折した本。
    「こころ」を読んで明治に触れたくなり、再度手にとる。
    司馬さんの思想本に近く、余談や掘り下げがいつにもまして多い。

    薩摩や西郷に特に思い入れはなかったのだが、これだけごり押しされたらさすがに同情するし、「征韓論」にまで一票を投じたくなる。

    竜馬や中岡、高杉が明治を見れなかったのを悔しく思ったはずなのに、この本の西郷をみていると複雑な気持ちになる。

    再読あり

  • 脱線が多いな

  • ~全巻通してのレビューです~

    主人公の西郷隆盛が捉えどころのない茫漠たる人物として描かれているので、読後の感想も何を書こうかといった感じで難しいですね。
    西郷は征韓論を言ってた頃はわりとはっきりした人物像でしたが、西南戦争が起こってからは戦闘指揮をするわけでもなく神輿に乗ってるだけでしたから。
    司馬先生ももっとはっきりした人物が浮かび上がってくる見込みをもって描かれたのではないでしょうか。

    もう一人の主人公ともいうべき大久保利通は一貫して冷徹で寡黙な人物として描かれてます。
    台湾出兵後の清との交渉では、大久保の粘り強さと決断力炸裂で面白かったですね。

    あとは、やはり最後城山で薩軍が戦死する場面が良かったかな。
    テロリスト桐野や狂人のような辺見はずっと見てきてお腹いっぱいに感じてたので、やっと終わるかと。

    読んで爽快感が得られる本ではないので、評価はなかなか難しい作品かと思います。
    でも、この日本という国を理解するうえでは、読むに欠かせない作品かと思いました。

  • さすが、司馬遼太郎だないう感想。
    期待を裏切らない。

    あまり前知識を入れずに読み始めたために、
    西郷や大久保、木戸孝允が話に絡んでくるまで、話に入り込めなかった。
    しかし、少しずつ話に入り込むと、明治日本を作った人間たちのそれぞれの思いや行動に、時には納得し、時には疑問に思うこともありながら、それぞれの正義に向かって進んでいく姿勢にワクワクしつつ読み進めてしまう。

全202件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×