三匹のおっさん (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
4.14
  • (1959)
  • (2324)
  • (914)
  • (115)
  • (21)
本棚登録 : 16937
感想 : 1617
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167831011

作品紹介・あらすじ

還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。ご近所に潜む悪を三匹が斬る!その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与え…。痛快活劇シリーズ始動。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • うーむ 面白かった。
    これぞ 有川ワールド。。

    表紙、挿絵、あとがき、NHKラジオ 児玉清さんの放送文、解説、すべてがよかったです。

    3匹のおっさん、ひとりひとりが人間味があり、芯がしっかりしている素敵なおっさん。
    高校生二人も青春真っただ中。

    これは老若男女にお勧めの一冊でした。

  • 還暦になったからって、「おじいさん」って言われるのイヤなんは分かる。
    せめて「おっさん」にして欲しいわな。
    慣わしとは言え、赤いちゃんちゃんこもね。今の60歳は、おじいちゃんって感じしない人多いし。
    そんな還暦超えた幼馴染の3人が近所の災いを防ぐ為に立ち上がる!
    (確かに時間を持て余してるのもあるかもしれん…)
    核家族が進んでる中、こんな感じもホッコリして良いわ。
    でも、この人ら、めっちゃ強そう。チカラだけやなく、経験値も高いし勝てんわ!
    でも、今どき、シャツとかズボン(あえてパンツとは言わない)に入れるか?とは思う。
    還暦とか言わんとこういう元気な人らは、まだまだ現役で働いて貰わんと日本は沈むで〜
    人情たっぷりでなかなか面白かった!
    年末を締め括るのに良かった〜

    来年も血ドバドバしたの(猟奇殺人とかホラーとか)とホッコリ系とをバランス良く読んでいこう!多分、前者が多いやろな(^_^;)

  • 有川さんを読もう集中企画
    絶賛開催中〜(笑)

    昭和のホームドラマが好きな自分には
    かなりツボな内容でした♪


    自宅で剣道場を開く
    還暦を迎えた
    清田清一(キヨ)。

    居酒屋を営んできた柔道の達人、
    立花重雄(シゲ)。

    そして脱サラして工場を切り盛りする機械のプロで、
    参謀役の有村則夫(ノリ)。


    暇を持て余す
    そんな「三匹のおっさん」たちは、
    ボランティアで
    私設自警団を作ることに。

    犯人を捕まえても
    名を名乗らず去っていく様は
    まるで素浪人か
    映画「シェーン」のようだし、

    ひったくりや痴漢や強盗との対決は
    手に汗握る握る。
    (ノリのエレクトリカルパレ〜〜〜ドッ!には笑ったけど)


    裏拳にスタンガンに改造ハンドガンなど
    バイオレンスな展開の予感にヒヤッとさせといて、
    「水戸黄門」のごとく
    痛快な活劇を観ているように
    スカッとさせてくれる。

    やっぱ有川さん、
    無駄な血を流したりはしないし、

    甘ったれた親、二世帯住宅、定年問題など
    日本が抱える家族の問題を同時に描いていて、

    どんな物語を書いても
    最後には必ず
    希望の光を見せてくれるのは
    さすがです。


    そして清一と
    孫の祐希との間に生まれる
    見えない絆。

    祐希に教えられ
    ファッションに目覚めるキヨ爺さんが
    また可愛いのですよ(笑)


    男気に溢れ
    気遣いのできる、
    実はいい男の祐希と

    有村の娘で高校二年の
    今時珍しい孝行娘の早苗との
    淡い恋模様と成長がまた、
    恥ずかしげもなく
    青春菌を撒き散らし(笑)
    胸をきゅい〜んとさせてくれる。


    それにしても
    こういう家族を描いた小説を読むたびに思うのは、
    進化や便利を求める今の社会より
    本当に必要なのは
    「バック・トゥ・ザ・昭和」の精神なんよなぁ〜。

    昭和の時代のように
    親以外の
    大人と子供が触れ合える場所や時間を
    もっともっと作らなきゃ。


    社会のしきたりは勿論、
    大人にもいろいろなタイプがいて、
    色々な生き方があることを
    自然に学んでいける環境や社会って
    今こそ必要だって思いません?


    事件の陰に
    三匹のおっさんの活躍あり。

    自分も彼らに負けないような
    粋でカッコいい大人にならなきゃなぁ〜(^O^)

    • nobo0803さん
      円軌道の外さん

      こんにちは♫
      昭和のホームドラマ大好きです。
      この本は昭和のホームドラマを思い出させてくれますよね。
      で、ドラマ化されるん...
      円軌道の外さん

      こんにちは♫
      昭和のホームドラマ大好きです。
      この本は昭和のホームドラマを思い出させてくれますよね。
      で、ドラマ化されるんですよね!!
      うれしくもあり、不安でもあり・・ドラマ化されると「えぇ~っつ!!」と思わされることが多いんですよね(>_<)
      ぜひ、期待を裏切らないドラマになってほしいと願ってます。
      2013/08/25
    • 円軌道の外さん
      ゆりさん、コメントありがとうございます!

      お返事遅くなって
      申し訳ない(汗)(≧∇≦)


      ベタ甘な恋愛話が得意な有川さんやけ...
      ゆりさん、コメントありがとうございます!

      お返事遅くなって
      申し訳ない(汗)(≧∇≦)


      ベタ甘な恋愛話が得意な有川さんやけど(笑)、
      この作品は
      年代問わず楽しめる
      昭和のホームドラマのようなテイストで、
      主人公たちと同じ世代も楽しめる作品ですよね(^O^)

      今、家族団欒で楽しめるドラマがホンマ少ないので
      是非ともドラマ化して、
      カッコいいオヤジたちが増えていって欲しいなって思います(笑)

      2013/12/01
    • 円軌道の外さん
      nobo0803さん、
      コメントありがとうございます!

      お返事遅くなって
      申し訳ないっ(汗)(≧∇≦)


      つか、ホンマ...
      nobo0803さん、
      コメントありがとうございます!

      お返事遅くなって
      申し訳ないっ(汗)(≧∇≦)


      つか、ホンマにドラマ化されるんですか!?(汗)

      めちゃくちゃ観たいけど、
      もう終わっちゃってるんかな?(≧∇≦)

      もし見られたなら
      キャストが知りたいです!


      けど確かに
      最近安易な小説の映像化が多いので
      不安感ありありです(笑)(^_^;)
      (今放送中の「東京バンドワゴン」は結構お気に入りやけど笑)


      2013/12/01
  • 人知れず、我が地域を守るおっさんたち。ジジイ扱いされるにはまだまだな活躍ぶりがカッコいい。だって息子夫婦をぶん殴っちゃうんだもの。
    その夫婦の子供祐希は、これまたクソ生意気な孫だけど、おっさんたちより主役感あり。

    孫ができてジジイって呼ばれたら、、、
    このおっさんたちみたいに負けねーぞ。(すでにおっさんだけどね)



  • いやー、心が温まるなぁ。

    人の本当の優しさが詰まってます!!

    こういう優しい人に私もなりたい!

  • いつまでも若い心を持っていたいと思わせてくれる。
    自分が変われば周りも変わる。
    年寄り、若者両方の視点が描かれている。
    大人って難しいですねー

  • このところ、たまたま偶然ではあるんだけれど、家族とかご近所とかの多世代を中心に据えた本を続けて読んでいると、うらやましいな・・と思っている自分に気づいて、はっとする。
    以前は自分の世代だけでこと足りる環境にいて、特に不自由なくやっていると思っていたんだけどね。
    そういう年齢になったということなのかな。


    剣道の達人で、定年後ゲームセンターの経理を担当する、キヨさん。
    居酒屋を息子夫婦に任せ、柔道家でもある、シゲさん。
    工場を営み機械の扱いが得意なノリさん。
    3人は、60歳を迎えた時間を持て余し気味。子どもの頃、「3匹の悪ガキ」と呼ばれていた彼らは、自分たちの住む町で起こる身の回りの事件に正義の味方として立ち上がることを決意する。

    キヨさんの家にはイマイチピリッとしない息子夫婦とその一人息子の祐希クン。これがまた、今どきの高校生で表向きはナマイキなんだけれど実は芯がすぅーっと通っている。キヨさんにだけはなかなか素直になれないんだけど。それでも内に抱いた素直さと聡いところが次第に見え隠れするようになり、急に大人びた言葉にキヨさんも意表をつかれることもしばしば。

    祖父母に対しては一目置いている祐希クンも、未だに娘時代を引きずり金銭感覚や大人としての振る舞いに欠ける母親と毅然とした態度のとれない父親に対してはかなり辛辣。

    祐希クンは大人に対する冷静な目を持ち、祖父母の姿から学んでいる様子で幅広い年齢層とのやりとりも好ましい。

    厳しくも温かいキヨさんや自作の機械で相手にダメージを与えるノリさんの活躍も華々しいが、無骨でありながら人の懐にするりと入っていけるシゲさんもいい味を出していて、バランスがいい。


    この1冊の最初と終わりとでは、キヨさんの家の祖父と孫、息子夫婦の姿に大きな変化が現れる(特に祐希クンの母親には注目したい)。きっと何も始めなかったのならば、何も変わらなかったのかもしれない。

    どこかでボタンを掛け違えたり、進んでいた道がずれてしまって関係性がぎこちなくなることは珍しくない。それでも変化を恐れずに一歩踏み出せば、絡まった糸がほぐれるように好転の兆しが見えてくるものなのかも・・・。

    有川さんの人々に向けたまなざしの温かさを感じる。人はきっかけがあれば良い方向に変化するもの。その人をあきらめることなく、より良く生きるための潜在能力を誰しも持ているのだと信じさせてくれる。

  • ドラマの再放送ではまり、小説を読んでみた。
    三匹最高、だいすき。

    私はもともと、有川さんのくだけた文体が苦手だったんだ。
    この本でも、キヨの孫ゆうきのくだけた口調が、最初は苦手だった。ドラマを見ていたのでゆうきのキャラはわかっていたのに苦手って・・・と、我ながら思うけど、なんとなく文章で読むと冷めてしまうのだ。
    しかし、読みすすめるうちに、ゆうきのくだけた口調の中に、彼の照れ、優しさ、悲しさなど色んな思いを感じられるようになっていった。
    そうしたら、そういう文体も全然苦手ではななくなった。むしろ、こういう文体だからこそ伝わるのではないかな、と思った。
    三匹のキャラクターも、話し口調、セリフのよって際立っている。

    時代劇をイメージして書いたという本作。
    時代劇といえば勧善懲悪。
    三匹も、ご近所にはびこる悪を成敗してくれる。スカッとする。
    そして、家族愛のお話でもある。第三話でシゲが妻に作り話を聞かせて、優しい言葉かけたところ、思わず涙。世の男性たちなら怒り狂う場面で、相手を気遣って作り話を聞かせるっていうのがさ、良いよね。シゲの優しさが染みた。

    ドラマは、ノリ役の志賀廣太郎さんがお亡くなりになって、続編が作られることはきっとないだろう。それくらい、三匹はこの3人しか考えられないっていう絶妙なキャストだった。
    小説は、「ふたたび」も読むつもり。
    今更読み出したにわか三匹ファンですが、もっと続編がほしい・・・!と願ってしまいます。

  • これは愉快痛快!続編の『ふたたび』を早く読みたい!

    我が娘に伝言。
    私も、赤いちゃんちゃんこは断固拒否するのでそのつもりで。

  • これは楽しませてもらいました。ドラマはたぶん見ないけど...。予定調和が大好きな日本人にはこれでいいのだ(偏見ご容赦ください)⁉ 続編はちょっと間を置いてから読もうかな。様々な社会問題を提示しつつ青春ストーリーを盛り込むあたりもさすがですね。次作も楽しみです。

全1617件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

有川浩(ありかわ・ひろ)
高知県生まれ。二〇〇四年『塩の街』で電撃小説大賞大賞を受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊三部作」、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』など著書多数。

「2017年 『ニャンニャンにゃんそろじー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

有川浩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×