三匹のおっさん (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
4.14
  • (2007)
  • (2382)
  • (943)
  • (125)
  • (22)
本棚登録 : 17969
感想 : 1650
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167831011

感想・レビュー・書評

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  • ドラマの再放送ではまり、小説を読んでみた。
    三匹最高、だいすき。

    私はもともと、有川さんのくだけた文体が苦手だったんだ。
    この本でも、キヨの孫ゆうきのくだけた口調が、最初は苦手だった。ドラマを見ていたのでゆうきのキャラはわかっていたのに苦手って・・・と、我ながら思うけど、なんとなく文章で読むと冷めてしまうのだ。
    しかし、読みすすめるうちに、ゆうきのくだけた口調の中に、彼の照れ、優しさ、悲しさなど色んな思いを感じられるようになっていった。
    そうしたら、そういう文体も全然苦手ではななくなった。むしろ、こういう文体だからこそ伝わるのではないかな、と思った。
    三匹のキャラクターも、話し口調、セリフのよって際立っている。

    時代劇をイメージして書いたという本作。
    時代劇といえば勧善懲悪。
    三匹も、ご近所にはびこる悪を成敗してくれる。スカッとする。
    そして、家族愛のお話でもある。第三話でシゲが妻に作り話を聞かせて、優しい言葉かけたところ、思わず涙。世の男性たちなら怒り狂う場面で、相手を気遣って作り話を聞かせるっていうのがさ、良いよね。シゲの優しさが染みた。

    ドラマは、ノリ役の志賀廣太郎さんがお亡くなりになって、続編が作られることはきっとないだろう。それくらい、三匹はこの3人しか考えられないっていう絶妙なキャストだった。
    小説は、「ふたたび」も読むつもり。
    今更読み出したにわか三匹ファンですが、もっと続編がほしい・・・!と願ってしまいます。

  • 構えることなく、楽しめる本。
    キヨ、シゲ、ノリという幼なじみ三人のおっさんのお話。
    周りの人々も、とても個性があって良
    かった。

    実際、三人のおっさんで自警団を作り、悪を懲らしめることは、今の日本無理かと思う。日本は治安のいい国だとはいうが、多分ないだろう。だが、ひとつ思い出すのは、子供の頃住宅の自治会で
    “火~の用~心!”と寒い中、親と拍子木を叩いた覚えがある。


    孫、娘の若いふたりの今後も、微笑ましくて見守りたくなる。
    幸せになれるのかな?
    まだ、大学生だけど・・・・
    ・・・・・2巻も出ているという、まだ!
    読んでいない!

    • ほたるぶくろさん
      はじめまして、ほたるぶくろです。
      コメントありがとうございました!
      私は40代の女性です。
      チョコレートですが、スマホの操作全般が苦手で、削...
      はじめまして、ほたるぶくろです。
      コメントありがとうございました!
      私は40代の女性です。
      チョコレートですが、スマホの操作全般が苦手で、削除方がわからずに残っている…と言う状態です。

      今、コメント頂いた喜びと興奮で胸がいっぱいの状態でメッセージを入れさせて頂いています。
      おかしな事を言っていたらごめんなさい!
      また落ち着いて、操作も慣れたらコメントさせて下さい。
      2021/05/17
  • これは楽しませてもらいました。ドラマはたぶん見ないけど...。予定調和が大好きな日本人にはこれでいいのだ(偏見ご容赦ください)⁉ 続編はちょっと間を置いてから読もうかな。様々な社会問題を提示しつつ青春ストーリーを盛り込むあたりもさすがですね。次作も楽しみです。

  • 還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。ご近所に潜む悪を三匹が斬る!その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与え…。
    痛快活劇シリーズ始動。
    ゲーセンの売上金の強盗、悪質な詐欺、結婚詐欺、動物虐待犯などを凄腕の三匹のおっさんが成敗する痛快さ、祐希と早苗の甘酸っぱい恋、キャラクターの心理描写も丁寧で、痛快な後味の小説に仕上がっています。
    祐希がキヨにファッション指南したり、母親のパート先の人間関係の悩み事の相談に乗ったり、世代間の交流が丁寧に描かれ、共感しやすいです。北大路欣也さんたち主演のドラマも、面白いです。

  • 1〜3話の勧善懲悪な話はオチが見えてしまう感あり、しかし4話以降は、色々な問題を掘り下げており、意外と深いストーリーだなと感じてます。
    特に4話と6話が非常に印象に残りました。

    特に6話なんて老人特有の問題じゃなくなってると私は思ってます…

    いずれ自分の周りにも三匹のおっさんが陰でこっそり動いてくれないかと期待してしまいます。

  • 有川浩の小説は物語によって世界観に入り込めたりダレちゃったりするけど、これは面白かった。

    評価が高いのも納得。
    するするーっと漫画みたいな感覚で読み終わってしまった。

    どの回も面白かったけど、個人的には重雄と登美子の回好きだなぁなんか。最後の下の会話がグッときた。

    清田清一はちょっと読みながら何回も噛んじゃった。

    あと、早苗ちゃんみたいな人が近くにいたらちょっとイライラしそう。
    でも潤子はいい仕事したと思う。嫌いじゃない。

    一番笑ったところは
    「則夫、エレクトリック・パレード」

  • 年のせいか、若い子の恋愛モノより、ジイさん達の痛快アクションの方がしっくりくる。
    現代社会の問題も散りばめられており、サクサク読める。
    しかし、実際にこんなジイさま方が身近にいたら疲れるかもしれない…。2019.5.2

  • “三匹のおっさん”達の活躍ぶりがいい感じ。登場人物たちも愛らしい。

  • 還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、と
    幼なじみの悪ガキ3人組が自警団を結成し、
    恐喝、動物虐待、詐欺、催眠商法などに立ち向かう。
    3人のうち、キヨこと清田清一は剣道の達人、
    シゲこと立花重雄は柔道の達人、
    ノリこと有村則夫は機械に強くて頭脳派。
    個性的な3人はジジイとか呼ばれるのは嫌う。
    おっさんと呼べと。
    この3人に、キヨの孫・祐希とノリの娘・早苗が加わり、
    事件が動く。

    痛快で楽しい、どこの地域にもいそうな人々だけど、
    ここまで活躍してくれると、
    老後の不安なんてちょっと吹き飛んじゃうね。
    有川浩さんの作品はいつも登場人物への愛情が
    満ちてて読んでいて爽やかです。
    特に第三話は故・児玉清さんも絶賛されていましたが、
    私も一番好きです。
    結婚詐欺の被害に合いそうになったシゲの奥さんに、
    ラストでの優しい言葉がぐっときます。
    こんな優しい解決のしかたがあったのかと、しびれます。

    第一話から順に読むと、
    始めの方は武闘派だったので、中高生向けの本なのかと
    その軽い雰囲気になめてかかっていたら、
    徐々に還暦のおっさんたちのふところの深さとか
    思慮深さにじわ〜っときて、
    軽いキャラの代表のような祐希の成長ぶりに
    にんまりとして、
    さすが有川浩さんだと、やられた〜って気分になります。

  • 還暦を迎えた3人組の「おっさん」を主人公にした連作短編。
    有川浩さんらしく、なんともテンポの良い物語となっています。

    勧善懲悪的な、でも世相の社会問題も含んでいて、、
    水戸黄門というよりは、三匹が斬る!に近いのかな。

    個人的には、ズッコケ三人組を思い出したりもしましたが、、
    痛快、爽快、ちょっとほろりと、人情モノにラブコメ要素もプラスされて。

    世代を越えたつながりもまたいい味を出していて、
    続編もでているとのことで、文庫に落ちてくるのが楽しみですね~

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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