怖い絵3

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  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255004808

感想・レビュー・書評

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  • 2016.4.4

  • 松阪BF

  • 完結編から読んでしまった…。
    氏の他本と被っている作品もあったが楽しく読めた。美術鑑賞し出して以来、絵のモチーフの意味するものや歴史背景、画家のアイデンティティ等を知りたいと思っていたので、どの作品を読んでも楽しい!

  • 時代や作者の背景を知ることで絵への理解を深めるという意図がはっきりしており、簡潔且つ入れ込み過ぎない程度に感情を含めた解説で記憶に残りやすく、とても面白い。

  • 怖い絵・第3巻完結。
    シリーズを通して、絵の解説書としては手に取りやすく分かり易く面白い。最近西洋画離れをしていたけど、視野を広げる良いきっかけになった。
    「皇女ソフィア」はその姿にインパクトがあり過ぎて周囲の様子をよく見ていなかったけれど、改めて目を向けるとこんなにぞっとする要素が…勉強になりました。

  • 「2013年 インターンシップ学生のオススメ本」

    http://opac.lib.tokushima-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?materialid=210001647

  • 『ジン横丁』やばいです。。

  • 読書録「怖い絵3」4

    著者 中野京子
    出版 朝日出版社

    P208より引用
    “こうして農業にも資本主義を持ち込むことを覚えた大地主階級
    は、徹底して領地を自分たちだけのために利用し尽くすことにし
    た。それが「囲い込み(エンクロージャー)」だ。”

     ドイツ文学、西洋文化史が専門である著者による、絵画にまつ
    わる物語と隠された意味を解説した一冊。
     ヴィーナスの誕生から夢魔まで、パッと見ただけではわかりに
    くい絵画の深い部分が記されています。

     上記の引用は、地主夫妻の肖像画の解説での一文。
    こうして土地を買い集め生産性だけを向上させた結果、土地や教
    養の放牧地を失った人達は、都市へ仕事を求めてあつまり、低賃
    金の労働に就くしか無く、貧困に苦しんだそうです。
    一部の人達の強欲のためにその他の人が苦しむと、結局回り回っ
    て全体的な不況となってしまい、強欲な人達も欲を満たせなくな
    る時がいずれやってくるのではないでしょうか。
     この様な苦しく悲しい歴史を繰り返さないためにも、一時の効
    率だけを優先させるために、あらゆるものを一部に集めすぎるの
    は避けたほうがいいような気がします。
    本当に大切なことは、非効率的に時間をかけることでしか進める
    ことが出来ないのかもしれません。

    ーーーーー

  • 解説を読んで初めて気がつく絵の細かい部分がたくさんある。
    隅々見ているはずなんだけど見落としが多いのは
    やっぱり中心となる絵がインパクありすぎるのかもしれない

    この作者以外の人はこの怖い絵に掲載されている絵を
    どう見ているのか気になります

  • 世界の名画を歴史的視点から見て、実はこれって怖い絵なんだよ~という本。
    もう見るからにこれは怖いでしょ、という絵もありますし、パッと見て何でこれが怖い絵なん?というのもあります。

    例えば、ルーベンスの「メドゥーサの首」などは見るからに怖い。
    怖いというより気持ち悪い。
    本に印刷された絵を見てるだけで吐き気がしてくるぐらい。
    首を切り落とされたメドゥーサの目や鼻から流れる血。
    その表情だけで壮絶ですが、何よりも頭の蛇や爬虫類が気持ち悪い。
    蛇の中にはメドゥーサの頭から離れてとぐろを巻いたり、蛇同士でケンカしたり・・・。
    色合いも見ているだけで気色悪い配色。

    反対にパッと見て怖い絵だとは思わない絵は、ボッティチェリの「ヴィーナス誕生」、ベラスケスの「フェリペ・プロスペロ王子」、ゲインズバラの「アンドリューズ夫妻」など。

    「フェリペ・プロスペロ王子」などはパッと見て「わぁ~。可愛い」と思いました。
    幼い金髪の王子が少女のようなドレスを着て、腰から鈴を下げているんです。
    ところがそのドレスにも鈴にも意味があって、当時男児は女児よりも死亡率が高かったので厄除けでそういう装いをしていたというんです。
    しかも、当時は幼い頃から「我慢を教える」として、子供にコルセットをつけて、胸を締めつけるこの拷問具は子供らしい活発な動きを制限したばかりでなく、充分な呼吸を不可能にし、内臓の健やかな発育まで阻害したそうです。

    こうやって見ると、神話や歴史を知って名画を見るとまた別の見方ができるのだと思いました。

    私がこの本で一番印象に残ったのは、レーニの「ベアトリーチェ・チェンチ」です。
    この絵を見て、「えっ!この人が?」と軽く驚きました。
    以前ベアトリーチェのことは本で読んで知っていました。
    ベアトリーチェは暴君の父親の殺害をはかった女性。
    そのために家族を巻き込み、殺害が発覚してからも最後まで口を割らなかったのがベアトリーチェです。
    美女で聖女っぽい外見とは裏腹に計算高く、したたかな女性という印象がありました。
    それが絵を見ると、あまりに少女のようで、清らかで、これがあの?という意外性から何度も見てしまいました。
    そう思わせるところがまた「怖い絵」という事なのかも。

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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