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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309028835

感想・レビュー・書評

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  • 「文藝」の特集で注目された内容を小説に限定したオムニバス小説集。本テーマを軸にした韓国、日本の小説が楽しめるが、まだまだネガティブな問題が多い故に、内容も重いものが多い。

  • 表紙がおしゃれで購入した
    短編小説が沢山入ってる本
    面白い。はまる。

  • 図書館の韓国文学コーナーからざっと気になるものを借りてきたうちの一つ。韓国文学の知識はゼロに等しく、韓国文学ガイドのようなものとセットでとりあえずアンソロジーを読みたいと思い選んだ。

    フェミニズム、と銘打たれているので、関心は多少あれども詳しいとは口が裂けても言えない自分は少し身構えてしまったけれど(心の内を抉られるかもしれない、という意味で)、重い話もあればほろりとくる話もあり、読後感はむしろ爽やかだった。全体を通してどことなくユーモア(もちろんブラックユーモアもあるが)とエッジが効いていて、普段現代小説をほぼ読まない私でも一気読みしてしまった。完全版もあるらしいのでいずれ読む。

    チョ・ナムジュ『離婚の妖精』、パク・ミンギュ『デウス・エクス・マキナ』、高山羽根子『名前を忘れた人のこと』、パク・ソルメ『水泳する人』、星野智幸『モミチョアヨ』が個人的なお気に入り。
    『離婚の妖精』
    ダインとの会話が好き。最後、理解できてしまったけれど、それなら自分との時間は何だったのか?と主人公が思ってしまうのも正直分かる。あとなんとなく谷崎潤一郎『卍』や坂口安吾『外套と青空』を思い出した。これらはフェミニズム目線で言えばよろしくない作品なのかもしれないけれど。
    『デウス・エクス・マキナ』
    パニック映画が好きだから(正直)。ネバー エバー で引くほど笑ってしまった。すかさずツイッターで遺言を呟く日本人。インパクトが凄すぎて、この後の作品が引きずられてしまうと思いここで一旦小休憩を挟んだ。映像で見たいが絶対に無理。
    『名前を忘れた人のこと』
    無知の恐ろしさ。個人同士の会話が、集団の運命じみた問題の対決となってしまうこと。何と言うか、一番自分に近いと感じた。わりかし綺麗に整った、淡々とした文体なのに、自分を暴かれる感覚があるような、読ませる文章だなあと思った。
    『水泳する人』
    頻出する地名や食べ物の細かな描写でリアリティを与えつつ、時折ふっと夢の中に落ちて曖昧な境目を揺蕩う、不思議な短編だった。ブラッドベリあたりに近い作品があった気がするけれどタイトルを失念してしまい探してみようかなと思っている。
    『モミチョアヨ』
    一人称で少し怯んでしまったけれど、数年で変わり去っていく街の描写、アジョシたちとの交流、星野と友浦のゆるい会話、読み進めるほど面白くなっていったところであのラスト。これが一番最後に掲載されているのも納得。

    詳しくない故に感想にあまりフェミニズムを絡めきれなかったのが心残りだけれど、感想を書いていない作品も含めて、本当に読んで良かったと思える現代小説だった。まずはこの本で気になった作家から韓国文学を読み進めていこうと思う。 

  • とくに好き:
    「韓国人の女の子」西加奈子
    「ゲンちゃんのこと」深緑野分
    「京都・ファサード」ハンガン

  • 韓国の文章、表現の違いというものを知れた。
    韓国は意外にも抽象的な表現多く、ロマンティストなんだろうと感じた。

    フェミニズムに関してはあまり興味がないので、抽象的な文章と相まって、よくわからない内容の話が多かった。

  • 咀嚼するのが難しいけど、とても綺麗で繊細なお話

  • チョ・ナムジュさんの映画を見て、この人の作品をもっと知りたいと思い購入。
    フェミニズムなどのジェンダーについてだけではなく、人種差別化的、具体的には日本の朝鮮人に対する差別的な扱いなどの社会問題を取り上げていた。

  • 韓国と日本の作者の短編集。フェミニズム小説が多い。

  • ハズレなしで、全部面白かった。中でもとりわけ、西加奈子のパワルフな切なさもよかったし、ハン・ガンもやっぱりすごかった。

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著者プロフィール

チョ・ナムジュ:1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科を卒業。放送作家を経て、長編小説「耳をすませば」で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサンボル青年文学賞受賞。『82年生まれ、キム・ジヨン』で第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。大ベストセラーとなる。2018年『彼女の名前は』、2019年『サハマンション』、2020年『ミカンの味』、2021年『私たちが記したもの』、2022年『ソヨンドン物語』刊行。邦訳は、『82年生まれ、キム・ジヨン』(斎藤真理子訳、ちくま文庫)、『彼女の名前は』『私たちが記したもの』(小山内園子、すんみ訳)、『サハマンション』(斎藤真理子訳)いずれも筑摩書房刊。『ミカンの味』(矢島暁子訳、朝日新聞出版)。『ソヨンドン物語』(古川綾子訳、筑摩書房)が近刊予定。



「2024年 『耳をすませば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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