存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く
- 河出書房新社 (2020年11月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309249834
感想・レビュー・書評
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データの詳細ばかりで読みにくいと思って始めたが、途中からこの時代に女性に産まれたことに絶望した。だが最後は声を上げてこの世の中を変えようとしてくれている人達がいる事に涙が出た。
どうしてこうも気を遣いながら生きなければならないのか、男に家事をさせるだけでも女は言い方を工夫し、褒めなければならない。女性は毎日行なっているにもかかわらずだ!
でも世の中をかえるのもこうしたやり口をしていかなければ変えてすらもらえないのは理不尽と感じるが、やるしかない。
女性目線が世の中にもっともっと取り込まれて世の中が本当の平等になる日が来ることを切に願う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1376289 -
読みやすかった!!
今は男女平等だろ、と言われてまあそうだなと思いつつも何かもやもやしたものを感じてた私にとって気づきを与えてくれる本でした
たしかに表面上は昔と比べたら男女平等になってきているけれど、そもそも標準とされるものが男性仕様だったり、男性分しか実証実験がされていなかったり…と標準とされているものに欠陥があるという指摘(もちろんファクト付き)は目から鱗でした
アメリカの独立宣言が、"全ての人間は生まれながらに平等"と高らかに宣言していますが、この"人間"に女性が含まれていなかったことを思い出します
ヒラリークリントンを(所謂"女性"像に当てはまらないという悪い意味で)野心的と捉える心理はショックでしたが、この心理は長い人類の歴史の中で作られてしまったものだと思うので、ヒラリーみたいな人がこれからたくさん出てくることでしか解決されない気もします
ボーヴォワールが"女性は女に生まれるのではない、女になるのだ"といったのは正鵠を射ているとこういう事例をみると実感します
そのためにも私含め本来"野心的"な女性がもっとアグレッシブに、自分に嘘をつかず上を目指す姿勢を打ち出して行けたらいいな、と勇気をもらえる本でした -
悪く無いが一辺倒、新しい発見も多いが兎に角単調
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データの不在・偏在に衝撃を受ける。「女性にとってはどうか?」、「女性のデータはあるのか?」と問うべきだという意識を強くしてくれる一冊。
まず日本はどうかと調査したい。データがあるのだろうか。 -
エピソード,データを,纏綿と記述しているだけなのだが,説得力はすごくある.翻訳はとてもよくて,読みやすい.invisible を存在しないと訳してあるのは,どうかなとは思う.
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除雪の話
公共交通期間を使う割合は女性の方が多い⇔男性は自家用車
トリップチェインと呼ばれる
(送り迎え、買い物とか)
除雪を歩道や公共交通機関周りからはじめた
⇒怪我が減って医療費削減になった
トイレが平等とはどういうことか?
床面積が一緒だと収容人数が大きく異なる
一人当たりの時間は女性の方が2.3倍
(子連れ、介護者連れ、生理中等)
かつ女性の方が頻繁にいく
10歳を超えると公園の利用率が男女で違う
⇒女子は場所取りで男子に勝てる気がしないから
⇒広い1スペースではなく、小さく区分けをしたり入り口を増やして入りやすくした
有給出産休暇を保証していないのは世界で4カ国だけで、その一つがアメリカ
育児休暇は強制的に取る制度にしないと男性の取得率が上がらない
スウェーデン:男性専用の育児休暇、取らないと休業手当から差し引かれる -
これもあんまり気がのらず。細かくて分厚い!
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2021.5.8市立図書館
男女の格差の問題がなかなか解決しない日本のみならず、世界中のさまざまな仕組みが男性中心主義になっていて、女性というのは全体としてまともに扱われていないことをたくさんのデータ(の不在)を元に論じている。さまざまな「基準・標準」は白人男性の典型的な体格やライフスタイルに偏り、それに合わなければ「非定形」「例外」扱いになりがちだという具体例のおびただしさ。働き方はもとより、楽器や自動車、スマホのサイズ(←iPhoneのサイズについてはちょっと前にぼーずがいろいろ批判してた)、音声認識の成功率、薬の効き目、災害復興まで、本来は規格や学習(実験)データ側の問題のはずが本人の努力で克服すべき/あきらめなければいけないものと思わされてきたなんて、なるほど、考えてみればちょっとひどい、と思えてくる。女性が最新家電に興味がないというのは見せかけで、方向性が女性のニーズとずれているとか、財布を握っているのは男性だとか別の要素が大きいというのもなるほどと思った。そして無償のケア労働の問題。これは保育や介護など女性が多く従事する労働環境とも大いに関わる課題なので、時間がかかっても、変わっていってほしい。
後半はざっと走り読みになってしまったが、日本はほんとにひどいけど日本だけじゃないと知って、世界中の女性が連帯する必要を実感した。 -
データのジェンダーギャップが存在しているということから目をそらしてはいけない、ということをたくさんのデータから示した内容でした。同じようなことをマイノリティと呼ばれる人たちを対象にした研究は必要だと思いました。はい。