- Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334792084
感想・レビュー・書評
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異形コレクションシリーズ51冊目。
今回のテーマは「秘密」。
「インシデント」黒澤いづみ
当人にはめちゃくちゃホラー。
「胃袋のなか」最東対地
留守録だけで進んでいくのが面白い。
「世界はおまえのもの」平山夢明
なんか好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回は、全体的にレベル高し。「生簀の女王」だけは、ちょっと理解出来なかった。
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やはり澤村伊智、セリフに音声が当てはまったぜ
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平山夢明さんの「世界はお前のもの」が特に好き
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面白かった!
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今回の<秘密>というテーマ。上掲の編集序文にもある通り<秘密>とは怪奇幻想でも推理小説でもそれが一つの肝となる。正確にいえば事件によって“謎”が提示され、それが徐々に明かされていく過程で<秘密>の存在が立ち上がり、さらにそれが明らかになることによって読者の感情を揺さぶる―衝撃、感動、涙、あるいは怒りetc……というのが定型だろう。
……その一方で、現実の世界においては<秘密>は往々にして「知らない方がよかった事」でもあるようで。
あくまで個人的印象だが、<秘密>というテーマからしてミステリ寄り、あるいは幻想系やファンタジックな作品が多いのかなという予想に反し、モダンホラーの味わいを感じるような作品が多かったようで、その辺りも嬉しかった。
詳しくはこちらに。
https://rene-tennis.blog.ss-blog.jp/2021-11-30 -
今回のテーマは秘密ですが、ホラーやミステリーはそもそも秘密や謎があってのものなので、さまざまな短編が集まった感じでした。ところで、複数作者の短篇集ってなかなか電子化されないような気がします。いろいろ難しいのでしょうか。
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異形コレクション、今回のテーマは「秘密」。広大にして深遠なテーマなので、バリエーションに期待できます。そもそも怪奇幻想のジャンルには必ずと言っていいほど「秘密」が隠されていそうですよね。
お気に入りは澤村伊智「貍 または怪談という名の作り話」。これ、なかなか気づけませんでしたが。気づいたとたん恐怖は笑いになり、しかしやっぱりとんでもない恐怖に陥ることになります。よりにもよってあれを怪談にしてしまうだなんて……なんと恐ろしいことを。
一番恐ろしいかもしれない作品は斜線堂有紀「死して屍知る者無し」。人間は死後動物に転化するというコミュニティを描いた物語。一見ファンタジックに思えつつ、この恐怖はあまりに現実的で恐ろしいです。しかも普通ならそうでもないのだけれど、その世界でこその「常識」があったゆえに、それが崩れ去ることの恐ろしさといったら!
井上雅彦「夏の吹雪」もなんとも素敵な作品。恐怖よりも美しさがひたすらに印象的です。