真藤順丈リクエスト! 絶滅のアンソロジー

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334914219

感想・レビュー・書評

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  • 小説宝石2020年1月号王谷晶:○○しないと出られない部屋、6月号真藤順丈:(ex): 絶滅教育、7月号平山夢明:桜を見るかい?、8・9月合併号河崎秋子:梁が落ちる、10月号佐藤究:超新星爆発主義者、町田康:全滅の根、12月号木下古栗:大量絶滅、2021年1・2月合併号宮部みゆき:僕のルーニー、3月号東山彰良:絶滅の誕生、5月号恒川光太郎:灰色の空に消える龍、の10の絶滅をテーマにした短編アンソロジー。いずれも手強い内容で、読む端からこぼれ出してしまい、内容が残らない。王谷さんのがかろうじてついていけたかな。残念。

  • 【収録作品】「超新星爆発主義者」佐藤究/「絶滅の誕生」東山彰良/「梁が落ちる」河﨑秋子/「○○しないと出られない部屋」王谷晶/「(ex):絶滅教育」真藤順丈/「僕のルーニー」宮部みゆき/「桜を見るかい?」平山夢明/「大量絶滅」木下古栗/「灰色の空に消える龍」恒川光太郎/「全滅の根」町田康
     クセが強すぎて、苦手な話が多かった。好みなのは宮部みゆきさんの作品くらい。

  • 読書家にして、絶体絶命のピンチに目がない真藤順丈が、今いちばん読みたいテーマで、いちばん読みたい作家たちに「お願い」して、生命力に満ちたアンソロジーができました。大丈夫、きっとまた会えます。あなたの心が滅んでしまう前に。

  • 編者のが一番面白くなかった。

  • 木下古栗「大量絶滅」収録。

    遠藤希実子は、由芽や心といった言葉を下ネタの隠語とした歌を歌う男性アイドルグループ、凛々リストのファン。今度、メンバーの一人がソロデビューするのだが、デビューシングルのジャケットは大量の生しらすの接写写真。
    希実子の彼氏の若林純一は、大学で出された演説についての課題のため、キング牧師やグレタ・トゥーンベリの演説動画を見ている。
    アイドルグループの歌詞と演説の言葉が交錯する、木下古栗らしくて下品で笑える作品。

    ほかの作品も全体的に面白く、

    コロナウイルス蔓延後、黄禍論が再燃したアメリカでアジア人殺害事件を追う、佐藤究「超新星爆発主義者」

    世界の誕生から後悔の誕生までを神話風に描いた、東山彰良「絶滅の誕生」

    絶滅したはずのニホンオオカミの目撃談をきっかけに始まった探索活動に参加したことから、山の中で人知れず行われる秘密に巻き込まれる、真藤順丈「(ex):絶滅教育」

    商業的理由から消去されようとするデジタルペットのルーニーを守ろうと反対団体が運営会社を攻撃する渦中でエゴがにじみ出る、後味の悪い宮部みゆき「僕のルーニー」

    遺伝子操作によって生まれる子供をデザインするのが当たり前になった世界を舞台に安倍元総理夫妻を諷刺する、平山夢明「桜を見るかい? Do you see the cherry blooson?」

    山中の神社の神主を継ぐことになったヨシマサと、武士として死ぬことを願い山の中に入ってきたリサイとの静かな交流を描く、恒川光太郎「灰色の空に消える龍」

    友人の安井は、続発する不幸を鎮めるため盆踊りの開催を企図するのだが、当日現場に行ってみるとなぜかルール無用の「新相撲」大会になっていて、旧相撲力士との確執から参加者が死に騒動に発展する、町田康「全滅の根」

    などが特に印象的。

    (評価は木下作品について)

  • 王谷晶、佐藤究、町田康目当てに読む
    超新星爆発主義者/佐藤逞
    ◯◯しないと出られない部屋/王谷晶
    全滅の根/町田康
    ほかに好きなのは
    僕のルーニー/宮部みゆき
    大量絶滅/木下古栗
    全作楽しめた

  • 「絶滅」をテーマとしたアンソロジー。ということで、暗澹、殺伐としたものを想像してしまいましたが。そうとも限りません。どれもがとても独特で、インパクトがありました。
    お気に入りは宮部みゆき「僕のルーニー」。とてもほんわかして優しく穏やかな印象を持ちつつも、いやいやあのラストは……! だけどどちらの味方をしてやりたくなるかと言えば、やっぱり……ねえ?
    恒川光太郎「灰色の空に消える龍」も魅力的な一作。「剣豪として死ぬ」というのがどういうことなのか、その意図には笑っちゃったな。なるほど。

  • 作家が自分の好きな作家たちにテーマを出して短編を集めて一冊のアンソロジーを編む、という作家リクエスト企画のアンソロジー、本作のテーマは「絶滅」。

    編者となった真藤氏が「はじめに」でも語っているように、絶滅と言っても多種多様な物語が集まっていて、このごちゃ混ぜ感がまさにアンソロジーの魅力だなあ、と思う。

    好きで多くの著作を読んでいる作家が寄稿している一方、名前を初めて知った作家の作品も多く、こういう機会がないと知らなかった作品に出合えるのもアンソロジーの醍醐味だとつくづく思う。

    どちらかというと皮肉な味わいの短編が多いように感じたけれど、それは人選によるものなのか、絶滅という皮肉にならざるを得ないテーマによるものなのか。

    不思議な読後感の短編が多く、一作読み終わるごとに、ちょっと一息いれたくなる、そんな短編集だった。

  • 2021年発行、光文社のソフトカバー本。10編。どうもこの手の小説は苦手である。これが今の小説の形というのなら、私は古い感覚ということとなるが。ということでどれも感想を書くほど深く入ってくるものはなかった。宮部みゆき著『僕のルーニー』宮部みゆきモノなのだが、入っている前後の小説の影響かやっぱり入ってきていない。

  • お題を出して書いてもらって、期待外れだった場合、切り捨てられずに困っただろうな。と思わせる一冊でした。
    それでも敬意を表せねばならなかったと見え、まえがき・あとがき、が痛々しい。

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著者プロフィール

著者:王谷晶(おうたに・あきら)
東京都生まれ。小説家。著書に『探偵小説(ミステリー)には向かない探偵』『あやかしリストランテ 奇妙な客人のためのアラカルト』『完璧じゃない、あたしたち』など。

「2019年 『BL古典セレクション③ 怪談 奇談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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