螢 (幻冬舎文庫 ま 3-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 2219
感想 : 247
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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410350

感想・レビュー・書評

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  • 読了

  • いまいち
    2/4/19

  • 4

  • ■前回レビューの『隻眼の少女』でぼくは、「この人(麻耶雄嵩)の作品は例外なく”驚き”を与えてくれる」と紹介したのにさっそく、『螢』はあんまり”驚き”はなかった……。
    作者もそれを分かっててエピローグで下駄を履かせようとしたのだろうか。だが、最後1ページで読者の虚を突こうとするような姿勢には好感が持てないし、生き残りの名前を明かさないのもイジワル。かえって逆効果だった。
    ■一人称の文体の主語が不自然にぼやかされていたり、ある登場人物の呼び名が定まってなかったりする。作者がそれに気がついてないワケがないので、当然読者はそれが伏線だと認識して叙述トリックを勘ぐりだす。結果そればかりが気になって肝心の物語に集中できなくなる。……作者が作者だから、そんな効果を狙ってワザと叙述っぽい文体を押し出した可能性もあるって? いや、効果でも伏線でもなくって、それが物語の邪魔になってるんだって!

  • うーん!上手い!流石麻耶先生。先生の作品の中では地味めな作品ながら随所のトリックはやはり上手い。仕掛けられたトリックは見破れたものはあったものの何段階にも組み上げられた全てを見抜くことては出来ず。騙されたことによる綺麗な気持ちよさと後味の微妙な悪さがたまらないねぇ。

  • ずっと違和感を覚えながら読んだ。その違和感の理由に気づく頃には、時すでに遅し…みたいな。

    2重構造?みたいな叙述トリックに「あーまた騙された!また麻耶雄嵩に転がされている」と…思う間もない衝撃のラストに唖然とする。さすが。そしてこの感覚がクセになる。






  • 文章の書きぶりにすっかり騙された。視点転換でこんなにも見える景色が違うなんて。通りであの人物の存在感が薄いわけだ。最後まで読んで、クエスチョンマーク連発。一体、どこで間違えた?再読必読書。

  • 麻耶作品の語り手はあてにならない!と警戒して読んでいたはずなのに…
    最初からあからさまにおかしいところもヒントもあったけど、やっぱり言われるまで気づかなかった…

    館の壮大なしかけはわりと好き。だかど、エピローグで全てが無に還る…もう狂気も動機もどうでもよくなってしまう…

  • いわゆる雪山山荘ものが読みたくて。

    人称はいかにもなので気づかせる前提と思う。性別に関しては部屋を確認しようとするシーンや彼女が倒れて服を脱がせようとするシーンであまりにも男子が無遠慮なのが違和感としてあったけれど特定の人称のときだけ認識が異なるとまでは見えていなかった。

  • 語り手誤認トリックは薄々気づけたものの性別誤認逆叙述で衝撃を受けてるところにあのラストで突き放されてなんとも言えない読後感だった

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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