孤独の価値 (幻冬舎新書)

著者 : 森博嗣

• 幻冬舎 (2014年11月27日発売)

感想・レビュー・書評

[Sarahmayuさんの感想 · 2020年5月6日]

森博嗣は大好きな作家だけどエッセイは読んだことなかったので新鮮。
想像通りの人柄。期待を裏切らない内容で面白かった。

[aquaさんの感想 · 2020年2月16日]

著者が実体験を元に「孤独」について語る。

普段から疑問を持っていて、何か他人の意見が知りたいと思い手に取った。まえがきから既に興味深く、ドライで冷静な人生論に引き込まれた。
いろんな感じ方があり生き方があるということを知らせたい、届けたいという思いが随所に見られる。
普段、人からこういう話を聞く機会は無いので、本があってよかったと心から思う。励まされるような気持ちになる箇所もあった。他者から価値観を否定されたときはこの本を思い出したい。

[まふゆんさんの感想 · 2019年12月22日]

積読していた森さんのエッセイを読む。
孤独がどんなにいいのか力説してくれているのかと思ったら、孤独が怖い人向けだった（笑）
私はむしろ一人大好きタイプなんで、途中まではピンと来ず。でも、世の中にはこんなにも一人の時間を持て余す人がいるのかー！と驚いた（森さんが書かれている文面を読んでの感覚です。実際は知らんけど）
最後の方の「結婚しない、結婚しても子供を作らない理由」っていうのが、私の中にストンと落ちた。色々言われているけど確かにこれが一番あるのかもしれない。
だとしたら、この先このままの状態が続くと本当に日本には子供がいなくなるかもしれないな、とふと思った。

[ganko165cmさんの感想 · 2019年11月9日]

孤独に関してフォーカスを当てた作品。
孤独はひどくなく、人間としての美を感じるものだという結論。

感情に影響するのは変化率。

孤独を愛する人と寂しさを感じる人に分かれる。
何かあった時は創作活動に精を出してみる
わびさびという美
つまらないものが愛おしく見えれば孤独の本質が理解できてるのでは。
孤独とは贅沢である。

[quazismさんの感想 · 2019年6月27日]

森博嗣という人はひねくれ者で変わっている、ということをあえて知らせたい人なのだろいうか。家族以外にめったに人と会わず、公共交通機関も使わず、孤独であることを楽しんでいる。蛭子さんと共通するところもあるが、タイプはかなりちがうようだ。蛭子さんのほうが共感しやすい。

[ありんこゆういちさんの感想 · 2019年5月13日]

男として憧れるのは、孤独を愛して一人ぼっち。男は黙ってサッポロビールという渋い男であります。でも概してこういう人は友達多いんですよ。野田知佑さんも男が孤独で何が悪いんだと書いていますが、その実めちゃくちゃ友達が多いですから。
僕も孤独を愛せるようになりたいなと思ってみたものの、人ごみや人と一緒にいる事がさほど好きではないのに、妙に寂しがり屋な部分があるのも分かっています。
それを踏まえた上でこの本を読むと、一人でいる事そのものをおかしい事だと思わずに、人と触れ合いたいとき以外は自分の頭の中と向き合って、創造的に生きて行こうと思えます。
そもそも森博嗣さん自体変人の域に達している人なので人の気持ちが分からない所が有りますが、そこも含めていちいち分析しているのがなんだか面白くて笑えます。理屈で行動しつつ情動を否定しない人っていいですよね。漫画の柳沢教授みたい。

[しゃもさんの感想 · 2019年5月13日]

一般的な孤独に対するマイナスイメージがあるけれど本当に孤独はいけないことなのかということを考える本。
友情、家族、絆のようなメディアで流されるできごとはあくまで商売、数字のためにやっているのであってそういった虚構の価値観を楽しめているのなら問題ないが、それで苦しむ必要はない。とても面白い考え方をする人だと思った。

孤独の価値というテーマではあるが、一番主張していたのは自分で考えろということであった。孤独とは本当に無価値なのか、いけないことなのか。先入観だけで思っていないか？思い込みだけで思っていないか？まずはじぶんで考えよう。孤独だけでなく既存の価値観すべてについて改めて考えなおさなければならない。

[あるふぁさんの感想 · 2019年3月31日]

森博嗣さんのエッセイ的な一冊。孤独について語る森博嗣さんは相変わらず、偏屈で、ご自分の世界を確立されていて、真似はできぬが「孤独」もそんな悪いものじゃないとお墨付きをいただいた気分にはなる。孤独と孤立は字面は似ているが、性質は異なるもので。群れたい人は群れればいいし、孤独を楽しむ人は楽しめばいいし、それをおかしいとか悪とかカテゴライズする必要はどこにもないわけで。

[ピックさんの感想 · 2019年3月10日]

絆は足枷と捉えるのは面白い考え方だと思った。

[七瀬。さんの感想 · 2019年2月10日]

タイトル通り、孤独の大切さを教えてくれる本です。

私としては、学校教育において孤独が非難されている現実が特に興味深かった。たしかに学校教育では仲間が意識され、一人でいるといわゆる友達がいない＝孤独とみなされ、可哀想な目を向けられる。
だが、勉強も読書も社会における仕事も基本的には一人で行うものである。確かに縦や横の連携や、協調性は必要だ。しかし、意見を共有するためには一人の時間が必要で、自分の考えを持たなければならないことは明確である。休み時間に読書をしたって、一人で絵を描いたっていいではないか。なぜ親はみんなと遊んでいるかを気にするのか。みんなと一緒にする集団行動は、授業で十分に学べるのだ。孤独と孤立は別物である。
一人であることを自ら選べるというのは、自分の世界を持っている強さである。まったく非難されることではない。これが、いじめとなれば別であるが。
私もこれを機会に、楽しい孤独を味わい、意識的に自分の世界を持とうと思った。

著者プロフィール

工学博士。１９９６年『すべてがＦになる』で第１回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「Ｓ＆Ｍシリーズ」「Ｖシリーズ」（ともに講談社文庫）などのミステリィのほか「Ｗシリーズ」（講談社タイガ）や『スカイ・クロラ』（中公文庫）などのＳＦ作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓　Fool　Lie　Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」