- Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488254094
感想・レビュー・書評
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上巻がよい。
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第二次世界大戦が終わり、没落した上流階級の母娘が屋敷に下宿人を住まわせることから少しずつ変わる娘の世界。階級の崩れ、帰還兵でごった返した不穏な空気が色濃く漂うイギリスが舞台。
下宿人の妻と家主の娘の関係の変化が緊張感の溢れる中で進み、作者ならではのロマンスになっていました。
上巻最後の衝撃的な台詞に下巻への期待が高まります。 -
サラ・ウォーターズの新作ときては、読まないわけにいかない(感想書くのは遅くなりましたが)
翻訳されないわけではなく、寡作なんですね。
第一次大戦後の1922年。
戦争で父親と兄たちを喪い、老いた母と二人で暮らすフランシス。
屋敷を維持するのも難しく、下働きも雇えないので自ら労働する日々でした。
やむなく下宿人を置くことにして、若夫婦がやってきます。
レナードとリリーの夫妻。
ちょっと嫌味だけど明るいまあ普通の夫。
綺麗で繊細なところのあるリリー。
初めて家に他人を入れてギクシャクする描写も綿密で、これがいつしか思いがけない恋へと転化していきます。
フランシスの母親が生活のためにも娘の結婚を望むのは、ある意味では当然のこと。
しかし、フランシスにとっては重過ぎる難題。
時代もあり、周りにも理解は求められない閉塞状況。
それでも、惹かれあい‥
気恥ずかしいぐらい甘い恋愛の揺れ動きと盛り上がり。
ところが‥!
ミステリというより文学といったほうがいいかもしれないウォーターズ作品ですが、事件は起こります!
捜査も裁判も最近のものとは違う雰囲気で、ちょっと距離がある描写のなか、窮地に立つ主人公たちの不安、緊張、悲しみ、思いがけない面‥
救いはないでもないのですが~胸が締め付けられるようでした。
綿密な描写が巧みなだけにね☆ -
2016.5
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感想は下巻で。