ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.74
  • (175)
  • (412)
  • (302)
  • (49)
  • (8)
本棚登録 : 3803
感想 : 285
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488406219

作品紹介・あらすじ

特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。21世紀の『そして誰もいなくなった』登場! 精緻に描かれた本格ミステリにして第26回鮎川哲也賞受賞作、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「そして誰もいなくなった」「十角館の殺人」への挑戦!とは、なんとも興味を惹かれる帯の文句。
    小型飛行船「ジェリーフィッシュ」内で次々と起こる殺人。真相を追う二人組の刑事……など、ミステリーのワクワク要素てんこ盛りなストーリーでした。
    事件当事者パート、刑事パート、犯人の独白パートがそれぞれ展開されていき、各視点から推察していけるのが面白かったです。男女の刑事バディもそれぞれキャラが立っていて好感が持てました。
    科学的なお話は正直理解できなくても雰囲気だけで十分楽しめます。シリーズ化もされているようなので機会があれば手に取ってみたいと思います。

  • そして誰もいなくなったのオマージュ作品ということで手に取りました。
    パートが3つに分かれており読み進めやすかったです。
    ただ、十角館の殺人ほど驚きがなかったのと、ジェリーフィッシュ内での殺人が結構あっさりだったのでもう少しクローズドサークルの世界観を味わいたかったのが少し残念。
    シリーズ物は好きなので続編も読みたいと思います。

  • そして誰もいなくなったのオマージュ作品の一つとして有名な今作だが、たしかに新しいスタイルの答えだった。
    トリックも分かってしまえば何も難しくはないのだが、その答えに行くまでにミスリードさせられているためなかなか辿り着くのが難しい印象。

  • 掛け値なしの面白さ。
    切ないね。

    ネタバレになってしまうから、
    これ以上は書けないけど。

    展開のすべてが妙に説得力を持ち…

    切ない。

    読後感はこの一言に集約される…


    ぜひ読んでみてください。

    1日あれば読み終わりますよ。

  • 化学的な事や物理は、はっきり言ってさっぱりだからさらっと読み進めたが、事件についてはとても面白かった。なんとなく感で犯人はわかったが、どうやってが全くわからなく、真相に驚きです。マリアと漣のコンビ、最高。

  • 理化学的な部分が、正直私には難しかった。
    でも『十角館の殺人』を彷彿とさせる衝撃の一行、犯人の情熱的な感情、ラストのシーンは、なんとも魅力的だ。

  • 科学的な要素が少し頭を悩ます、という感想がいくつかあるが、私としてはそこはそういう事なんだな、と理解してしまえばあまり考えなくても良いのでは、と思った。

    ポイントはインタールードで、これがキーパーソンの視点で語られてるのはすぐにわかり、それを軸にグイっと引き込まれる。

    純ミステリー好きなら一気に読める面白さ。
    まずインタールードまで読んで、先が気になるなら読むべし、と思った。

  • そして誰もいなくなった、十角館の殺人のオマージュ作品との触込みだが、どちらかと言うと十角館の要素が強いと感じた。
    序盤はいかにも本格ミステリー感の展開に、自分はやっぱりミステリー好きだなぁと再確認でき、ワクワクしながらページを捲った。
    しかしながら、終盤のトリックや真相解明はちょっと無理があったかなぁ、という印象。
    それにしても、誰もいなくなったや十角館、本作といい、こんなに手の込んだことやって犯人も大変だなぁ。

  • 小型飛行船・ジェリーフィッシュの新性能の航空試験中、不審な死亡事件が発生し、その上、雪山に不時着してしまう。
    脱出不能の中、次々と船内で開発メンバーが殺されていく。
    数日後、不時着したジェリーフィッシュから六体の死体が発見されるが――。

    殺人が起きる飛行船内パートとその事件の捜査のパートが交互に描かれ、真実が明らかになっていく展開にわくわくしながら読みました。
    刑事の軽快な会話も楽しいし、作者のミスリードにはまんまとひっかかったし、ページをめくる手が止まらなかった!

    ただ、特殊技術の化学的な説明が全く頭に入ってこず…。
    犯人の動機もいまいち納得感がありませんでした。

    作り込まれた世界観には没入感があり、印象深い作品でした。

  • 【21世紀のそして誰もいなくなった登場!】

    インパクトのある題名と装丁が気になり手に取ったが面白かった。

    登場人物と舞台が海外なので、海外の本格ミステリーを読んでいるよう。
    文体も読みやすく、先が気になる展開で一気に読んでしまった。

    『そして誰もいなくなった』と『十角館の殺人』は読んだことがあったので大筋はよめていたいたもののそれでも面白い。

    個人的にはラストの終わり方も映画を観たような、先を想像してしまうラストで好みだった。

    シリーズものらしいので、続編も読んでみようと思う。

    題名にある“凍らない”とは何が凍らなかったのか考えたくなる一冊だ。


    こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ
    ・『そして誰もいなくなった』『十角館の殺人』が好きな人
    ・本格ミステリーが好きな人
    ・海外ミステリーが好きな人
    ・どんでん返しが好きな人

全285件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

市川憂人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×