福家警部補の挨拶 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 4-2)
- 東京創元社 (2008年12月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488470029
感想・レビュー・書評
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「刑事コロンボ」を彷彿とさせる、全てが倒叙ものの連作短編でした。普段倒叙ものってあまり好きではないのですが、これは動機に印象的なものが多かったり、ただの証拠探しの話ではなかったので読み易かったです。ただ、福家警部補自身がちゃんと容姿や酒の強さなど特徴を持ったキャラとして描かれているのに、なぜか印象が薄いのが気になります。ちょっと機械的なイメージです。もっと極端にカラーを持っていた方が楽しいような気がしますが、続編でそのあたりは変わってくるのでしょうか。是非先も読んでみたいと思います。
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コロンボを彷彿とさせるストーリーでした。犯人の手口というか犯行を先に描写して、その謎を解決していく福家警部補。NHKとフジテレビでドラマ化されているようですが、どちらも見逃してます。でもわたしの中では永作博美さんがぴったりだと思いました。 犯人は完璧を気取ってるようでどこか抜けてますが、読んでて、あれこんなことしてたらバレない⁇って箇所がチラホラ。なかなか楽しめました。
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コロンボへの崇拝から倒叙スタイルを用いて書いたという作品。
犯人の一挙手一投足に鋭い推理をはたらかせるところは往年の名探偵顔負けですが、重要な手掛かりを持つ関係者やその背景が、あたかも最初から用意されていたかのように突然出てくるところが少し興醒めでした。少ない頁数に収めるためにやむを得なかったのであれば、長編を読んでみたいです。 -
本への愛を貫く私設図書館長、退職後大学講師に転じた科警研の名主任、長年のライバルを葬った女優、良い酒を造り続けるために水火を踏む酒造会社社長ー冒頭で犯人側の視点から犯行の首尾を語り、その後捜査担当の福家警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せていくかを描く倒叙形式の本格ミステリ。
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冒頭で、犯人が犯行を行うところから始まり、およそ刑事には見えない捜査一課の福家警部補が犯人を追い詰めていく倒叙型のミステリー。
短編なので読みやすく面白かった。
読んでる途中、ストーリーにどうも既視感がある、映像が頭にチラチラ浮かぶ、と思ってたら檀れい主演でドラマ化されていた…。それを観たことを完全に忘れている自分が怖い。 -
警視庁「いきものがかり」シリーズで須藤さんと石松さんの会話にちょくちょく出てくる女性警部補。それが彼女だったんですね。
よくあるパターンの男性刑事と女性刑事の意地の張り合いのようなゴタゴタ感は全くなくって、事件に集中して謎解きが淡々と進んで行くのが読みやすくて良かったです。
とにかく殺人を犯すために、どれだけアリバイ工作しようが、綿密に計画を立てようが、ちっちゃな嘘やちょっとした引っかかりを見逃さない福家警部補にじわじわ追い詰めれ、それらがガラガラと崩れていくさまは、読者の私も犯人とともに心臓バクバク冷や汗が流れる勢いです。面白かったぁ。あ、それと二岡くんがとても気になります。 -
金麦主演のドラマより原作の方が面白いと聞いて読んでみたら本当にそうだった。映像化するには細かい伏線をちくちく拾いロジックで繋げる内容は地味だし、じゃ あ強烈なキャラをとなると、無個性で「探偵役」という記号のように見える福家警部補が短編小説では有効に作用しているわけで、映像だとどうしても色が付いてし まってこれじゃない感がでてしまう。ドラマだと中途半端な福家より二岡くんの方が良い味だしてるしなw『最後の一冊』『オッカムの剃刀』『愛情のシナリオ』 『月の雫』の4編収録。倒叙ミステリは犯人役が曲者であるほど面白い。
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「福家警部補の挨拶」
刑事コロンボへのオマージュ、コロンボファン必読書。コロンボファンなら、それぞれの作品がコロンボのあの作品が元ネタかな?と、二重に愉しめます。ジリジリと犯人を追い詰める福家警部補の執念、追い詰められる犯人の焦燥感をお楽しみください。
某国営放送で、永作博美主演でドラマ化されたようですが(見逃した(泣))、原作のイメージにピッタリかも・・。 -
コロンボ、古畑、福家
3人同時に尋問されたら犯人は胃潰瘍になります