福家警部補の挨拶 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 4-2)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488470029

感想・レビュー・書評

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  • 子どもの頃刑事コロンボが大好きで
    欠かさず観てたんだけど作者は大のコロンボ好きのコロンボマニア。
    なるほど!!と納得。
    和製&女性版のコロンボ。
    この手の刑事さんは
    スッポンのようにしつこい&重箱の隅をつついてくるので(笑)
    一度目を付けられたらお終いだな((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 

    倒叙ミステリー・短編4話。

    ◆最後の一冊/本を愛する私設図書館の女性館長
    ◆オッカムの剃刀/復顔術に秀でた科警研OB
    ◆愛情のシナリオ/オーディションを受けたベテラン女優
    ◆月の雫/酒・蔵を愛する日本酒醸造会社社長

  • 『刑事コロンボ』を敬愛する作者が、恐らく満を持して発表したと思われる、倒叙ミステリの短編集です。

    小柄で童顔、地味なスーツを着用したその見た目は、まるで就職活動中の女子大生のよう。
    およそ刑事らしからぬ印象を受ける、そんな福家警部補ですが、披露される推理は鋭利で些細な綻びも見逃しません。

    先行作品のコロンボや古畑任三郎のような、強烈な個性は感じないかもしれませんが、ある意味犯人が主役と言える倒叙ミステリでは、その存在感は遺憾なく発揮されているのではないでしょうか。

    ミステリは好きだけど、最初から犯人が分かってる倒叙ものはちょっと…と思われてるミステリ好きの方々にも、機会があれば読んでもらいたいですね。

    今後が楽しみなシリーズものが、また一つ増えました。

  • 古畑任三郎が好きだったので最後までとても面白く読み進められました。後半の二篇、切ない余韻が残る終わり方で好きです。思えば古畑任三郎でも去り際のあの感じが好きだったのを思い出しました。

    福家警部補シリーズもこれから読んでいきたいですし、著者が翻訳したという刑事コロンボの小説版も読んでみたくなりました。図書館で検索してみましたが1冊もなかったので、古本屋さんに行った時にちょくちょく探したいと思います。

  • 犯行現場から物語が始まり、読者は犯人が誰かわかっている形式の小説。
    そこから捜査一課の女刑事が調査し犯人を追い詰めていく内容。
    どんでん返しも伏線もなく、ただただ淡々と進んでいく短編の推理小説。事件は推理小説の王道の計画的な殺人事件。
    犯人視点から始まるので、自分はついついこの形式の推理小説は、犯人を応援してしまう。
    そして犯人側に心情的に肩入れして読んでいるのに、おいつめていく探偵側の刑事の魅力がよくわからなく、おいつめられた犯人はそこまで決定的な証拠と言えないのにあっさり認める……となるとあまり面白く読めなかった。
    ただ、実際に計画殺人が起これば決定的な証拠がいつもある方がおかしいし、いくつもの矛盾と状況証拠の積み重ねで犯人である可能性を高める、というのはわりと現実的な話なのかな、と思ったりした。

  • 倒叙ミステリー初⁈

    最初に犯人の犯行現場が描写されてそこから犯人逮捕に向けて徐々に紐解いていくタイプの小説。

    面白い。パズルのピースが埋まって行く感じのような。
    この本シリーズ化してるし他のも読んでみたいと思った。

    「33分探偵」も倒叙ミステリー?なんかな
    絶対違う笑

  • 「さよならの手口」で出ていたので。
    叙述ミステリフェアの目玉だった。

    これはコロンボ警部を意識した小説だとすぐにわかったが、
    後ろの解説によるとそれ以上で、
    著者はコロンボ警部のノベライズを手掛けたらしい。

    コロンボ警部自体は好きなドラマだし、
    それを小柄な眼鏡をかけた若く見える女性に設定したことに
    文句をつけるつもりはないが、
    今一つ彼女のイメージが固まらない。

    例えば、事情聴取に行った相手の金貸しが、
    話している途中で急に福家警部補をあなどってはいけないと悟る場面があるが、
    彼にそうさせた理由がよくわからなかった。

    それは犯人側にも言える。
    殺人シーンから始まるコロンボ警部の場合は、
    ゲストスターがすでに持っている強烈な個性とイメージを持って登場してくるので、
    説明するまでもないところを、もう少し説明してもらわないと。

    とりあえず、福家警部補が死ぬほど酒に強いのは理解した。

  • 好き。

    倒叙ミステリってやっぱり面白いなと再認識。
    「オッカムの剃刀」はタイトルから福家警部補の秀でた観察眼から何から何まで一級品。

    というか、「最後の一冊」も「月の雫」も「愛情のシナリオ」も面白すぎる。結局全部面白い。このシリーズ、はずれはないに違いないと思うほどのハイクオリティ。

    ドラマで知った福家警部補。やっと読めた原作。「古畑の女版」とはまさに。

    刑事コロンボも読んでみたい。

  • オッカムの剃刀、という言葉が好きで、「きっとこのタイトルの推理小説があるに違いない」と思って探したらあった、という経緯で読んだ。まずまず面白かった。

  • 星3.1→3.3

    コロンボ式の連作短篇集である。
    誉田哲也作品ほどのセクシャルハラスメント的なマイナス点は作中にみつからず、その点でひっかからずに読める(ありがたい)。他方、横山秀夫や古野まほろなどが取り組んでいるような「職業としての警察」小説という側面は薄い。しかし、特別扱いされすぎない程度に「女性警部補」を淡々と書いていることは、ミステリ小説における女性警察官の位置づけのフラット化に貢献していると思う。

    (2020-10-17更新,第4話「月の雫」がなぜか気に入った)

  • 倒叙ミステリ。シリーズ作品と知り、順番に読んでいます。決して警部補には見えない小柄な女の子、福家警部補の活躍を描いています。事故現場と思える所に何故捜査一課の彼女が現れるのか。刑事コロンボの時にもそう思ったなぁ。まずは事件かどうか鼻の効く捜査員を送り出すのがセオリーなのかしら。でも彼女が来たら百発百中バレちゃうよね。鑑識さんお疲れ様です。

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著者プロフィール

大倉崇裕(おおくら たかひろ)
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年、「三人目の幽霊」で第四回創元推理短編賞佳作を受賞。98年、「ツール&ストール」で第二十回小説推理新人賞を受賞。2001年、『三人目の幽霊』でデビュー。代表作である白戸修シリーズ、福家警部補シリーズ、警視庁いきもの係シリーズは、いずれのシリーズもTVドラマ化されている。

「2022年 『殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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