35歳からの「脱・頑張(がんば)り」仕事術 (PHPビジネス新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569796710

感想・レビュー・書評

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  • 「史上最強の兵士だが、史上最悪の指揮官」と言われ、同期から昇進が遅れた著者が
    編み出したチームを自動で回す仕組み、すなわち「仮説作り」「ブレインジャック」
    「オーナーシップの移管」のポイントを解説。

    ///

    ◆チーム運営の反省 ~ 部下お任せ型/部下完全管理型、いずれも部下は主体的に動かず

    ・「ウルトラ放し飼い」は楽だが、問題があった場合、発覚が納期直前となり、
     足りない部分は自分が必死で頑張る必要有。
     部下の仕事を取り上げるので、部下の責任感も摘み取る。
    ・逆に自分が一から十まで仕切る「究極の1人プロジェクト」は、
     事前に自分で仮説を作り、部下に細かい指示を出せるので、品質は担保できるが、
     部下が指示待ち状態となり、自分が必死で全体のマネジメントを頑張る状態は変わらず。

    ◆自分も部下も頑張る3つの「仕組み」 ~ オーナーシップの移管がポイント

    ・「(初期)仮説作り」は自分で行うが、ブラッシュアップには部下の知恵を借りる
     「ブレインジャック」方式で臨み、その成果の「オーナーシップ」をうまく部下に移管する。

    ①(初期)仮説作り ~ まずは一兵卒の如く、必死に動く

    ・スピードが重要、3ヵ月のプロジェクトなら仮説構築にかけられる時間は2週間程度
    ・仮説は、自分で考えるだけでなく、実際に現場に赴き、また、
     社外や他部署の人の知恵を借りてスピードと精度を両立させる
    ・この段階を部下任せると「とりあえず調べて」となり、部下に無駄な作業を強いる可能性有

    ②ブレインジャック ~ 部下の知恵を借りて仮説をブラッシュアップ

    ・イメージはベンズ法
     ~自分/部下を二つの円(交わらない)と考える
     ~まず、部下の思考回路・情報を理解し、自分の仮説を大きく考え直す
      (円を大きくして部下の円と交わらせる)
     ~次に、部下を誘導し(気づきを与え)、共通部分を広げる(部下の円を大きくする)

    ③オーナーシップ移管 ~ 「自分の仮説」を「部下の仮説」にすり替える

    ・基本は「わからない振りミーティング」、自分の仮説をしっかり持ちつつ、
     部下の意見をまとめ(誘導し)、部下の発案による仮説にすり替える
    ・部下の発案であれば各自が主体的に臨める、また、上司は各自の仕事を安易に引き受けない
    ・必要であれば「評価棚上げ」「割り振り棚上げ」「5階級特進思考」で議論を活発化
    ・無理は思考停止に繋がる、むしろ無理を可能にするアイデが差別化の源泉となる可能性有

    ④リスク管理

    ・高頻度短時間のミーティングを実施、部下の中間アウトプットに関心を持ち、細かく軌道修正
    ・社内向けの成果物は、全体感を持ちつつラフにして労力を省く
     ~この段階で「綺麗な資料」を上司が褒めると、部下は綺麗な資料作りに力を割き始める

    ◆部下育成のアドバイス

    ・まずは強みで食えるようにする
    ・次に弱点分野を強化、但し注力すべき分野は効果が高い分野に絞り、
     注力する際の具体的なアドバイスを添える必要有(枠組みをきちんと示す)

  • マネージャーのチームを動かす仕組みづくりについて、示唆があった。
    ブレイン・ジャックはぜひやってみたい、と思った。

  • 著者の主業務である、経営コンサルティングの場面をイメージしすぎているきらいはあるが、マネジメントを極力仕組み化しようとする試みには賛同したい。
    「結局人間力だよね」みたいのは、正直私の性に合わないと思う(笑)

    あと、プレイヤーとして、相当能力がある、マネージャーをイメージしてそうなところもちょっと気になるところ。


    <メモ>
    ③最初は、自分で仮設をたてる
    【3】部下と並走しながら、、仕事を仕上げていく
    ⑦バッタ型から芋虫・ムカデ型時間術
    高密度・高頻度、30分で
    ⑧壁塗りの原則
    早く全体を
    ⑨「島田タイム」のススメ
    週に1回は、全体を考える時間を持つ


    ・(無理にでも)明るく行動。ネアカ
    ・しかるは、密室
    ・まっすぐ走る。部下は全部みている

  • 自伝的な部分はおもしろかったが、仕事術的な話は抽象的な精神論に終始している印象を受けた。

  • ・上司である自分の発想を広げるためには、部下の主張そのものでなく主張の背景にある理由や考え方に耳を傾ける。(=ベン図法)

    ・部下の能力のなかで相対的強みを発見する。

    ・上司のプライドが邪魔をする。部下が仕事を取りに来ると、暇になるから不安になる。
    そのときには、「上司しかできない仕事をする」要人とのネットワークつくりとか。

    ・部下を伸ばすのに重要なのはフィードバック。部下が本当に欲しいのは、改善策。

    ・「部下は仲間」という甘えを排除する。説明しなくても分かるだろうは危険。

  • 自分は案件中“ずっと一兵卒”か“一人プロジェクト”に近いかも。なかなか周りをいい感じに巻き込むのは難しい。

  • 明らかに普通の人じゃないじゃんか。

  • あとでもう一回読みたい。

  • 2011-014

    「脱・頑張り」と書いてあるので、力抜いてやろうよ。
    適当にやろうよ。

    ってことが書いてある本と思われるかもしれない。


    しかし、数ページ読めばそうではないということに気付くだろう。

    「史上最強の兵士だが、史上最悪の指揮官」と言われた筆者。
    個人としては最高だが、マネジャーとしては失格の烙印を押されてしまった。
    それでも顧客に対して満足してもらいたいがため、自分が必死に頑張ってきた。その方法として「ウルトラ放し飼い」「究極の一人プロジェクト」で乗り切ってきた。しかし辛かった。

    そこで、マネジャーとしての自分を成長させるために自分ひとりだけが頑張るのをやめる、つまり「脱・頑張り」なのだ。

    その過程であみ出した40の手法はどれも自らが四苦八苦しながらあみ出したものなので含蓄があり、参考になる。
    マネジャーにこれからなる人、いやもっと早く後輩ができる頃には読んでおきたい1冊。

    個人的には「島田タイム」が自分にもできないかなと考えている。
    とても重要な時間になると思う。

  • まさに今の職級から上に行くために必要な本。
    「脱・頑張り」とは、自分が楽になるということではなく、
    いかに組織・チームとして成長していくかということ。
    しかもこの本は、それを仕組みとして実現するための指南書。

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著者プロフィール

1958年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。シカゴ大学経営大学院にて修士号(MBA with honors、全米成績優秀者協会会員)取得。
1990年、ボストン・コンサルティング・グループ東京事務所入所。A.T.カーニー東京事務所マネージング・ディレクター・極東アジア共同代表、
ベイン・アンド・カンパニー東京事務所代表パートナーなどを歴任。現在、山本真司事務所代表取締役、立命館大学経営大学院客員教授(戦略コンサルティング論)、
静岡県サッカー協会評議員、慶應義塾大学大学院非常勤講師。
著書に、『40歳からの仕事術』(新潮社)、『30歳からの成長戦略』(PHP研究所)、『20代 仕事筋の鍛え方』(ダイヤモンド社)、『会社を変える戦略』(講談社)、
『35歳からの「脱・頑張り」の仕事術』などがある。

「2013年 『ビジネスで大事なことはマンチェスター・ユナイテッドが教えてくれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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